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さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

気立てのいいおばちゃんになった日のこと

髪の毛を切りに行った。昨日「そうだ髪の毛切ったろ!」と思い立ったからだ。初夏にボブにした髪の毛は襟足がもさもさして中途半端な長さになっていた。伸ばすか切るかの分かれ道で切ることを選んだ。

 どうせ短くするなら思いきってショートにしようと思った。雑誌で艶っぽいショートのモデルさんを見て憧れていたので気分も乗ってきた。とことんやってやろうぜ、と思ったら止まらない。ホットペッパーで火曜日今日予約できるサロンを探したらたくさん見つかった。最近の美容室は火曜日営業しているところがけっこうあるんだな、と思いながら「大人の女性のヘアに定評があります」と唱っているところを選んだ。もうじき35歳になるし若い子向けより大人向けの方がいいだろう、という自分自身への配慮だ。

 

 美容室に着いて「もさもさしているのが嫌なので切っちゃって下さい」と言う。初めて会う人(美容師さん)に自分のイメージを伝えるのは難しい。難しいことは伝えられないので雑誌を見ながら襟足は短く、サイドは耳下、前髪は流すという話でまとまった。多分どんな切り方をしてもボリュームのない私の髪の毛は同じような感じになる。短さだけとりあえずなんとかしてもらえればいい、という感覚でケープに袖を通した。

 

雑誌を読みながら過ごしたい、と事前アンケートに書いたのだが美容師さんがいい人で気を遣って話しかけてくる。お店の話などしているうちに喉がイガイガしてムセる。風邪気味で空咳が止まらない、「ははは、そうですよね~」ケホ、ケホケホ。「へぇ、そうなんですか」ケホ、ケホケホ。なにこれ地獄?あぁ水が飲みたい。そう思っていたら「飲み物用意しましょうか?」と親切に声をかけてもらえたので水をもらう。ありがたい、ありがたいよ美容師さん。気遣いが完璧すぎる。水を飲んで喉が落ち着く。そういえばカットの前にシャンプーをしたのだが、シャンプー台から下りるとき「お手洗いは大丈夫ですか?」と確認された。もしかしてこれが大人向けの美容室の本気?喉のケアと尿意のケアが完璧すぎて心地いい。

 

ありがたいな~ありがたいな~サービスが老年期前後の婦人向けだな~なんて思いながら鏡を見た瞬間、世界が終わった。

 

うそ…ただの気立てのいいおばちゃんになってる!!

これが現実。どう見ても近所の40代の気立てのいいおばちゃんがいた。ショートカットが似合わないばかりか一気に私を老けさせてしまった。

 

もう戻れない…ここは、受け入れるしかないぞ…お前が決めたんだ、お前が決めたことに責任を持て…

 

まるで切腹する武士のようにその運命を強く受け入れる必要があった。

気立てのいいおばちゃんに見えるのもそろそろ気立てのいいおばちゃんという年頃であるわけだし、最近は殺気だっているのを鎮めて気立てのいいおばちゃんにならなくちゃいけない。気立てのいいおばちゃんになる時期なんだ、受け入れろ、受け入れろ、受け入れろ…!

 

笑顔で美容師さんに言う。

「頭が軽くなってさっぱりしました」と。美容師さんはひとつも悪くない。気立てのいいおばちゃんになってしまったことで美容師さんを責めてはいけないよ、このブログを読んでいる皆さん?私は美容師さんを責めていない。「似合わないと思うからやめた方がいいですよ」とか言わなかったことを責めていない。水を出してくれたり本当にいい美容師さんだから感謝しかないんだ。

 

だけどこんなにショートスタイルに憧れて↓

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出来上がって鏡を見たら

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ナースのお仕事の尾崎先輩(松下由樹)を下方修正したおばちゃんだったらどうする?

 

ただの気立てのいいおばちゃんになってる

 

と言うよね。ナースのお仕事、1996年の作品なのか~もう23年も前なのね!あれ見てたよ~おもしろかったよね、なんて言えたもんじゃないよ。はは。ウケる。

 

髪の毛が伸びるまで私しばらく気立てのいいおばちゃんでいるから声かけてもらえれば飴くらいあげます。飴持ち歩くしかないわ。そしていつも笑顔でいるしかないわ。そうしよう。