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さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

昔話桃太郎(エイプリルフール特別編)

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。

時代は移ろい、おじいさんは川へ洗濯に、おばあさんは山へ芝刈りを兼ねて山菜を取りに行きました。(役割分担の変化)


洗濯物をしこたま抱えたおじいさん、川の水を眺めてふと思いました。


おじいさん「そういえばこの川のほとりにはキツネがいたな。
洗濯はやめよう。
そして帰ろう」
と。

ふと帰ろうとするも、帰り道が分からなくなり、来た道を引き返すにも、来た道がわからなくなり、
いや俺って何者やっけ?
というところまで分からなくなり途方にくれる。
おじいさんはひたすら前に進むことしか出来なくなった。
戻るという選択肢は頭の中からすっかり消え、行き先もよくわからぬまま、進むのであった。


慣れないことはさせるべきではない、
年齢を重ねたものには精神衛生上、日々のルーチンが大切になってくる。


慣れないことをして、怪我をしたで済めばよいが。。


ここでなかなか帰ってこないおじいさんを心配したおばあさん。

今日はしこたま山菜が採れたので、天ぷらを揚げても、揚げ終わっても、更にはその天ぷらを食い尽くしてもおじいさんは帰ってこないのだ。


おばあさんは警察に連絡をしていた。
「はい、特徴は身長150cmくらいで。紺色のジャージを着ています。はい、はい。
頭は白髪です。はい。はい。」

特徴を伝えると
地域の防災無線が鳴り響く。


「こちらは~防災山里です~。本日~10時頃~男性の行方が~分からなくなりましたぁ~」

エコーがかかりすぎて聞こえづらい。

しかしおじいさんを探して欲しいという声は聞き取れた。


同時に山岳救助隊も現れ、山里を探し回る。


おじーさーん

おじーさーん

おじーさーん


おじいさんが洗濯しようとした川べりには、洗濯物が放って置かれていた。


おじいさんがそこにいたというまぎれもない事実。

だけども、もういない。


どこぞや、おじいさん。

どこぞや、おじいさん。


みんな必死で探す。



おじいさんは無我夢中で3時間ほど歩いただろうか。

さすがに疲れてしまい、座り込んだ。

山の中で食べるものもない。

夕方になり、冷えてきた。
おじいさんは自分の身を心配することもなく、ただただ、座って休んだ。



山岳救助隊も本日の活動を打ち切ろうとしたそのとき、

山の中から光る大きな桃がみえた。


山岳救助隊「 なんだ、あれは!」

行ってみよう!



山岳救助隊は慌てて山道をかけ登る。
おばあさん(身元確認者として)を背負って、山道を進む。

山岳救助隊はすごい。
日々のトレーニングの賜物だ。



そこには桃を食べながら桃で暖をとるおじいさんがいた。

隣には桃太郎が桃を光らせていた。(仕組みはよく分からないが、桃太郎は工業系の学校を出ているのかずいぶん本格的な発光装置を用意していた)


おばあさん「おじいさん!!」


おじいさん「んん、なんやばあさんか!」


おばあさんの顔を見て色んなことを思い出したおじいさん。


おじいさん「わしゃぁな、洗濯に行こうとしとんだけどな、訳分からなくなって気づいたらこんな所におった。

この、ももたろーちゅう少年がよー世話焼いてくれてな、助かったんや。」

 
おばあさん「少年、おじいさんを助けてくれて本当にありがとう。
住むところがないなら、じいさんばあさんの家に来るがいい。遠慮はいらないぞ」


と言われると桃太郎は
「ありがとうございます。ではおじゃまします
と受け入れた。


大惨事にならなくて、本当によかった。


その後はおじいさんおばあさんの生活のサポートをしながら、自由きままに桃太郎は暮らした。


分かりにくい沢山あるおじいさんおばあさんの薬の管理。

おじいさんおばあさんにはちょっと荷が重いかやぶきやねの葺替え。

病院までの送迎、医者の説明聞き。

日々桃太郎のやるべき事は多く、鬼退治に行く余裕などなかった。

でもそれでよかった。

鬼は特にはいなかったから。

桃太郎は得意の電気工学を生かし、お手製カメラを制作。
そのカメラでおじいさんとおばあさんの写真を撮り、フォトエッセイ「老いる」を出版した。

おじいさんとおばあさんのありのままの姿がいいと、売れに売れて、桃太郎は手に職がついた。

ちなみに「老いる」の付録は、特製おばあさんのきびだんごた。
賞味期限があるので、気をつけて食べて欲しい。

そして、
みんなで仲良く暮したとさ。

めでたしめでたし。


今日のまとめ
  • 助け合いの心は大事
ねね(姉)がエイプリルフールを必死に考えた結果この程度の桃太郎しかできなかったので、人生におけるエイプリルフールはとりあえず今年で終了することとする