10月31日埼玉県某住宅。
ピンポーン
ガチャガチャ、ガチャガチャ
「ん?なんだなんだ?」
ス
ズッ、ガシッィッ
「ぎ、ぎゃぁぁーーー!デターーー!おばけーー!」
ヌ
「ってアレ?逝き遅れ花嫁ゾンビじゃ~ん!久しぶり!まだ結婚できなかったんだね!
今日はハロウィンかぁ~!去年も来たよね!元気だった?お菓子いる?ごめん、今日は十万国まんじゅうないやぁ。」
メソメソ、メソメソ
「え、どしたどした?急に泣いちゃって」
ウヴヴ
「嫁に行けないからって気落ちすんなよ!」
ウガガガァ
「うわ、やべえ、ヒステリー起こした!」
ウグォオオーーー!!
「え?何だって?うんうん、あまりに結婚できないからもしかして独身の悪霊でも憑いてるんじゃないかと思ってご祈祷をしてもらおうと思ったやお経を書かれて婚カツできるような見てくれじゃなくなった。更に嫁に逝けない婚期が遅れるって落ち込んでるんだ?」
コクコク
「そっか~、それは大変だったね。かわいそうに。そんな時はさ、ストーブに当たってアイス食べようよ?ね?それで元気出しちゃってよ!」
「好きなアイス選んでいいからさ。」
スッ
「あぁ、ラムレーズン好きなんだ。どうぞどうぞ。上がって食べていきんしゃい。」
ガッ
ベリリッ
「文明のなさ~!そういうとこだと思うよ、嫁にいけないの。あ、すいません心の声が出ちゃった。あ、うん、でも人間界では道具もあるしすぐに歯を使うのはやめた方がいいよ。あとポテトチップスをつまんだ手を舐めるのもどうかと思うから気を付けてね。」
モグモグ
「って全然聞いてないね~!めっちゃ食ってるし。まぁいいけどさ。」
「(見守る)」
パシャ
「(うわ、SNSにあげてる!Instagramかいな!飯テロしてる)」
パシャ
「うわ~自撮りかい~!」
「でも元気出たんだね!翼の折れたエンジェルたちはストーブに当ててハーゲンダッツ食わせとけば元気出るからね✨」
うぉぉーーー!
うぉぉぉーーー!!
「おお!めっちゃ、元気になっておりますね!良かった良かった!」
ズリズリ
ズリズリ
スタスタ
そうして逝き遅れ花嫁ゾンビは還っていった
「来年こそは結婚できるといいね~!」
「般若心経書かれた逝き遅れ花嫁ゾンビは強そうだからいいんじゃない、それで。大丈夫大丈夫~!耳にもちゃんと書いてもらわないと耳なし芳一みたいになるからな!気を付けてね!」
来年もまたあいつがやってくるかもしれない。元気な顔で会いたいものだ。
頑張れ逝き遅れ花嫁ゾンビ!早く逝けるように応援してるぞ!
(メイク所要時間2時間30分)
去年の逝き遅れ花嫁ゾンビはこちら↓