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さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

便座にぬくもりを

冬のトイレは寒い。当たり前だ。冬なのだから。日本の冬が寒くなくなったらいよいよ地球温暖化も進み人類が生存できないことになるだろう。

裕福なご家庭ならトイレに冷暖房完備しているだろうが、築15年の独り暮らし用のささやかな集合住宅にはトイレに冷暖房はついていない。

だから冬のトイレはとても冷える。

先日関東に大雪をもたらした寒波の際、トイレに出すものを出すためにしばらく籠った。籠りながら気張るうちに寒さが全身を包み耳から鼻から冷たい空気が流れ込みあっという間に頭が痛くなった。また、便座が凍るような冷たさで座ることを維持するのが困難にも感じられた。朝トイレで死ぬというのも頷ける出来事だった。(ヒートショックや気張ることで血圧が上がり脳出血を起こしたりして死んでしまうということを指す)

加えてねねの家の便座はぬくもり機能を搭載しているのだが、ぬくもりをonにしたとき、謎の甘えが発生してしまうような気がしてこの家に移り住んで3年が経とうとしているが1度もぬくもりをonにしていないのだ。

人様にぬくもりを求めてしまうとぬくもらせてもらえなかったとき寂しさが募るだけなのは独身女性がよーくわかっている事案だと思う。戒めのために、ぬくもりを便座に求めていないのだ。男の人もこの冷たくなった凶器のような便座と同じ。そこにいるだけでねねにぬくもりをもたらすことはない。

深夜トイレに目が覚め物言わぬ冷たい便座に座る度、「ぅっ、ぐっ」と耐えるのみだ。

 

たまにめめ(妹)が訪ねてきてトイレを使うことがあるのだが、便座に座るタイミングで「ひぎゃぁぁぁぁ~」と悲鳴が聞こえる。

出てきたときに「なに?うんここぼれちゃったんか?」と聞くと「べんざ…」とだけ言う。そうか、便座が冷たいだけで人間に叫び上げるほどのストレスがかかるのか。

気にせず便座にぬくもりを与えない日々は続いた。

 

が、一昨日より腹の調子が悪くトイレに行ったり来たりをする羽目になった。多分胃腸炎の人の採血をしたからだと思う。完全に何か悪いものをもらっている。

風呂上がりに腹が痛みトイレに籠る。せっかく風呂で温まった身体が冷える。具合が余計悪くなる。

具合が悪いを理由に、便座にぬくもりを与えた。

 

なんということだろう。。

 

温かい。冷たくないのだ。

 

ぬくもりを手にした便座がこれほどまでに優しいとは思いもしなかった。びっくりしている。

うそだろ、おい、昨日までの冷たいお前さんはどこへいっちまったんだ。

座る度に「ぅっ、ぐっ」とならない。正直いつまででも座ってられる。ぬくっこい。これでも1番低温にしているのだが快適度は抜群に上昇している。これが便座のぬくもりの本領か。

お陰で腹の具合が悪く仕事を休んで寝込みトイレに行き来しているねねだがトイレに行くことが苦痛ではない。ありがたい、トイレのぬくもり。

 

おっと。

トイレのぬくもりに思いを馳せていたらお腹が猛烈に痛んできた。多分トイレが呼んでいる。ねねには、わかる。というわけでここら辺でトイレのぬくもりについての記述を終了とするが、皆様のお宅についていないぬくもりがあるとしたらぜひつけてみていただきたい。電気代以上の大切な何かがあると感じていただけるはずだ。

すでに温もっているならそれはそれで。

では。