ここから先は私のペースで失礼いたします

さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

ローレンスTシャツを着こなしたい

暑い夏がやってくる。衣替えはお済みですか?夏と言えば薄着、薄着といえばTシャツ。Tシャツは便利。素材がいいしたくさん洗える。でも意外と大人になると着ない。おしゃれに着こなしたい。着よう。家にある服をひっちらかしてTシャツに合うコーディネートを考えたので見てほしい。

 

今回着たいと思ったTシャツはモモモグラという画廊でやっていた漫画ローレンス展のグッズだ。モモモグラで買ってきた。今なら通販でも買える。↓

https://momomogura.base.shop/

 


漫画ローレンスってなに? - ここから先は私のペースで失礼いたします

 

漫画ローレンスのことはよくわからないが、漫画ローレンス展で売っていたTシャツはかわいかった。かわいければ何でもいいじゃない。

f:id:sakamotwin:20190514225453j:image

私が買ったのはこのミントグリーンのTシャツ。色よしロゴよしかわいさよし。早速合わせてみよう。

 

ローレンスTシャツ×白デニム
f:id:sakamotwin:20190514225628j:image

ぶら下がり健康器は服をかけるのにちょうどいい。

白デニムは何でも合う。だいたい何でも合うからあると便利。

f:id:sakamotwin:20190514230049j:image

サンダルはいとけば夏っぽくなる。Tシャツの着方に悩んだらまずはこれで太刀打ちしよう。

 

ローレンスTシャツ×白チュールスカートf:id:sakamotwin:20190514230147j:image

Tシャツでデートしたいときはスカート合わせときゃなんとかなる。これならコンバースの白スニーカー履きたい、持ってないけど。デートしたい、彼氏いないけど。

 

ローレンスTシャツ×黒ドットスカート
f:id:sakamotwin:20190514230332j:image

ははっ、サブカル女子っぽくなった!

これも白スニーカーでよさそう。敢えて赤のヒールでもかわいいかも。

 

ローレンスTシャツ×黒吊り紐スカート
f:id:sakamotwin:20190514230509j:image

このスカートをなんというか知らないのだけど吊っとけばなんかおしゃれだから。サスペンダーもおしゃれじゃん、あれと同じ同じ。麦わらベレー帽被っとけば完全に夏だよね、もう。

 

ローレンスTシャツ×花柄スカート
f:id:sakamotwin:20190514230717j:image

これ確かH&Mで4,000円位のスカートなんだけど、麦茶溢してもシミにならない目潰し柄の優良スカートなんだ。これにサンダルでいいでしょう。夏に麦茶こぼさない人間なんていないでしょ?間違ってもTシャツにこぼさないように。シミになるから。

 

ローレンスTシャツ×花柄ショートパンツ
f:id:sakamotwin:20190514231034j:image

完全に夏☆しちゃってる。よしこれでいこう。

 

ローレンスTシャツ×花柄スカート
f:id:sakamotwin:20190514231158j:image

ミントグリーン×水色、パステル×パステルの大胆パステル。パステルの相乗効果で涼しく爽やかに。もう漫画ローレンスの本質を完全に見失ってかわいいだけで生きていくことにしよう。

 

ローレンスTシャツ×ミントグリーンスカート
f:id:sakamotwin:20190514231407j:image

このスカート3,900円だったからローレンスTシャツ用に買った。ミントグリーンにミントグリーンをぶつけて強くなりたい。そんな思いを着てみました。ソフトクリーム食べに行くのによさそうなコーディネートだ。

 

ローレンスTシャツ×緑のパンツ

f:id:sakamotwin:20190514234537j:image

これくらいやってもいいのかもしれない、

 

 

 

ローレンスTシャツ×青のスカート
f:id:sakamotwin:20190514231640j:image

ローレンスTシャツを着るにあたって、案外色物を合わせたほうがかわいいのでは、という予想を見事に的中させたやつ。

 

ローレンスTシャツ×チェックのパンツ
f:id:sakamotwin:20190514231910j:image

なんか、凛々しくなった!

 

ローレンスTシャツ×セットアップ

f:id:sakamotwin:20190514232027j:image

あたしこれが1番好き~!サングラスかけて紫の靴下はいて、おっさん靴かもしくは黒のエナメルのピンヒールはいて!麦わら帽子かぶって出掛けたい。そうね、行き先は海かしら。地方の3時間に1本しか来ない誰も乗らないようなバスに乗って海を見に行きたい。煙草は吸わないけど葉巻咥えさせときたい。いや、これメンズがやったらあたし気絶してまう。かっこよすぎて。

(興奮すると一人称があたしになる)

 

ローレンスTシャツ、侮れない。おしゃれすぎて着こなしの幅が広がりすぎる。この夏はローレンスTシャツでアバンチュールしようぜ。

 

ねこにいないねこの行方をたずねる

めめがすんでいるアパートの付近にはねこねこスポットがある。わりと野良猫に遭遇出来るのでここに住むのはとてもいい。

野良猫が一匹いる。ねねちゃんと名付けている。茶トラの優しくて小柄なねこはいつも撫でてと寄ってくる人懐こい可愛いメス猫だ。帰り道、ゴミ出しの後などねこねこスポットに寄りねはねちゃんを探しに行く。たまにねこねこパトロールや先客でおさわりが出来ないときもあるけども大抵はいるのでふわふわの柔らかい頬っぺたをゴロゴロ撫でて帰る。ペット禁アパートに住む孤独独身女性にとってねねちゃんはオアシスだ。

 

周辺にオスの大きなねこもいる。うにゃーんうにゃーんとゴロゴロ転がり触ると引っ掻く噛むと言う近くに寄れない人懐こいのかよく分からないねこ、通常うにゃちゃん。

こいつは神出鬼没でアパート周辺で見かけたりそこから結構離れた所で他の女の子に可愛がられていたり行動範囲が広いねこなのでそう簡単には遭遇しない。最近見かけなかったのでどこ行ったかな?と思っていた。

Twitterでいなくなったねこがどこに行ったかねこに話しかけると良いよと言うものを見たのでねねちゃんに「うにゃちゃんはどこに行った?」と聞きながら撫でていた。ねねちゃんはゴロゴロ気持ち良さそうにしていたが突然挙動不審に。

 

ん?

遠くを見つめるねねちゃん。その先にうにゃちゃんがやってきた。「えっ?まじできたよ」


f:id:sakamotwin:20190514073934j:image

うにゃーんと転がりだすねこ。

ねこに話しかける、有効だと思っていたらまた別のねこが来た。そしてうにゃちゃんと喧嘩を始めたのでとりあえず写真を撮りそっと帰った。

f:id:sakamotwin:20190514015343j:image
人間はねこの喧嘩に手出しはしちゃいけない。

その後喧嘩は収まったのかウウウウーと言う唸り声は聞こえなかった。

 

ねこの行方はねこが知ってる。これは本当だったんだな。

カーネーションを贈る人はもういない

駅前の花屋にカーネーションの花束が売られそれを買おうと並ぶ父子の姿を見て母の日だと気付く。私にはカーネーションを贈る人はもういない。4年前から母の日は寂しいものとなった。

 

もともとカーネーションという花が好きではない母に母の日用の花を買うと「カーネーションは好きじゃないんだ」と言われたので、母の日の贈り物というのにはずいぶん頭を悩ませてきた。こだわりの強い人で何を贈っても気に入ってもらうことはなかった。いや、へそ曲がりなあの人のことなので本心では喜んでいたのかもしれないが、表に出すことはなかった。何年もそういうことを繰り返すうちに、一緒に買い物に行き欲しいものを買うことにした。スカーフや日傘ひとつをとっても値段が高ければ遠慮し、気に入らないポイントがあればごねて選ぶのには骨が折れた。結局買った日傘は勿体ないから特別なときに、ということで滅多に使っていなかった。最後に母の日の贈り物として買ったのは帽子だった気がする。プレゼント用の包装もしないイオンの袋のまま自分で持って帰っていた。気難しい人を母に持つのはなかなかに大変なことである。

母は大変厳しい人でもあり幼少期は些細なことで怒られた。仲良し親子、とか姉妹みたいな親子というのには憧れた。一緒に買い物に行ったり恋の話をしたり手を繋いだり、そんなことはなかった。手を繋いだ記憶というのがほとんどない。抱っこしてもらったり甘やかされた記憶もない。まぁ病弱な双子の母親というのはとにかく手一杯でかわいがる余裕などなかっただろうと今なら思う。

かわいがられはしなかったが、よく面倒をみてくれたと思う。風邪を引けば氷枕を作り好きなものを食べさせてくれた。お粥は20歳を過ぎても作ってくれて、私はお粥が好きでなかったのでほとんど食べなかったが今になってそのありがたさが身に染みる。

風邪を引いて寝込む。食欲のない中、なんとか食べられるアイスを食べ「お粥を作ってくれる人はもういないのか」と思ったら泣いてしまったことがある。涙が溢れて止まらなかった。母を亡くした寂しさというのはふとしたときに未だに込み上げてくる。

 

よく夢を見る。晩年の母が生きて今の我々家族の生活に入り込んでくる夢だ。

ガンを煩い痛みと闘ってきた母の姿ばかり思い出される。「痛み止め飲んだ?」「薬増やす?」「大丈夫?」「もう休んでて」いつも心配していたことを未だに心配している。

それでも1つだけ、母にどうしてもお願いしたいことが私にはある。母が作った餃子が食べたいのだ。母が作った餃子は世界で1番おいしい。死ぬ前に何が食べたいかと問われれば私は「母が作った餃子」と答える。もう4年も食べていないので完璧に味を思い出すことはできないがあの餃子でないと嫌なのだ。

餃子を作るときに下ろし金でにんにくをすりおろすから手がにんにく臭くて、キスミーのハンドクリームと混じった匂いが母の手の匂いだ。その手で寝る前に絵本を読んでもらったり冬の寒い時期に顔にクリームを塗ってもらった思い出が甦る。懐かしくて2度と戻ることのない時間を忘れないよう何度も思い返す。

 

夢に出てくる母に「調子が良かったら餃子を作ってくれない?」と何度もお願いしてきた。体調の心配をしながらも、どうしてもあの餃子が食べたいのだ。夢の中の話なので調子を伺ううちに目覚めてしまい結局餃子までたどり着けないのだが。

 

もっと甘えたり餃子を作ってもらったり一緒に台所に立ったり母の行きたいところに連れていってあげればよかった。もっと色んな話をすればよかった。もっと手を繋いでいればよかった。

こうして夢枕に何度も立つという母もまたもっと餃子を食べさせてあげればよかった、と思っているのかもしれない。

もっとなにかをすればよかった、と考えればキリがない。それは死別して何年経っても思うことだ。時が来れば薄れる気持ちもあるだろうが、時が流れても薄れない気持ちもある。

 

母の日に思うのは感謝の気持ちは特別な時だけではなく常々表現しておくべきだったということだ。当たり前に用意された食事もいつもふかふかの布団も洗濯された服たちも全ては母のおかげだったことを、それをいつもありがとうと言えなかったことが悔やまれる。

 

今日、仏壇に供えられた芍薬の花は気に入っただろうか。季節の花なのできっと気に入ってくれただろう。手を合わせながらこっちはなんとかみんな元気でやってるから心配しなくていいよ、そっちでのんびりしてて下さいと言う。働き者の母なのでのんびりするのは苦手かもしれないがもう十分働いたのだもの。

ありがとうとは大して言えなかったけど、あなたの偉大さはどうやっても越えられそうにありません。同じようにやっても同じようになんかならないさ。本当にすごい人でしたね。好きかどうかなんて恥ずかしくて言えないけど、世界で1番大切な人です。今だって。いつかまた同じ世界へ行ったときにはお母さんの作った餃子が大好きだったんだと伝えたいが、それはまだまだ先の話となりそうだ。

 

 

今週のお題「母の日」

ねねちゃん保育園は手厳しい

ねねには甥が2人、姪が1人いる。預かったりすることはないがたまに遊んだり食事を提供したりすることはある。

第2子が生まれるときは昼間第1子を預かることはあった。ギャン泣きする第1子を幼稚園に送り届けたり、ギャン泣きする第1子を保育所に届けてあんまりにもギャン泣きするので引き取り公園で遊ばせたのはいい思い出だ。ねねちゃん保育園と称し第1子と振り返りをし、ねねに感謝してもらうなどをしている。

 

第1、2子が小学生となった。大人との会話もなんとなく型についてきたので、叔母として足りていない教育を補助していこうと思っている。ねねちゃん保育園園長は手厳しい。まずは虫の殺しかたから教育していこうと思った。

最近の若者は虫を殺さない。共存、殺したらかわいそう、生ぬるいことを言いやがる。害虫は殺せ、殺るか殺られるかなのだ。時代は「先輩を見て学べ」から「教わってないからできない、やらない」に変わってた。虫を殺すことを知らない若者よ、それでいいのか。全身蚊に刺されてへらへら笑うつもりか。害虫は殺せ、それがねねちゃん保育園の教育方針だ。(ちなみにねねちゃん保育園園長は菜園のキャベツについた青虫を半日かけて全部プチプチ殺すタイプの人間である)

 

今日実家にムカデが出た。一族は大騒ぎで部屋に集まってムカデを観察した。まだ幼子もいるので一族の長がムカデを殺そうとしたが、ムカデはタンスの裏に入り出てこなかった。

 

第1子は殺したらかわいそうだという。「僕は優しいから殺さないよ」と言う。そういう履き違えた優しさはいらない。将来マッシュルームカットの優男になって「かわいそうだからみんなと付き合う」と10股とかしそうな思想だ。そんなことはねねちゃん保育園卒園生にあってはならない。男は黙って坊主だ。前髪重ためのマッシュルームカットにしてきたら即ハサミを入れてやる。そして害虫を恐れず殺れ。

 

第2子は「殺せ~っっ!」とねねが叫んだところでテンションMAXとなった。「うおおぉ~」と叫んで出陣の準備は万端だった。さすがねねちゃん保育園の第2期生である。優秀た。

 

第3子はねねちゃん保育園園長に叩かれたことがあるのでねねちゃん保育園のことをとても怖がっている。言うこと聞かないときはねねちゃん保育園だよ、と言うとすっと言うことを聞く。ムカデが出たとき親に抱っこされていた。まだまだ赤ちゃんなので仕方ない。

 

ムカデが一旦退散したところで、ねねちゃん保育園園児を集合させる。

「今から皆さんには虫の殺しかたを勉強してもらいます。もし虫が落ちてたらどうしますか?正解はこうです」

と言いながら床に落ちてるスイカの種をドシドシドシと強く踏んだ。執拗に踏んだ。スイカの種を床を這うタイプの害虫として踏みつけるのである。

 

第1子は「僕はやらないよ~殺さないよ~」となよなよしている。

第2子は大喜びで踏みつける。ねねちゃん保育園園長顔負けの足圧だ。

第3子も弱々しくも踏みつける。

第2子には優秀賞を送った。

 

 

そのうちまたムカデが出てきて一族の長が捕まえた。外に逃がしてやろうとしているのでダメだと言いムカデをくるんだティッシュごとポリ袋に入れた。そしてそれを地面に置きスリッパでメッタクソに叩いた。

 

第2子もやるとのことでスリッパを渡した。信じられない勢いでポリ袋を叩き、ムカデはぐしゃぐしゃになった。

第2子に向かって「そうです、ここまでやろう、ここまで殺れば大丈夫だから。えらい。ねねちゃん保育園首席だね!」と褒めた。第2子は笑顔だった。

 

先は長い。これから害虫シーズンがやってくる。殺したほうがいい虫を見つけたらねねちゃん保育園はいつでもオープンする。新しい時代、優しさだけでは生きていけない。強さを教えるのがねねちゃん保育園の方針なのである。

 

 

大型連休明けの代償

でかすぎる。大型連休明けの代償がでかすぎる。連休明けの業務、世間の皆さんは滞りなくやっちゃっているのか?こちらはダメですムリムリムリ。めちゃくちゃだ。めちゃくちゃ忙しい。無茶するぜ、ってなっている。

 

連休明けの病院は地獄だった。入院患者さんたちは、連休中に退院者が集中、容態悪化者もバンバン出しちゃうよ~!ってテンション。

連休明けで久しぶりに来て、浦島太郎状態(看護師さんたちはこの言葉が好きなようでよく使う)

え、この人こんなに具合悪かった?

え、このベッド空いたの?

え、なにこの酸素の量…爆増じゃん…

え、点滴…なんで…?

え、空きベッド入院?え、2件も…?

え、スタッフいなくね?

え、休み明けで把握しなきゃいけないこと多過ぎて頭回らなくね?

え、誰?

え、何?

は?今日終わる?

え、その書類さばける?

は~!点滴漏れてる?

何!その熱!

おい!点滴入れる血管なくね?

その!熱!何!

点滴入れる血管ないって!

その熱下がらなくね?

点滴入れる血管ないって!

その熱じゃぐったりするよね!座薬!どこ!

だから点滴入れる血管ないと針もさせないっつの!

座薬!

点滴!

座薬!

血管!

けつ!

血管ない!

けつに薬!イン!

血管なきゃ針刺せん!

熱下げて!

無理!

血管!触れない!そりゃそうだ、具合悪いんだもん、なぜ漏れた点滴よ…

夜勤さんきた!

記録終わってない!

血管ない!

ラウンド終わってない!

血管ない!

持っていった点滴針足りない!もう無理。

夜勤さんきた!

記録書いてない!

もう全部諦めて帰っちゃおうかな。

じゃあ言ってよ、逆に何があるのよ…あぁ

あの人の熱か…。

あってもろくなもんじゃないな。

 

こんなんですよ。連休明け。代償でかすぎ。やめよう、10連休なんてさ。ろくなもんじゃないよ。病院にいると大型連休ってろくなことない。年末年始の休みだってそう。みんな具合悪くなる。命は年中無休。休めないからそれに向き合えるスタッフを確保するためにも大型連休やめて分散連休にしようぜ。多忙で私が死ぬ。(てんてこまいで仕事終わりに疲れてぽてちんですわ)

ははっ…来ちゃった…

f:id:sakamotwin:20190509214509j:image

今日はアイスの日らしい。

 

ははっ…来ちゃった…(気持ちが重ための女が浮気した彼氏の家に刃物を持って来たときの顔で)

 

ははっ…これ…おいしいね…(気持ちが重ための女が浮気した彼氏の前でおもむろにカバンから刃物を取り出したときの笑顔で)

 

ははっ…これ…おいし…(そのあとどうなったかは誰も知らない)

祝うことのないあの人の誕生日

大型連休が終わり日常に戻る。ぎこちない日常にぎこちなく身を投じる。5月の夜にしては風が冷たい。夜道を歩きながら京都の夜に想いを馳せる。今日は愛した人の誕生日なのだ。今となってはなんの関係もなく愛し愛されたた日々はただの過去である。きっともう会うことはないし、おめでとうと祝うことのないだろう。それでも1年でこの日だけはあの人のことを思い出すことを許してほしい。

 

最後に誕生日を祝ったのは5年より前になる。京都に住むあの人の家に行き、小さなケーキを2つ買い2人で食べた。ケーキを持ち帰るまでにお皿や他の食材を買い込み荷物が多くなってしまった。雑に持ち帰ったらショートケーキのイチゴが抹茶ケーキに乗っかっていて2人で笑った。私が帰る時間が近づき西陽の当たる部屋でそろそろお別れの時間だという寂しさを押し殺して笑った。

 

この先長く付き合っていけないことをお互い薄々感じていて埋められない物理的な距離は心の距離にも影響し始めた頃だった。誕生日プレゼントはアルバムにした。2人でデートした先々で撮った写真、行った場所の入場チケットも挟み思い出を書き込む。確かそれは誕生日当日には会えなかった為、郵送したのだった。ポストにアルバムが届いて、ページを巡りたいそう嬉しかったと聞いたとき遠距離の寂しさも越えられると思ったがそれは一時的なもので、日々つきまとう寂しさはどんな言葉や会瀬を重ねても太刀打ちできなかった。

 

アルバムの写真のデータを見返す。私もあの人も笑顔だった。カフェで食べたもの、見た桜、撮ってもらった2人の写真、変なポーズをしておどけている。あまりにも穏やかで幸せそうでこんなに笑って過ごしていたのかと驚いてしまった。写真を見返し楽しそうな2人はまるで自分には関係ない人のようだった。幸せだったことは忘れてしまったので思い出せて良かったと思う。あのアルバムはまだ残っているのだろうか。できれば死ぬまでにもう1度手に取りたいものだ。

 

あの日食べたケーキの写真もやっと出てきた。記憶の通りめちゃくちゃになっていて、できればこのケーキのことは死ぬまで忘れたくない。楽しかった記憶なので何回でも思い返すことにしよう。

 

あの人と結婚したいと思っていたが、今では結婚しなくて良かったと思う。きっと私が色んなことをあの人のせいにしてあの人からもらう幸せを大切にできなかっただろうから。

プレゼントらしいプレゼントはもらわなかったけど、「全力で、無理してでもやりきってください」という言葉は私にとってあの頃を生きる為に1番必要な言葉だった。今でもその言葉を大切にしている。あの人のいない世界でも生きていけるが、あの人との思い出と言葉がなければ生きていけない。また来年、このケーキと楽しかった日々のことを思い出そう。

 

あの人へ。

お誕生日おめでとうございます。

直接祝うことはありませんが、たくさんの人に祝ってもらい幸せな1年をお過ごしください。きっと正義感が強く仕事熱心なあなたのことですから毎日慌ただしく過ごしているでしょう。身体はそんなに丈夫じゃないところもあるので無理はしないでください。この先もたくさんの楽しいことや嬉しいことを全力で受け止めるために健康にだけは気を遣ってあげてください。

きっとあなたの強くて優しい正義に救われる人がいます。あなたに救われた私が言うのだから間違いありません。身体が動く限りあなたも全力でやりきってください。陰ながら応援しております。

 

f:id:sakamotwin:20190507225653j:image