都電荒川線の存在はずいぶん前より知ってはいたが乗ったことがなかった。王子駅はよく通過するが、そこを経由し早稲田、大塚、町田、三ノ輪方面へ行く用事がないからである。この夏初めて都電荒川線に乗り楽しかったのでお出かけをしようということになった。そしてたどりついたのが三ノ輪である。
都電荒川線の終着駅三ノ輪橋。線路の終わりが見える。沿線沿いにはバラが植えられておりちらほらと咲いていた。秋バラの季節である。
駅の雰囲気がレトロでかわいい。
好きになっちゃうな、こんなの。
三ノ輪橋にはジョイフル三ノ輪という商店街があるという。じゃあ、行ってみようか。
と、その前に、パン屋さんがあった。昔ながらのパン屋さん。こういう懐かしい気持ちにさせるパン屋をおパン屋さんと呼んでいる。焼きそばパンとかシベリアとかありそうなとこ。
そそのかされて入る。
懐かしい昔ながらのパン屋さん。値段も100~200円位で安い。
ラズベリータルトを買った。
銀紙とポリ袋が気取ってなくて好き。
食べてみるとすごく甘かった。強い甘さが昭和っぽい。甘いねと言いながら食べた。ラズベリーの酸味とよく合っていた。
向かいには床屋があった。
誰だか知らない男の写真が強気に飾られていた。
駅前の写真館。
中に入ってみたくなるような素敵な建築。ビルヂングと呼びたくなるやつ。
いつか写真を撮りにいってみようかな。
寄り道しちゃったけど、じゃあ行こうか…ジョイフル三ノ輪へ。
ジョイフルカードの年季がやばい。
毛玉がいた。
よく見ると猫だった。
アーケードっていうシステムはいいな、雨の日傘をささなくても濡れないから。
電気が切れてるのもご愛敬。
いくつかやってない店もあったけど看板の主張はなかなかのものだ。
金物屋さんなんて今どき見ないもんね。
銭湯もあったけど、中の様子がわからないから入らなかった。
あとで調べてみたらサウナはないらしい。水風呂はあるっぽいのでいつか行けたらいいな、
夜ここのアーケードを通ったらきれいなんだろうな。誰もいない商店街を躍りながら歩いてみたり。きっと楽しいと思う。
八百屋の店先ではぬか漬けが売られていた。ぬかのにおいはニワトリのにおいだと思っていた。ニワトリ小屋くさいね、と言おうとして思い出したのは祖父母の家のニワトリは米ぬかをえさとして与えられていた。多分その嗅覚の記憶のせいだろう。ニワトリくさいんじゃなくてぬかのにおいだと認識を改めた。
色んな気持ちにさせられるジョイフル三ノ輪の旅は終わり。
三ノ輪の街を歩いてみる。
つたの茂った高架下。
街角のたばこ屋。
喫茶店のショーケース。
極楽。
本当に泊まれるのだろうか。安すぎる。古すぎる。怖すぎる。
誰か泊まってきて感想をきかせてほしい。
おもしろい街だったな、三ノ輪って。今度は商店街のコッペパン買いにいってみよう。喫茶店でパフェを食べるのもいいな。おしゃれなカフェじゃなくてつたの茂る喫茶店で。いつかなくなる前に行かなくちゃ。この街は時間を止めて流れ行くものをただ見ているだけの街。