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さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

もう少し我々は明るくなれるんじゃないか?

看護師になって早15年。学生の実習期間も含めてほぼ黒髪ひっつめスタイル、ネイルはやったことがない。身だしなみに厳しい仕事だとわかっているのでまぁ仕方ないかと思ってやっているが、美しく染色された髪や色とりどりのネイルには憧れるものがある。

 

 なぜ髪の毛を染めてはいけないか。

学生時代に60代の学校長に「今の高齢者は戦争を経験し、金髪は敵国の人を思い起こさせるからダメ。看護師たるもの黒髪で職務に当たるべし」的なことを言われた。未だに覚えている。

当時の学生達は「そんな無茶苦茶な…」と思ったが学校長の現役時代は本当にそう思われることもあっただろう。今現在戦争経験者(90~100代)は減り金髪に対するイメージは敵国の人からヤンキーとか不良といった世代(40~70代)に移行しているのではないかと思う。

 

 だから染髪、明るい髪色は病院のような場所ではあまりいいイメージがないだろう。「こんな金髪の看護師に何ができる?」といい人もきっといると思う。

 

 イメージ以外でダメと禁止させる理由はない。逆を言えば「白衣の天使、優しくお世話してくれる人、清楚さ、従順さ」というイメージを与えるためだけに黒髪にこだわらなければならないのか。

 

 黒髪の看護師にだって意地悪で変な人はいるし、茶髪の看護師にだって優しくて気の利く人はいる。髪色だけで判断すべきではないのだ。

 

 実際自分が具合悪くて関わってくれた看護師さんの髪色やらネイルやらは見ていない。優しい言葉がけや安心感はその人自信の本質なので見た目に左右されるものではない。

 若い看護師さんでも優しくてついてもらえると助かる人、おばちゃん看護師さんでも「この人大丈夫かな」と思える人はいる。見た目って全然関係ないなと思う。

 

  もちろん命を終えるときにも寄り添う。

そんなときまぁそりゃ金髪のキンキラ金髪の看護師さんがいたらちょっとびっくりしちゃうかもな。だけどきちんと働いていたらそれでもいいと思う。

テレビの医療系ドラマで金髪の医者がいたような気もするけど別に気にならなかったな。

 

 だからもう少し髪を明るくしてもいいのかもしれない。誰かのために働いているけどイメージのためだけに髪の毛を好きにしないのはちょっと違う。そういう時代は終わりつつあると思っているから今こそ我々も好きな髪色にしていいんじゃないかと思う。

 

 

 コロナの影響でどこへ行っても手指消毒をする。アルコールシュッシュの機会が増え我々の意識もより高まった。安心安全の清潔保持。それに反して荒れる手。爪まで割れてしまいそう。荒れて白くカサカサした爪を見るとみすぼらしくて悲しくなる。

なので最近はベースコートのネイルをするようになった。桜色の光輝く爪は自分で見ていて何とも心地いい。赤とかラメの派手な色の爪はできないけど艶のある爪がこんなに心踊るとは思わなかった。皆がネイルサロンに通い色とりどりの爪にする気持ちがわかる。

仕事場へ向かうエレベーターの中で桜色の爪を眺めて、新しいワンピースに袖を、新しいハイヒールに足を通すときのわくわくに似たものを感じている。今日もきっとうまくいく、そんな気持ちで職場に行くって素晴らしい。

 

もっと好きな自分になってもいいよな。そう思う。

 

 

以前勤めたクリニックの制服が変わったときの話。こういうザ看護婦さん、というな白衣からスクラブに変わった。
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スクラブとはお医者さんが手術室で着ているような白衣のことである。

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淡い色から濃い原色のスクラブに変わって「どうですか?」とスタッフに聞いたところ「悪態つく人が減った」「クレームが減った」という意見が多かった。クレームの数を数えていたわけでもないのでデータとしては『体感』なのでいまいちかもしれないが、優しい従順な看護師というイメージをひとつ崩して「悪態」から身を守るのも大事だなと思う。こちらの立場によって態度を変える人も多々いるので。

病院は機嫌いい人たちが来る場所じゃないんだから悪態つかれてもそれを受け止めるのが看護師の仕事だろう、という意見は今ここで受け付けない。実際その悪態でほとほと参って離職する人だっているのだから。それと我々の身だしなみは何一つ関係がない。

本当に我々の気遣いが必要ならば我々はきちんとわかって対応する。

 

看護師のネイルや染髪にもう少し自由があっていいんじゃないか。この世界が大きな混乱に陥り毎日心をすり減らしてみんなやってきているのだもの。色のない世界になってしまう前に、我々の心に明るい色を。そう思っていつか髪の毛をちょっと紫にしようと企むのである。私が明るい気持ちになりたいから他の看護師さんも巻き込みたいというブログでした。