ゴールデンウィーク中日の平日いかがお過ごしでしょうか?
ねね(姉)は漫画を読んでいましたよ。後半の休みがお暇で…という方にぜひおすすめしたい漫画があります。そして読書タイムに合わせて聴くべきアルバムを紹介します。
まずは漫画から。松浦だるま作 累(かさね) です。
累 -かさね- / 松浦だるま - イブニング公式サイト - モアイ
およそこの世のものとは思えぬ醜悪な容姿を持つ少女・累(かさね)。彼女はその容姿ゆえ、周りの者から苛烈なイジメを受けていた。そんな彼女に、亡き母が遺した一本の口紅。その口紅が累の運命を大きく変えていく——
試しに1巻だけ買ってみようと思ったらあれよあれよと引き込まれて中毒性でもあるのかと思わんばかりに本屋へ通いつめ最新刊まで買ってしまう恐ろしい漫画です。できれば完結してから読みたかった漫画(いい意味で)。
只今13巻まで発売中、14巻で物語は終結の予定だそうです。クライマックスに向けて高まりがすごい13巻。
ちょうど13巻が発売されたころサカナクションの 『魚図鑑』 を買って聴いていたので、累を読みながらちらほらと入ってくる歌詞が累の世界観に合致してしまう部分がありこのアルバムは、この漫画は、違う世界でひとつになる運命だったのか、これがエモいということなのか!と胸が高鳴って仕方ありませんでした。
サカナクション ベストアルバム「魚図鑑」2018.3.28 RELEASE
Disk2の中層が累の世界観にはまっているのでこちらをエンドレスで流しながら読んでいただけると「なにこれ…エモい」となるかと思います。(なるべくネタバレにならないよう配慮しております。最新刊については触れていません)
いくつか合致してしまったシーンを紹介します。
かさね、という醜い主人公は口紅を使い美しい顔を奪っていきます。美しい顔で女優として舞台に立ち虚構の世界を築いていくのです。そしてその世界は次第にバランスを欠いていく…
ワード
嘘に慣れた僕らは
素直になれなくていつも一人ぼっち
サカナクション / ワード -BEST ALBUM「魚図鑑」(3/28release)- - YouTube
嘘に慣れたというか、嘘がなければ生きられないかさね、そしてそれを取り巻く人たち。醜さゆえの孤独か、嘘をつくための孤独か、考えてしまうのです。
息をするように嘘をつく。生きていることが嘘であるかさねの女優としての命。 息をするように嘘をつく苦しさをかさねを通して見たときこちらまで苦しくなるのです。
サンプル
息をして 息をしていた
息をして 息をしていた
サカナクション / サンプル -BEST ALBUM「魚図鑑」(3/28release)- - YouTube
醜いという現実がかさねを苦しめるのですが、美しさを手に入れ光を求める様はもがいてもがいてもがいても抜け出せない沼のよう。光を眩しがりながらも欲しがるかさねのよう。そんなかさねを嘲笑うことなどできないけどもかさねの醜さを嘲笑うやつがいることが不憫で仕方ないのです。
白波トップウォーター
街の灯りが眩しくて 眩しくて
通りすぎていく人が 立ち止まっている僕を見て
何も知らないくせに笑うんだ 笑うんだ
ミックスリスト - サカナクション / 白波トップウォーター -BEST ALBUM「魚図鑑」(3/28release)-: http://www.youtube.com/watch?v=5PEnwHKR3tc&list=RD5PEnwHKR3tc
かさねが無情に美しい顔を奪っているわけではないのはストーリーを追っていくとわかります。顔を奪った相手のことを思う一面。
years
君のことを思い出しても許してくれるかい?
サカナクション「years」MUSIC VIDEO -BEST ALBUM「魚図鑑」(3/28release)- - YouTube
かさねが美しい顔を奪って舞台に立ち続ける、それが嘘だといってもかさねの演技を見たいのです。漫画の中なのに読んでいるとまるで舞台を見に行ったかのような迫力がこの漫画にはあるのです。そしてかさねの演技の虜になっているのです。
ドキュメント
今までの僕の話は全部嘘さ
この先も全部嘘さ
サカナクション / ドキュメント -BEST ALBUM「魚図鑑」(3/28release)- - YouTube
※ドキュメントのミュージックビデオめちゃくちゃ怖い。ゾッとした。
なぜかさねはここまで光を欲しがるのか、奪うことに苦しみ悲しみながらも美しい顔を欲するのはもはや光への執着。このかさねの表情。ゾッとする。
目が明るく藍色
悲しみの終着点は歓びへの執着さ
サカナクション - 目が明く藍色(MUSIC VIDEO) -BEST ALBUM「魚図鑑」(3/28release)- - YouTube
特にドキュメントと目が明るく藍色の薄暗い音が累のどんよりした重みのある世界観によく合うのです。
漫画に足りない音をサカナクションが、サカナクションのアルバムに足りない画を松浦だるまが、互いに足しあうとき聴覚と視覚が満たされて芸術がまた一歩先へ進むのです。
漫画と音楽の組み合わせなど考えたこともなかったけど気づいてしまったとき新しい世界を見た気がして時間が経つのを忘れて読み聞き耽っていました。
サカナクションが好き、累が好き、という方にはぜひお試しいただきたい、そして見てほしい世界です。
では、また!