乙女おばさんという言葉があるらしい。乙女の心を持ったおばさんを指すそうだ。34歳のねねもジャンル的にはおばさん。しかしながら精神的には17歳、つまり女子高生なのだ。精神の成長だけなぜかそこで止まってしまっている。悠久の17歳、身体は徐々に朽ちていく。朽ちポイントを見つけては(シミ、目元のシワ、身体のたるみなど)、女子高生が嘲笑う。実年齢と精神年齢が噛み合わないのでたちが悪い。見た目で「若いですね」と言われることはあるが年相応の責任とかそういうのを果たしていないのと成熟していない精神がにじみ出ているだけなので大人としてどうかと思っている。
精神の成長を止める要因は多分色々あるだろうが友人の存在も大きいと思う。全力で乙女として生きている友人がいる。それこそ人生の半分近くは交遊があるがその友人の精神年齢も17歳くらいのようだ。とても優しくて明るく太陽のような乙女(おばさん)である。一緒に乙女として遊ぶので、乙女でいることをいつまでも忘れさせてくれない。
我々がどれくらい乙女であるかというと、未だに「ピンクのうんこが出ればいいのに」とか「おならが花の香りならいいのに、みんなが幸せになるよ」と本気で語り合う位だ。そんなの出ないと分かっちゃいるけどいつだってかわいくありたい乙女心の成れの果てなのである。
今年も乙女の季節がやってきた。そう、春だ。花が咲き乙女心が動き出す。カメラを持って2人で出かけた。
乙女(おばさん)たちは駅前でレンタサイクルを借り古河桃祭りに行った。
会場は桃が咲き、青空とピンクの花が世界を乙女色に染めていた。
園内には乙女おばさん、乙女おばあさんがいたが花を愛でる女性は年齢関係なく乙女であると思う。乙女である権利を誰が剥奪できようか。
なぜか気球があった。乙女サプライズ?気球って乙女っぽくないですか。
火は怖い。
気球に乗ってどこまでもって怖い。地に足がついた方がどこへでも行ける。
全力で乙女飛行してきた。初めて乗る気球は少し怖かったけど見えた世界は広く清々しかった。
乙女だから写真を撮る。
花。ピンクはいい。好き。
花。菜の花は臭い。菜の花畑で臭いと笑った。
花。名も知らぬ花をかわいいねと言う。
乙女チャージ完了。かわいくて美しいものをいつだってたくさん見ていたい。
いつだってこういうウキウキした気持ちでいたい。乙女だから。女子力とかめんどくさいことは知らない。どうでもいい。
楽しいこともかわいいものもおいしいものも全部全部私のもの。おばさんだろうがおばあさんだろうが我々は乙女であることを忘れてはいけない。