昨夜少しだけ飲んで帰ってきた。
酔いの覚めぬ眠りは浅く、夜明けの頃に目を覚ますとベランダから赤く染まった空が見えた。
ねね(姉)の家は東向で3階の部屋であるが、ちょうど太陽の昇る方向にタワーマンションが建てられており赤く染まった空のはしきれしか見えなかった。
時刻は4時20分をすぎたところ。もう一度寝ようかと考えたけども、この色を見逃したくないとカメラを持って外へ出られるようTシャツを着て外へ出た。
鳥の囀ずる声、湿気を含んだ重い空気、今日は蒸し暑くなる、そんな気配を感じる。
坂道を登り高台へ出る。
見事な朝焼けだった。
風が吹き雲の流れていく様がわかる。
どこへ行っても建物が空の邪魔をする。一面の朝焼けが見られる場所はないかと探して歩く。
西の空にはまだ月がある。そろそろ勤務交代の時間。
赤い空は徐々に青空に溶けて黄色い光になった。
世界が色を変える瞬間を見逃すな。
そう思って歩く。10分もしないうちに色はすっかり変わってしまった。
夜明けの赤い空は一瞬で消えてしまった。
誰もいない町をほっつき歩いて、いつか空が自由に見られる場所に住もうと思った。
星が見えて一面の朝焼けが見える場所はその頃まであり続けるだろうかわからないけど、何も心配しなくていい時が来たら空を自由に見て過ごしたい。
多くのことは望まないけど、空と風のある場所がいい。
そう思って家に帰り再び寝る。よく眠れた日曜日の朝。とても気持ちの良い朝だった。この夏は朝焼け散歩をしてみようと思った。