ここから先は私のペースで失礼いたします

さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

風呂屋で過ごした8時間のこと

先日おもしろい漫画を読んだ。 

 

まんしゅうきつこさんの湯遊ワンダーランドという漫画である。

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まんしゅうきつこさんが弟のやっちゃんに「汗をかけ」と促されて銭湯に通うという漫画だ。

 

女が銭湯に行くだけの漫画ではない。出てくる登場人物皆クセがありおもしろい。ねねは特にやっちゃん(弟)が好き。やっちゃんが変な髪型にしてしまった話がとても好きだ。

住んでいる建物もおかしい。とり憑かれている。この本は正気でおかしい。わざとおかしく描いたりとかじゃなくて、おかしいことをありのまま正気で受け止めている。おかしいとは何か?おかしいと感じたときからおかしいのであって本人たちがおかしいと思わなければおかしくないし正気なのである。

まんしゅうきつこさん自身の風呂に入るという描写もおもしろい。これはエッセイ漫画のように見える正気と狂気の境目のほのぼのギャグ漫画である。

あまりにもおもしろくて毎日繰り返して読んだ。そしてねねも風呂屋に行こうと思った。

 

ちょうど都内で研修があり、午後は休みとなったためスパラクーアへ行った。


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雨の降る重い空気に朝からとてもだるく座っているのも辛かった。研修内容もなかなかに気持ちを重くさせるものだったので汗を流してスッキリしたかった。

最近だるい日がしばしばあり多分自律神経が調子悪いんではないかと思っている。こういう日は30分たりと同じ姿勢でいられないくらい身体が変な感じがする。マッサージに行ったりもするがスッキリしない。

家の風呂は狭いので週1ペース、あとはシャワーだ。

風呂屋は近くにないのであまり行かない。もともと汗かきでない上に汗をかくような運動もしていないので普段からほとんど汗をかかない。夏はすぐバテる。よし、汗をたくさんかいてこようと気合いを入れた。

 

14時にラクーアに着く。

まずは身体の重さを下ろしたい。ぬるい湯にじんわり浸かり身体が弛んだところで1度出た。

疲れもあったので、仮眠スペースで寝た。スッキリ目覚めた。朝のだるさは消えていた。おやつを食べて再び風呂場に戻る。

お湯に浸かりほっとしたところでサウナを目指す。サウナは当たり前だが暑かった。汗をじんわりかく。なぜだか口とか乳首とか色素が濃いところが熱くて熱くて仕方なくなった。みんなそうなのだろうか?恥ずかしい話だが乳首がとにかく痛いくらい熱くて困った。タオルをかけたらなんとかしのげた。

夕方のサウナは混んでいる。17時からスタッフの人がアウフグースというのをやるらしい。時間に合わせて風呂場は全裸の女でいっぱいとなった。

アウフグースはアロマ水を熱した石にかけ熱い蒸気を扇いで身体に浴びせるやつ、みたいなやつだ。

水着を着たIさんというスタッフがやってきた。

サウナの石に水をかける。じゅわーーと蒸気があがる。Iさんは必死で蒸気をあおる。

一人一人の前に立ち風を送る。バッサバッサと扇がれると、灼熱の熱風がやってきて死すら意識する。あっつぅ~!だけどもアロマ水のいい香りと何とも言えない心地よさもあっていいな、と思った。周りの全裸の女たちも気持ち良さそうに熱風を受けていた。 

Iさんは汗だくになって熱風を操っていた。その背中は働く女の強い背中だった。

Iさんのたくましい姿を見られて何だか勇気づけられた。明日も頑張ろうと思えた。

 

アウフグースが終わり全裸の女たちはそれぞれ水風呂へ向かう。

 

ねねにとって水風呂はかなり鬼門だ。

友人K江と以前一緒に風呂屋に行った時に彼女はサウナへ入ったあと水風呂に入っていた。「気持ちいいからやってみろ」と言ったが、ねねは水風呂が冷たすぎてどうにも入れず「こんなん入るのおっさんくらいじゃ!あんたの皮膚感覚はどうかしている!」と負け惜しみを言ったことがある。サウナ水風呂はおっさん臭いから嫌だなと思っていた。

が、ねねは今回湯遊ワンダーランドを読んでサウナ水風呂をやってやる!と決めたので、人気がはけたころ水風呂へ行った。

 

足先はすんなり入った。冷たいけど大丈夫、行こう!

太ももまで入った。よぉ~よよぉ~?キビシイねぇ~!

四肢はまだいい、問題は体幹だ。体幹からダイレクトに冷たさの刺激が心臓に回って死んでしまうかもしれない。そんな恐怖が襲いくる。

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水風呂に入れなかった頃のまんしゅうきつこさんのこの描写と同じ思いをしている。

ゆっくり、とにかくゆっくりやろう、息を止めてけつを入水させた。

ァッ

声にならない声がもれる。

 

ハァハァ

 

冷たい。怖い。

でもここから先に進まなければ…。

 

1分位たってやっと臍まで入れた。息も絶え絶えだ。

立て膝でよくわからないポーズをして水風呂に浸かった。他の女たちはジャバジャハ水風呂へつっこんでくる。

デリカシーがなさすぎる女はジャブンと水しぶきをあげながら入ってきてそれがねねにかかったとき心のなかで「ヒャア殺す気か!」と怒鳴った。

水風呂チャレンジ1回目はもうこれでいいだろう、臍までいけたから許す。またサウナに入って身体を温めよう。

 

だいたいサウナは5分ほど入ると飽きてしまうので出る。

 

また水風呂へ行く。

さっきよりは臍までスムーズにいけた(とはいえ1分以上かかっている)

よし、次はアンダーバストまでは!と意気込む。

ここら辺にくると心臓もいよいよ水没する。死の危険性がぐっと上がる。ここで死ぬような心臓ならこの先も生きていけやせん!と勇気を振り絞り水風呂に浸かった。

 

ヒィッ

 

と思ったがそれは一瞬で熱いんだか冷たいんだかわからなくなった。感覚が麻痺したのかもしれない。

水風呂悪くないと思えた。

少しだけ浸かり寒いなと感じたところでサウナへ戻る。

 

そしてまた水風呂へ。

 脇の下のラインまで浸かれた。

そのうちにじんわり冷たさが身体を巡りすっきりしてきた。火照った身体を手早く冷やしてくれる。身体から湯気がでていた。

1番すっきりしたのは鼻の穴から咽頭あたりまでの気道だ。喉がスースーする。鼻がスースーする。ミントを詰めたのかと思うほどのスースーさだ。

そのうちに脳みそがシャキッと冷える感覚がきた。多分脳脊髄液が冷され脳内を巡ったのだろう。とても気持ちいい。

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まんしゅうきつこさんの脳みそがパカーンて開く感じ、これか!これがそうなのか!を体感できた喜びでいっぱいになった。

それを感じられたのでもう帰るかなと思ったがもう1度寝ることにした。お風呂に入るのは意外と疲れるのだ。

 風呂場を出て鏡を見たときてかてかパンパンした顔だった。あっ!これ、やっちゃんと同じ顔してる!
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銭湯帰りのやっちゃんはピカピカしていたが、本当にこんなねねも顔になった。思わず笑ってしまった。

 

スパラクーアはファッション雑誌も置いてあるので若い子の雑誌を読みながら寝た。1時間ほど寝たところで夕御飯を食べることにした。そんなにお腹は空いていなかったがこの後また風呂に行くことを考えると風呂場で力尽きないようエネルギーを入れておいた方がいいと思った。

 

夜景の見えるカウンターでカレーうどん。おいしかった。

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そしてまた風呂に入る。さっきよりもすいていたので水風呂サウナを4回ほど繰り返し帰ることにした。気づけば22時、8時間ラクーアでくつろいでしまったが身体が軽く弛んでいて心地いい。ほんのり温まったままの身体で帰宅する。

 

そしてパジャマに着替えて寝ると思ったろう?

ねねは家のシャワーを浴びた。

なぜなら潔癖症だから。

外気に触れた身体で自宅の布団に入るのは無理なのだ。

足の裏とかも皆が踏んだマットの上を歩いているので気持ち悪いと思って洗う。

シャワーを浴びてまたさっぱりして寝た。

 

 

サウナ水風呂の効果をまとめると

・最近脂っぽい頭皮も顔もスベスベになってにおいがいつもよりましだった。

・身体は軽いし肩凝りも普段より楽。

・くしゃみしたときのしぶきの臭いがいつもの半分以下だった。(多分気道まで浄化された)

・次の日の目覚めがすっきりする。

 

なにこれ、お風呂最高じゃん。

湯遊ワンダーランド、この漫画を読んで良かった。読後サウナ水風呂に入るまでが湯遊ワンダーランドですよ、と言いたい。

梅雨の憂鬱さは風呂屋で発散して夏を乗り越よう。

自律神経系の不調でお悩みの方は試してほしいが、ヒートショックにはどうぞ気をつけて。このオススメ漫画は読んで感じて体験することまで続く最高のエンターテイメント漫画である。