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さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

水無月を買いに

水無月という和菓子があることは大人になってから知った。初めて水無月の存在を知ったのはオズという雑誌に載っていたからで、三角の白いういろうの上に煮えた小豆がこんもり乗っている写真に心を奪われた。京都では6月の終わりに食べるお菓子だそうだ。関東では水無月を食べる習慣がないので和菓子屋で売っているのも滅多に見かけない。水無月を初めて見てからもう何年もたつが食べたことないなと思ったら急に食べたくなった。

そうだ、水無月を食べよう。

そう思い近くの和菓子屋さんを探してみるも見つからない。東京駅前にあった京都のアンテナショップはつぶれてしまい関東で水無月を入手するのはもしかしたら難しいのかもしれないと思った。それなら行こう、京都へ。水無月を買いに。

 

京都の和菓子屋と言えば出町柳にある出町ふたばだ。 


出町ふたば (でまちふたば) - 出町柳/和菓子 [食べログ]

ここは豆もちが有名でいつも行列ができている。何度か食べたことがあるが、信じられないくらい餅が柔らかくて塩味の効いた豆がおいしい。あんこの甘さも控えめで品のあるお味。さすが京都だなと思わせる。

出町ふたばで豆もちを買い、鴨川のほとりで食べるのが最高のおやつタイムだと思っている。

 

出町柳駅から少し歩く。
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晴れ間が出ていて河原にはのんびり過ごす人たちがいていいなと思った。そういう『いい』と思える時間とか場所はたくさん持っておいた方がいい。

 

出町ふたばは相変わらず行列ができていたが、店員さんのさばきかたが優秀なので10分もしないで買い物ができる。夕方行くとほとんどが売り切れていて水無月と豆もちだけの状態だった。

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憧れの水無月が残っていたことにほっとする。食べるのは私だけだがせっかくなので2個買う。歩きながら食べようかとも考えたが冷やして食べてもおいしいらしいので埼玉に帰って冷やしてから食べることにした。

 

新幹線の中で水無月の袋を見ながらやっと買えたとうれしくなる。気になるものを放っておいても気になるものからやってこない。放っておかないで自分から迎えに行くべきだなと思った。そうやってやらないで、言わないで、食べないでいるものもきっと人生のなかにはたくさんある。そんなものをあといくつ手にしていけるだろうか。選ばなければ手に入らない。

 

 

これが水無月
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三角の整った形。あのとき見たオズと同じ形をしている。食べてみる。

ういろうの甘さがゆっくりと口に広がる。本当にゆっくりと。小豆はそんなに甘く煮てあるわけではないがういろうの甘さとよく合う。1つ食べて明日に残そうと思ったがぺろりと2つ食べてしまった。おいしい。これが水無月かと感動しながら食べた。食べたいものを食べられた喜びも大きかった。

 

またいつかどこかで水無月を見かけたら買ってみよう。好きなものが1つ増えた。また行きたい場所がある。なかなか楽しくやってるじゃないの、私。