いつだってこの街を妖しく照らすネオン、シャトーすがもというホテル。この光に引き寄せられふらりと入ってしまった。
フロントで鍵をもらう。先払いかと思って財布を用意して待っていたら「後払いになります。」と言われ鍵だけ受け取って部屋へ向かう。ラブホの入り方を忘れてしまったようだ。
今回は305号室。
誘導パネルのシンプルな色合いがいいなと思いながら横目で通りすぎる。
今回はどんな部屋だろう。扉を開ける前はいつだったワクワクするしドキドキする。
この飴色の世界がたまらなく好きだからシャトーすがもに通う。
鏡に反射してベッドが見える。
目線をうしろにやると
完璧な昭和だった。
天井の鏡、
ベッドヘッドの鏡。
あればあるほどいいよ、ラブホの鏡というのは。
窓を開ければ山手線が走っている。
うん、この部屋は夜来るのがいいな。
ネオンが光っているのを間近で見られるから。
これは照明のパネルだった。ここだけなんだか新しい。
ベッドフレームの打ち込みは昭和っぽくて時代を旅しているみたい。
いいよね、こんな旅。
コンセントのところ。
お茶セット。なぜかシャトーすがもはmeijiのチョコレートがある。どの部屋にもある。飴があるラブホもときどき見かけるがチョコレートというのがなんだかシャトーすがもらしくて好きなのだ。
他ではあまり見ない湯沸かし。
昭和の神器、ガラスの灰皿とキーホルダー。
あまり馴染みのない自動販売機。日常の何もかも忘れてここにいたくなるよ。
豪華なシャンデリア。
色気ってこの色が1番引き立ててくれると思う。
天井のステンドグラス風の照明も見上げる場所の特性なのか凝っている。
さて。
ここから先は赤ければ赤いほどいい。ついてこれる?
じゃあ、明るくしようか。
ほうら、シンプルに赤い。
一面赤いというのも珍しくバスタブのオーロラタイルの輝きが特別美しく見える。
レトロレトロと言いつつ水回りはきちんとアップデートされているのがシャトーすがものいいところ。
この名入のマット、グッズ化してほしい。買います。多分こういうのほしい人他にもいると思うんだ。
写真を撮って、まだちょっと時間があったのでシャワーを浴びてゴロゴロした。
遠くに電車の音を聞きながら今日が終わるちょっと前の時間をここで過ごす。なんだかすごくいいな。恋人とじゃなくてもひとりでラブホで過ごす時間。
今日の疲れもちょっとめんどくさかったことも全部忘れさせてくれる。そんな場所。逃げ場のようなオアシスのような。そんな場所はなるべくたくさん知っておいた方がいい。
駅から徒歩数分のオアシス、シャトーすがもへようこそ。帰り道はきっと楽しかったことで胸をいっぱいにしてニヤニヤして歩くだろう。