男を威嚇する服、この世にはそのような服があるのだ。
モテ服、媚び服、童貞を殺す服、女性用の服には様々な形容詞がつくが、皆さまの脳内辞書に男を威嚇する服というのも加えて頂きたい。
どんな服が男を威嚇する服か、というと分かりやすく言えば大阪のおばちゃんの服だろう。派手な色や柄のとにかく目をひく服。
ねねも33歳となり、ずいぶんモテを意識した服から遠いところにいる服を買ってしまうようになった。大阪のおばちゃんの気持ちが少しだけわかる気がする。顔がパッとしない分、服に明るさや華やかさを求めてるようになった。
話の筋からずれるのだが、これだけは言いたい。今年の甲子園、テレビで見る高校球児の笑顔が太陽より眩しいと思った。今までこんなことはなかった。確実におばちゃんになっている。お嬢さんからおばちゃんへのステップアップを平成最後の夏に済ませた。大人の階段のぼる、というのはこういうことでいいと思う。
男を威嚇する服については以前も書いている。多分派手すぎるので男性ウケはしない。合コンでこういう服を着ていたら誰からもLINE交換しようなんて言ってもらえないだろうし、LINE交換しようって言ったところでLINE未読スルーされるだろう。
ただ個性的ゆえに女子、とくにおばちゃんからの支持率は高い。男を威嚇する服を着ていくと「その服!!」と笑って褒めてくれる。
昨日男を威嚇する服で出勤したらいつもと違ったのでそれを今日は書こうと思う。
ちなみにこの男を威嚇する服を着ていった。
朝病院に着くと院長がオートロックのガラス扉の向こうにいた。ねねはこの院長があまり好きでない。勤務時間外でお目にかかるのやだなー、と思いながらオートロックのキーを叩いた。なぜか開かないガラス扉。なぜかうろうろしている院長。オートロックのキーをまた叩く。オートロックのガラス扉の方へやってくる。そしてガラス扉を開けてくれた。姫を出迎えるように丁寧にドアを開けねねを通す。挨拶をしてタイムカードをきる。
男を威嚇する服が派手すぎるから目についてしまったのだろう。コンクリートの建物に擬態できるようなグレーの服で来ればよかった。少しだけそう思ってしまった。男を威嚇する服ではあるが存在感が強すぎて逆に寄ってこられる(寄ってきてほしい、ほしくないの意思は別として)こともあると悟る。
帰り道、自転車に乗ったおっさんにじろじろじろじろ異常な視線を浴びせられた。そのおっさんは何て言うかな、電波を受信して多分普通の人と違うチャンネルがついている人っぽかった。なるほどそういうことかと悟る。
前もこの服を着ていたら普通の人と違うチャンネルの人がついてきて困った。
つまり男を威嚇する服は普通の人は威嚇できるけど、普通の人と違うチャンネルの人には『同類』と感じて近くに寄ってきてしまうらしい。これがシンパシーというやつか。
服ひとつでここまで広がる世界。おもしろい。いつもの服を脱いで男を威嚇する服を着てみるのはいかが?きっとあなたも新しいチャンネルを…おっとこれ以上言うのはやめておこう。