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さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

ねねちゃん保育園は手厳しい

ねねには甥が2人、姪が1人いる。預かったりすることはないがたまに遊んだり食事を提供したりすることはある。

第2子が生まれるときは昼間第1子を預かることはあった。ギャン泣きする第1子を幼稚園に送り届けたり、ギャン泣きする第1子を保育所に届けてあんまりにもギャン泣きするので引き取り公園で遊ばせたのはいい思い出だ。ねねちゃん保育園と称し第1子と振り返りをし、ねねに感謝してもらうなどをしている。

 

第1、2子が小学生となった。大人との会話もなんとなく型についてきたので、叔母として足りていない教育を補助していこうと思っている。ねねちゃん保育園園長は手厳しい。まずは虫の殺しかたから教育していこうと思った。

最近の若者は虫を殺さない。共存、殺したらかわいそう、生ぬるいことを言いやがる。害虫は殺せ、殺るか殺られるかなのだ。時代は「先輩を見て学べ」から「教わってないからできない、やらない」に変わってた。虫を殺すことを知らない若者よ、それでいいのか。全身蚊に刺されてへらへら笑うつもりか。害虫は殺せ、それがねねちゃん保育園の教育方針だ。(ちなみにねねちゃん保育園園長は菜園のキャベツについた青虫を半日かけて全部プチプチ殺すタイプの人間である)

 

今日実家にムカデが出た。一族は大騒ぎで部屋に集まってムカデを観察した。まだ幼子もいるので一族の長がムカデを殺そうとしたが、ムカデはタンスの裏に入り出てこなかった。

 

第1子は殺したらかわいそうだという。「僕は優しいから殺さないよ」と言う。そういう履き違えた優しさはいらない。将来マッシュルームカットの優男になって「かわいそうだからみんなと付き合う」と10股とかしそうな思想だ。そんなことはねねちゃん保育園卒園生にあってはならない。男は黙って坊主だ。前髪重ためのマッシュルームカットにしてきたら即ハサミを入れてやる。そして害虫を恐れず殺れ。

 

第2子は「殺せ~っっ!」とねねが叫んだところでテンションMAXとなった。「うおおぉ~」と叫んで出陣の準備は万端だった。さすがねねちゃん保育園の第2期生である。優秀た。

 

第3子はねねちゃん保育園園長に叩かれたことがあるのでねねちゃん保育園のことをとても怖がっている。言うこと聞かないときはねねちゃん保育園だよ、と言うとすっと言うことを聞く。ムカデが出たとき親に抱っこされていた。まだまだ赤ちゃんなので仕方ない。

 

ムカデが一旦退散したところで、ねねちゃん保育園園児を集合させる。

「今から皆さんには虫の殺しかたを勉強してもらいます。もし虫が落ちてたらどうしますか?正解はこうです」

と言いながら床に落ちてるスイカの種をドシドシドシと強く踏んだ。執拗に踏んだ。スイカの種を床を這うタイプの害虫として踏みつけるのである。

 

第1子は「僕はやらないよ~殺さないよ~」となよなよしている。

第2子は大喜びで踏みつける。ねねちゃん保育園園長顔負けの足圧だ。

第3子も弱々しくも踏みつける。

第2子には優秀賞を送った。

 

 

そのうちまたムカデが出てきて一族の長が捕まえた。外に逃がしてやろうとしているのでダメだと言いムカデをくるんだティッシュごとポリ袋に入れた。そしてそれを地面に置きスリッパでメッタクソに叩いた。

 

第2子もやるとのことでスリッパを渡した。信じられない勢いでポリ袋を叩き、ムカデはぐしゃぐしゃになった。

第2子に向かって「そうです、ここまでやろう、ここまで殺れば大丈夫だから。えらい。ねねちゃん保育園首席だね!」と褒めた。第2子は笑顔だった。

 

先は長い。これから害虫シーズンがやってくる。殺したほうがいい虫を見つけたらねねちゃん保育園はいつでもオープンする。新しい時代、優しさだけでは生きていけない。強さを教えるのがねねちゃん保育園の方針なのである。