ここから先は私のペースで失礼いたします

さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

あの夜唇を真っ青にしてその男と握手をしたんだ

あの夜の出来事を順を追って書いていく。

 

話を進める前に皆様には知っておいてほしい漫画がある。この漫画があの夜の主役であるので。

 

ねね(姉)の大好きなWeb漫画サイト、リイドカフェでは全般的に未だかつて読んだことのないような狂った漫画が多く連載されている。その中でも5本の指に入る狂い具合のセレベスト織田信長、という漫画が好きで読んでいる。


セレベスト織田信長 – 贅沢黙示録 – – LEED Cafe

〝セレブ〟の最上級〝セレベスト〟たちの戦いはついに天限突破!! 信長たちの前に立ちはだかる強大な贅沢の体現者たち!! 「贅沢黙示録」の戦いとは!? 究極のラグジュアリー・アクション

 

セレベスト、ラグジュアリー・アクション、この時点で何を言っているのか、既存の概念から大きくかけ離れてしまっていることが伺える。

初めてセレベスト織田信長を読んだとき「おっさんがめちゃくちゃ出てくる!おもてなしをしている!ワケわからん」とかなり困惑もしたが、めめ(妹)に「メンデルがいっぱい出てくるんだよ!」と薦められ、本当にメンデルがたくさん出て来て笑ってしまった。そこからすっかりセレベスト織田信長の虜となったのだ。

メンデルの話は単行本1巻の4話に収録されている。 
f:id:sakamotwin:20180603210250j:image

そうそう、メンデルとは理科の教科書で習った気もする植物学者のことだ。

 

メンデルがギャグ漫画にでてきたことが今まであっただろうか。

このキャスティングは堪らなかった。

そしてこの漫画を描いているジェントルメン中村先生の凄味を思い知らされたのだ。(ジェントルマンではなくジェントルメンなので気をつけてほしい)

 

そんなジェントルメン中村先生が単行本発売記念のイベントを開催するとのことで、先日阿佐ヶ谷ロフトへ行ってきた。

単行本販売記念イベントとかそんなタイトルではない、『セレベスト贅祝祭 ラグジュアリーカルナバル』だ。もう…読めないよ。日常生活で見もしない文字の羅列に圧倒される。

 f:id:sakamotwin:20180603212311j:plain

阿佐ヶ谷ロフトはトークショーなどを行うイベントスペースで、中で飲食ができる。

普通のメニューに加え、ラグジュアリーカルナバルでは特別メニューがあった。

f:id:sakamotwin:20180603212404j:plain

全てセレベスト織田信長に登場するものをイメージさせるメニューだ。コンセプトカフェのようなもんだ。

 

ねねは『北条政子の病みつきビート板』を頼んだ。

 

http://leedcafe.com/webcomic/%e3%82%bb%e3%83%ac%e3%83%99%e3%82%b9%e3%83%88%e7%b9%94%e7%94%b0%e4%bf%a1%e9%95%b7-%e8%b4%85%e6%b2%a2%e9%bb%99%e7%a4%ba%e9%8c%b2-%e3%80%80%e7%ac%ac%ef%bc%93%e8%a9%b1/
セレベスト織田信長 – 贅沢黙示録 - 第3話

北条政子卑弥呼にビート板をかじらせる、というエピソードがある。
f:id:sakamotwin:20180603213633j:image

 様子がおかしい漫画だと思うことが、多分正しい反応だ。

不安になられました読者様、それは正しい反応ですので大丈夫です。慣れれば平気になります。

 

ビート板かぁ、どんなのが来るんだろう…とワクワクしながら待った。

他の客のテーブルに異様に青い使用済みティッシュかあった。あの人青インクかなにかぶちまけたのかな?と大して気にもせずいたら…

f:id:sakamotwin:20180603212450j:plain

青いのがきた!

f:id:sakamotwin:20180603212533j:plain

これが病みつきビート板か!

 

納得!!

 

プールの青さなのだろう。めちゃくちゃ青かった。

食パンは揚げられたもののよう。ナイフなど出てこなかったので箸で掴みいざかじってみると

 

 あっ…

これ、ビート板だ!

 

と思った。素晴らしい再現だった。ジュンワリ、カリっ、といった食感なのだ。

夢中になってむさぼり食った。揚げたパンはとてもおいしい。ビート板中毒になってしまう。

 

 ねねがビート板を食べている間にもジェントルメン先生の漫画のルーツなどの話はテンポよく進む。ジェントルメン先生は異常にインターネットを怖がり信頼できるのは自分の手、とアナログな男気をお話くださった。

デジタル化が進む昨今、ジェントルメン先生の異様に黒い力のある絵は己の手でペンを持ち迸る男気を紙にぶつけているらしい。

なんてかっこいいんだ!

実際のジェントルメン先生は声がとにかくおもしろい。なんか色々おもしろい。「あぁ、この人は普通じゃないんだな」と褒め称えたくなる異質さがあるので、様子のおかしい漫画を描いているのも納得だ(全て最大級の褒め言葉)

 

 

 最後にサインを頂いた。

f:id:sakamotwin:20180603212639j:plain

ご丁寧に握手をして下さりねねはとても嬉しかった。大ファンのジェントルメン先生を目の前にし、ねねの乙女心は激しく鼓動した。

男気溢れるサイン本、これは我がさかも一族の家宝にする。

 

 

その後、リイドカフェファンの交遊のある方々にご挨拶したところ、とあるふんどし紳士さんに「ねねさん、体調大丈夫ですか」と心配された。ねねはいたって元気である。なぜこの人はこんなことを聞くのか、と思った。

 

K本さんというリイドカフェファンの間で「なんか、かっこいい!」と話題のリイド社のキーマンに、「口が青いよ」と言われて、後で鏡を見たら本当に青かった。まじか。ブルーハワイのかき氷を食べてベロを真っ青にした人みたいな唇の色をしていた。想像以上青かった。

 

「うそぉ、ねねもう33歳なんだよ、こんな子どもが口にケチャップつけてえへへみたいなことをやれる年齢じゃないんだよ」と愕然としながら唇を拭った。

 

ふんどし紳士の方は唇が青いので心配されたのかもしれない、と合点がいった。

なんてことだ。

 

恥ずかしい。

 

ラグジュアリーカルナバルの興奮は少し冷め、ジェントルメン先生にこの顔でサインもらったんか、と乙女心は恥ずかしさで破裂した。多分しばらく乙女心はなくなったままだろう。早急にねねの中の乙女心部門は再生に努める必要がある。

そんな真っ青な唇女にも親切にサインと握手をくれたジェントルメン先生はジェントルメンだな、と思う。ますます好きになった。

 

家に帰ってまた鏡を見たらまだ唇は青かった。

 

加えて恥!

この顔で電車1時間乗ってたんか…

これが追い恥というやつか。追い出汁じゃない。追い恥だ。

 

あの夜、ねねは恥に恥を重ねた。だけども楽しい夜であったことに変わりはない。

 

阿佐ヶ谷ロフトでリイドカフェのイベントの予定がこれからもある。リイドカフェのイベントで変なものを食べる可能性があると心得てこれから行かれる方におかれましては手鏡とハンカチの準備をお忘れなく。

ねねの二の舞にならないことを願うのだ。