世の中の女性向けファッション誌はモテることを意識している。おしゃれとはモテることなのか?モテたい、そりゃモテたい。死ぬほどモテて困り果ててため息をつきたい。しかしねねの現実はモテることなく途方にくれてため息をついている。
婚カツをやめてからモテ服を買わなくなった。ねねの言うモテ服とは化繊の品の良いパステルカラーのワンピースやブラウス、Aラインのスカートなどである。この化繊というのが難儀なもので、脇汗が病気レベルで多いねねにとっては汗が脇から肘へ伝い「吸水性」に欠ける生地なので苦手だ。
モテ服を買わなくなってからは好きなものをZARAやGUなどで買うことが多くなった。程よく厚手の生地で透けず汗を吸いガンガン洗濯をしてもクタらずしわになりにくくて安いと思ったら買う。
脇汗が気になるので冬のニット以外グレーは絶対に買えない。グレーのTシャツなぞ着たら恥を晒すだけ。滲む汗にあなたは何を思う?知りたい、知りたいようで知りたくない。知ったら終わってしまう気がするから。
汗じみとシワの問題は柄物で解決する。だいたいこれでうまくいく。
ボーダー、水玉、花柄、視界にガチャガチャ映し視線を乱せばうまくいく。
そうなるとねねの心の中に住む68歳のおばちゃん人格が花柄がいい、花柄がいい、と訴えてくる。ボーダーや水玉はみんな着ているから、みんなが着ていない花柄を着て服を安く見せないこと(見慣れぬ柄はどこでいくらで売っているという考え方ができないので高みせになる)も30代女子に必要になってくる。
ねねが以上の条件をクリアして買った服を紹介したい。
まずはZARAのワンピース。
唐草模様のようなこのワンピ、2年くらい着ているかも。セールの時期にワンピースコーナーで3,000円位で買ったものだ。職場に着ていくと「そのワンピ素敵」とおばちゃんたちに誉められる。唯一無二感が気に入っている。洗濯してもリュックに詰め込んでもシワにならないので旅に着ていくこともしばしば。
こちらは頂きものになる。誕生日に友人K江からもらった。宝物のようなワンピース。これを着て出掛けたら女子高生に2度見された。
さらりと着られてウエストの切り替えラインがとてもかわいい。
意外と写真映えするワンピースでお出掛けのときに着ることが多い。
写真映えといえばやっぱり赤だ。
これは元値が20,000円だったので買うのをためらっていたらセールで10,000円になったので買った。
真っ赤なワンピースは憧れだ。 ただねねが着ると不気味らしい。「その赤いワンピースが怖い」と言われたことがある。
ただ写真映えはとにかくするので火曜サスごっこのときはよく着ている。
トレンチコートとの相性は抜群で、赤のワンピースがなければここまで火曜サスペンス感を出せなかったと思っている。(火サスごっこ史上これが1番気に入っている)
激しい柄物はとにかくシミとシワが目立たないので旅先によく着ていく。一人旅で見知らぬ土地の繁華街を歩くこともある。そんな時はちょっと怖い。だけどこれらの服を着ておけば安心だ。
誰も話しかけてこない。
福岡の中洲川端エリアの繁華街も、長崎の思案橋の繁華街もひとっこひとり寄せ付けなかった。
ねねが容姿の整った若い女子ではないこともあるがとにかく人が話しかけてこない。
電車でも両隣ががらりと空く。
モーゼか後ろで何かしてくれていたのかもしれないがとにかく人波が引けるくらいの勢いで誰も寄ってこない。
普通の服で歩いているとしばしば声をかけられるねねだが(ナンパであってほしいが残念ながら道訪ねなどで)、これらの服のときは声をかけられない。
もしかして激しい柄の服はモテ服から1番遠いところにある男を威嚇する服なのではないか。
これは便利なのか…?痴漢とかは絶対にない。威嚇するべきなのか?今巷ではセクハラやらなんやら話題になっている。ねねも女性のはしくれなので自己防衛とかはしておいた方がいいから威嚇しようか。
でもモテたい。死ぬほどモテたいんだ。威嚇している場合じゃないだろう。
という苦悩を抱えつつ今週買った服を紹介しよう。
威嚇!!
今季のZARAの黄色のワンピース。4,990円。もはや何柄かわからない。けど一目惚れして買ってしまった。
買ってきて次の日紙袋を開けたとき、「なんじゃこりゃ!こんなん買ったか?」とびびってしまうほどの服だ。まだ着ていないので今週末早く着たいと思っている。
男を威嚇する服とねねは切っても切れない縁で結ばれており、モテに程遠い世界に住んでいると言い聞かせることにしよう。威嚇しながらモテるという都合のいい話はこの世にはないのだ。