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マンガのハナシ vol.3 味漫皇決定戦:グルメのハナシ 参加レポート

マンガのハナシ vol.3 味漫皇決定戦:グルメのハナシというイベントに行ってきた。今だかつてないイベントでものすごく興奮したし面白かった。とんでもなかったのだ。文面ではいまいち伝わらないかもしれないが、そこら辺にいる人ひとりひとりに「こういうイベントがあってめちゃくちゃおもしろかったんですよ」と血眼かっぴらいて身ぶり手振りで伝えだいくらいだがそれをすると簡易なトイレと洗面所しかない薄暗い中からは開けられない部屋に入れられてしまうので静かにブログにしたためることにする。

 

マンガのハナシというイベントは今回で3回目、チケットは即完売というサブカル界では異例のイベントだ。

http://manganohanashi.blog.jp/archives/13918136.html

味漫皇のイベントの概要は、『めしにしましょう』『パル(はてなブログ)』でおなじみ狂気飯のパイオニア小林銅蟲先生と、

『僕は君を太らせたい』『野食ハンマープライス』でおなじみ野食飯ウツボに噛まれて大ケガをしたことがある茸本朗先生が料理対決をするというもの。お二方の漫画はとにかくおもしろい。そして美味しそうな食べ物が出てきていつも「いいな、食べたいな」とそそられる。

http://evening.moae.jp/lineup/646

https://www.shogakukan.co.jp/books/09860131

 

 

審査員は『累』の松浦だるま先生、そして100人のお客さん。審査員長は『将太の寿司』の寺沢大介先生。

 

グルメ漫画が好きな人であればどなたかの名前は聞いたことがあるだろう。登壇者の発表の時点で「うわうわうわ、すごいなこれは。」と腰をぬかした。行く前からこれだけ興奮させられるとは。イベントに行くまで遠足の前日の小学生どころのテンションじゃなかった。

 

いざ阿佐ヶ谷の地下へ。会場は100人。お客さんはぎゅうぎゅう。熱気がすごかった。
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#味漫皇で検索をするとかなり興奮度の高いツイートを見かけると思う。


2018.12.8阿佐ヶ谷ロフトA「マンガのハナシ vol.3 味漫皇決定戦:グルメのハナシ #味漫皇決定戦 」実況・感想まとめ【随時追加】 - Togetter

第1部はYouTubeでも見られるのでお時間がある人は見てください。


【マンガのハナシ vol.3 味漫皇決定戦:グルメのハナシ】 - YouTube

ちゃんとしたカメラで撮っていたので画質がいい。

 

12時、開演。寺沢先生(イベント直前にサイゼリアで飲酒)、松浦先生、司会の大坪ケムタさん、ジュンスズキさんが登場。

あの『将太の寿司』の人はどんな先生なのだろうとわくわくしていたが身なりの整った品のある男性だった。漫画家先生ってモサモサしたイメージがあるしグルメ漫画を描いているとなぜか太った人という偏見があったが見事に覆された。

寺沢先生、松浦先生の仕事中の食事事情について伺う。寺沢先生の場合寿司でと握って食べるのかなと思いきや100%外食、唐揚げ弁当やファミレスなどらしい。松浦先生はアシスタントで小林先生がいるときは『めしにしましょう』の世界で肉やイクラだけ、ということもあり偏りがすごいらしい。おいしいから文句は言えないそうだ。小林先生がいないときはコンビニ弁当とのこと。

 

続いて好きな食べ物を。

寺沢先生は揚げ物、年齢を重ねてうるさい味のものは受け付けなくなってきたらしい。奥様が作られる肉じゃがで一杯やるのがいいそう。松浦先生はウニとオムライス。小林先生が作ったウニ丼は人間が終わる味で10分もすると皆しゃべらなくなってしまったという。

 

食べ物のハナシの中で寺沢先生が「昔はネットがなくて一般の人にグルメ情報がなかったけど、今は間違ったことを描くとすぐ叩かれる。大変だと思う。」と言っていて漫画今昔を語る寺沢先生の登壇は漫画の歴史の番人みたいでおもしろいなと思った。時代の変化や若手の人のことを理解しているしガヤガヤ自分語りをするおっさんじゃなかったので好感がもてた。

 

ここでジュンスズキさんがカメラと一緒に厨房に潜入し小林先生と茸本先生の料理の様子を実況する。壇上のスクリーンに厨房の様子が映し出され異常な光景に客が沸いた。f:id:sakamotwin:20181213213316j:image

「どうも、小林銅蟲です」

という自己紹介のあと映し出される異常な量の分厚いカツ。

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多分イベントいちばんの盛り上がりだったと思う。これには興奮した。『めしにしましょう』で実際に出てくるスマホカツ(スマホ大のの巨大カツのこと)を目の当たりにしたとき漫画から飛び出してきた料理の宇宙だ、と流涎ものだった。

これがこうなって
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プレス!

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あぁ~小林先生直々のプレス!まじか~小林先生の触ったパンを食えるのか…今日来てよかった、尊い…となってしまった。好きな漫画の作者さんがめちゃくちゃ押したパンを食べる日が来るなんて生きていて思ったことありますか?ないでしょう。でもあるんです。そんな日が来たんです、このとき。それほどに興奮するものなのですよ。

 

あとなんか持ち出してきました、奥から。
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なにこれ。味付け卵?
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手がかわいい。これについてはまたのちほど。

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小林先生の存在、かわいいですね。

 

続いて茸本先生。

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なにやらパイを作ったご様子。f:id:sakamotwin:20181213214237j:image

キノコのパイだそう。

あとはカワハギのスープ。
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かなりの量が仕込まれていてビビる。狭い厨房でお二方が慌ただしくしているのをカメラ越しに見て興奮は高まる。臨場感とかリアリティーがあっていいな楽しいなと思った。

 

対決するメニューはこちら。
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小林先生は超級カツサンドと携帯ファッチューチョン。茸本先生はカワハギと香りキノコの二段構えパイ、海のフォアグラスープ。

ひとりひとりにこのような形で提供された。
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トレイなので膝の上に置けて食べこぼすこともなく食べられたので提供の仕方も客のことが考えられていて完璧だった。

 

まずは茸本先生のスープから。
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カワハギの臭みとどう戦うか、それにこだわったらしい。アラで出汁をとりコンソメで調整。肝を味噌で伸ばし牛乳で味を整える。味噌と牛乳~?と一瞬ドキッとしたが飲んでみるとまろやかでおいしい。セロリと白菜とカワハギが調和していて冬に身体があたたまるスープだった。

続いてパイ。
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客に膳が提供され始めてから会場内が異様な香りに包まれていたのだがたぶんこのキノコだろう。トリュフとコウダケというものらしい。馴染みのあるキノコではないがトリュフは国内にも自生しているらしい。食べられてこなかっただけとのこと。あの高級と言われるキノコが野生?と会場がざわつく(※キノコの野食は知識のある人と、素人がむやみに取って食うと最悪死ぬのでトリュフっぽいってそこらの道端に生えているものを食べないということはわかっていてくださいね)

一口食べてみてわかる。「これは無茶苦茶うまい」ということが。でもどんな味かは説明できない。食べたことのないものだから。何とも言えないけどとにかくうまい。はぁ、うまい。なにこれうまいよ…正直これが一番美味しかった。肉が一番うまいと思って生きていきたよ、キノコがこんなに旨味を出してくるなんて思うわけなかったよ。もう肉が一番とは言えなくなってしまった。これは求め続けてしまう旨さだ。イベント終了後他の人も口々に「あのキノコパイはおいしかった」と興奮冷めやらぬ様子で話した。

 

 

はい、それでは超級小林先生のカツサンドを。

はい、みんな見てみてみて!この肉!こんな色の肉小林先生の漫画(とブログ)でしか見たことないよね?
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はい、好き~~~!低温調理をしているのでとにかく柔らかいんですなにこれうっま!肉を食べているという実感を味蕾を通してギンギン感じる。つ~、幸福でとろけてしまいそう。そして銅蟲プレスされたパン、尊い!パンに染み込んだエキス!食べる!ありがとう!f:id:sakamotwin:20181213223034j:image

来世も頑張ります!(食べれば食べるほど意識が旅に出てしまう)
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そして先ほどの謎の玉(ぎょく)f:id:sakamotwin:20181213222207j:image

これはファッチューチョン。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%9B%E8%B7%B3%E7%89%86

簡単にいうと乾物を数日かけて戻したやつのスープである。乾物って意外と高かったりする。ホタテの乾いたやつとかも高い。たかがスープと侮るなかれ、高級品だから。

それをゼリーにして丸めたやつだそう。一口食べてみると驚く。

「しょっぱい!うまい!」

舌の味蕾がこの味を知らなすぎてキャッチできない。うまいことがわかる。旨味の強いこともわかる。でもなんの味かわからない。わからないからしょっぱい!と表現する。濃縮された謎の味、これはご飯と一緒に食べたいやつなのではないか。うまい。『めしにしましょう』に出てきたあの謎のスープファッチューチョンを食べているのか、今。夢のようだ。スプーンで細かくしてちびちびいとおしみながら食べる。漫画飯、二次元から三次元へやってきたよ。そして食べているよ。うれしいな~。ありがとうございました。

 

全てが終了した。これが人間が終わる味か。茸本先生が言ってたな、「食べ物食べて脳がバグるっていいですよね」って。普通の生活してたらそんなことはないよ。今日脳がバグる食べ物始めて食べたよ。普段食べるものも十分おいしいけどさ、この4品には敵わないよ。

キューピー3分クッキングやおしゃべりクッキング、クックパッドには絶対出てこない非凡な漫画飯。見てどう思いましたか?食べたいでしょう。そそるってそういうことなんですね。刺激というのはときに必要なので。

 

完食したら投票。集計して後程味漫皇が決まる。

集計の結果、初代味漫皇は茸本先生に決まった。どちらも甲乙つけがたくどちらも味漫皇だ。こんなに勝敗が意味のない勝負は始めてだ。どちらの料理も最高だったから。やはしパイのおいしさが強かったようだ。

 

審査員長の寺沢先生からのコメントをまとめると

「本来的に美味しい方向に向かっていない。漫画的な無茶があった。遊びがありおもしろかった。漫画なら無茶をやったって最終的にうまいと言えばいい」

とのこと。もっとシンプルに簡単においしいを作ることはできるかもしれないけど、強くておいしいを創るのが漫画飯。見たことないものを食べたことないものを知らないものを追及していくこの二人の漫画家先生の漫画飯は最高のエンターテイメントだ。壇上で白味噌は使えるとかバターを使う癖とかを二人で調理の傾向を和気あいあいと話していて仲良さそうなのが見ていてほっこりした。あと小林先生の寺沢先生リスペクトも感じられ寺沢先生が何か話すたび嬉しそうにケタケタ笑っていたのが印象的だった。

 

一読者として漫画飯を体感してすごく楽しかった。また味漫皇があるなら是非行きたい。イベントならではの高揚感がすごいので出不精でとか家でゴロゴロしてた方がいいというインドア派の方もこのイベントばかりは行ってみることをおすすめする。(普段のねねは出不精だがこの類いのイベントにはのそのそと出かける)

今後のマンガのハナシイベントをチェックするなら↓

マンガのハナシ (@mangano_hanashi)さんをチェックしよう https://twitter.com/mangano_hanashi?s=09

 

今回司会を勤めた仕掛人ジュンスズキさんをチェックするなら↓

 

ジュンスズキ (@jun_suzuki)さんをチェックしよう https://twitter.com/jun_suzuki?s=09

なんかおもしろいことないかな、が口ぐせならこの人のTwitter見たらいいと思う。おもしろい。おもしろっぱぐれることない。あとなんか元気になる。ダンプカーに轢かれて喜怒哀楽の怒と哀の感情をなくした仙人がかった人間という認識でよろしいかと。

 

以上味漫皇レポート最後までお読みくださりありがとうございます。ねねはカツサンドやパイの味を思い出して余韻に浸りとても気分が良くなっている。では。