ねねが六曜社に行ったのは4年程前のことです。
何回も訪れている京都、季節は夏の終わり。知恩院で写経をして山門を眺めスケールの勇ましさに圧倒され京都観光を満喫していました。
残暑の日差しの厳しさが堪えたので京都の喫茶店でGoogle検索をかけるとすぐにヒットする六曜社に行きました。
基本的にお腹が弱いので喫茶店で頼むものはホットドリンクであることが多いのですが、暑さのなか歩いてきたので珍しくアイスコーヒーを頼みました。
その時に飲んだアイスコーヒー。脳天に光がガッと差し込んだような味でした。
おいしい…
コーヒーってこんなに刺激的で複雑な味だっけ。
ねねの味覚はそんなに優れてはいないのでコーヒーの豆とかブレンドとかよくわかりませんが、このコーヒーは別格、おいしい、と思いました。
一瞬にして六曜社のコーヒーの虜となったのです。
そしてドーナツがおいしい、という口コミも見ていたので一緒に頼んだら、素朴な味わいで外がザクザクと揚がったこのほろ苦いアイスコーヒーによく合うドーナツでした。
そんな六曜社との出会い。
夏はアイスコーヒーで体の火照りを冷まし、
冬はホットコーヒーで体の芯からそっと暖まる。
京都の旅は六曜社なしでは語れません。
コーヒー豆の販売もあるので、おみやげに買って帰ることもできます。冷蔵庫に六曜社のコーヒーがあると幸せです。
今回の京都旅行では18時からのバータイムに行ってみることにしました。
いつもの六曜社が夜の雰囲気です。
地下店主の奥野修さんのお兄さんがバータイムの店主となります。
メニューはウィスキー、ビール、ウィスキーかブランデー入りのコーヒーか紅茶、ドーナツやパウンドケーキもありました。昼間のメニューとほぼ同じです。お酒が加わります。
粋な街の粋な紳士がウィスキーを水割りで頼んでいました。
マッチでタバコに火をつけるので、マッチのあの懐かしい匂いがお店に広がります。タバコは苦手だけど、マッチのあの匂いが渋くて好き。
ねねはブランデー入りの紅茶を。
めめ(妹)とドーナツを半分こにして食べます。
レモンティーにブランデーとシロップが入り粋なカクテルです。おいしい。
カウンターに座ってバックバーを眺めると無数のウィスキーボトルとコーヒー豆の陳列。これを眺めているだけでここに来てよかったなと思えます。
浄水器や水差しには昭和が色濃く残ります。
京都の夜遊びはなんて楽しいんだろう、夕立が去って少しひんやりとした風が吹く京都の夜を歩いてホテルに戻りました。
翌朝安井金比羅宮をお参りし、やはし六曜社のコーヒーを飲みたい、これを飲まないと帰れない、ということで、開店直後の六曜社へ。
修さんがいらっしゃいまして、いつも割りと混んでいてカウンターに座るのですが初めて奥のテーブル席に案内されました。
ランプが素敵なの初めて気づきました。
ソファーや灰皿、砂糖入れ。どれも動かぬ昭和遺産。
ハウスブレンドコーヒーとアイスチャイ、トースト。トースト光ってる。
チャイは初めて飲みましたが、スパイシーというよりはミルクティーに少しスパイスが加わった日本人向けの味といった感じです。
素朴なチャイ。
トーストはご覧の通りマーガリンがしみて美味しかったです。
コーヒーミルクが沈む姿を眺めて、スプーンでよく混ぜて氷の鳴る音を聞くと京都の夏はアイスコーヒーがよく似合うなと心底思います。
いつも通りコーヒ豆をお土産に買って、店主のきびきびとした働く姿を見て、特別話すこともないけども、目を合わせてごちそうさまと言うとその目にまた来ることを見透かされるようなまた来るのを待っていてくれるような訴えかけがあって、それが六曜社の魅力でもあるのですがさすがだなと思わずにはいられないのです。
また来ちゃいました、また来ますなんて言葉はいらない、店主は判っている。また来るのを。
そういう店主の醸し出す雰囲気も含めて六曜社が好きで、
いつまでも店主が元気でいておいしいコーヒーを淹れて待っていてほしいと思うのです。
多分この写真は初めて行った時に飲んだ六曜社のコーヒーとドーナツ。忘れられない。
六曜社についてはネットや京都関連の雑誌に載っているので情報は手に入りやすいですが、六曜社の歴史のネット記事は読んで凄いなーと思いました。↓
http://s.kyoto-np.jp/info/special/rokuyosha/20150819_8.html
京都新聞|六曜社物語 - 戦後70年、京のある喫茶店
店主奥野修さんがミュージシャンだということを今日初めて知って驚きを隠せないので今度行ったときはそれについて話しかけられたらいいなと思います。
では。