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崇山祟という末恐ろしいアーティカルな漫画家を知れ

ちょっとこの人すごいな、と思う漫画家さんの話をしようと思う。 

 その名は崇山祟(たかやまたたり)という。

名前からもうすごい、読めない。

この漫画家さんを知ったきっかけはリイドカフェのエクストリーム漫画学園だ。

初めて読んだのは 『童貞兵器』という漫画で、絵柄のかわいさに一目惚れした。

http://leedcafe.com/webcomic/exmanga032/
エクストリームマンガ学園032 崇山祟 いかさま

看護兵を目指しているヒロインのサエコちゃん。あぁ、かわいい!レトロな白衣、Aラインのスカート、でかすぎる帽子、品の良いたち振る舞い。全てが完璧なかわいさだ。
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ストーリーはさくさく読めるのでここでの紹介ははしょるが、独特の絵のタッチがやさしくてずっと見ていたくなる。

ねねはかわいい女の子が出てくる漫画がとにかく好きなので、崇山先生の漫画は必然的に好きだ。

ギラギラしたり飾りっけのありすぎる絵もすばらしいが、見ているとふんわりと目に写し出される優しさがある。

 

 

崇山先生の他の作品も見てみようと思い、noteを開き『恐怖の口が目女』を読んでみた。ホラー、SF漫画、という括りに入るのだろうか。


連載ホラーコミック 「恐怖の口が目女」第1章 (全八章のうち第一章と第7章だけ期間限定公開!)|崇山 祟 たかやまたたり tatari takayama|note

 

来る6月30日にリイド社から単行本が発売されるので現在noteでは1話と7話の公開となっている。

https://www.leed.co.jp/9784845851935
株式会社リイド社 » 恐怖の口が目女

 

ねねはnoteで全話公開されていたときに読んだのだが、数日に分けて少しずつと思っていたら一気読みしてしまった。それほどに夢中にこの漫画に引きずり込まれた。

かわいい女の子が出てくるほのぼのしたやつかと思いきや激しいアクションシーン。ギャップにやられる。
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瞳の中の輝きが眩しいかわいさ。この目力はクセになる。


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 口が目女とは何者なのか。何を言っているのか?それは怖いのか?どうなっていくのか?

ストーリー展開は予想だにしない方向へ進んでいく。スペクタクルなこの漫画をぜひ読んでみてほしいと思う。そしてかわいいだけじゃない、崇山崇という一人の人間が作り出すホラー漫画の世界を頭の中身を覗いてみたらいい。きっと好きになる。

 

崇山先生の天才だな、と思うところは画力である。投稿MAVO(マヴォ)から読める『肉愛でる姫君』を読んでみてほしい。(18禁/グロ注意)

 

 http://toko.takekuma.jp/viewer.php?mangaid=902
肉愛でる姫君 にくめでるひめぎみ/崇山 祟

 

 大正~昭和のレトロな描写、レトロホラーと言えるだろうか。
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このコマをポストカードにして飾ったり友人に暑中見舞として送ったりしたい、そんな素敵な絵だ。

 

この時代感、ねねはとても好きで、なで肩の着物の着こなし、少しハイウエストで締める帯、長く残るおはしより、中振り袖のような長めの袖丈、大きなリボン、ダウンスタイルの黒髪、伏し目がちな表情。どれをとっても美しい。紫陽花のような不思議な植物も崇山不思議ワールドだ。美人画というのはどれだけ見ても飽きることなく惚れ惚れ見てしまう。

 

この肉愛でる姫君は変な女とそれを愛する変な男の話で、恋い焦がれる人からの視線や愛がほしいゆえに命を落とすことすら厭わないのだ。お化けが出てくるようなホラーとは違い人間の恐ろしさという背筋がゾッとするホラー漫画だと思う。女の美しさがゾッとする感覚に拍車をかけている。

 

大正~昭和初期の死ぬことが当たり前な時代、命を取るか愛をとるか、それを選ぶ自由があったと思う。この平成の終わりの世の中では医療が発展し100歳まで生きる時代と豪語している。自殺はいけない、長寿大国、そんなことばかり言って死から目を背けている。そうじゃない、全ての生き物は死が前提なのだ。
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この変な男が選んだのは命か愛が、そしてその選択は幸福だったのか。

 

ねねはこういう幸福の形もあると思ってしまった。倫理とかモラルとかを全部ぶち破ってそういう気持ちにさせるこの漫画のすごさを感じてほしい。

 

恐怖の口が目女のポップさとはかけ離れたところでどろどろとした恐怖を描いている。

 

同じ作者の作品というと、絵が同じ、キャラクターが同じ、展開が同じになりそうだが、崇山作品はそんな気配もなく、全く別の作品がぽんぽん生み出されていることに驚く。あぁ、インターネットの片隅にこんなにすごい漫画家がいたのか。

 

昭和生まれのアナログ世代ねねは、電子書籍やWeb連載よりも紙媒体でページをめくる方が好きだ。

表紙の絵を見たり、手に入れる実感があるのがいい。

子どものころにおえかきちょうにセーラームーンの絵を描いて遊んで、絵がうまい子の絵をもらったりして喜んでいたことを思い出す。きっとかわいい女の子が出てくる漫画が好き、のルーツはそこだ。かわいい絵が単純に好きなのだ。

崇山先生の絵を手に入れるチャンスなので恐怖の口が目女の発売日を楽しみにしている。いつかポストカードやステッカーの発売があるといいなと思う。

好きな画家の絵を買うように、漫画もアートとしての一面があってそれを評価して買うということがあっていいと思う。

崇山祟という漫画家はそういう漫画家だ。

 

 あと音楽も嗜まれるようで、この自作のテーマソング聞いたとき、あぁ、ルパン三世の初期の大人っぽさがあってすごくいいと思った。

昭和のテレビにかじりついていた頃のアニメのオープニングテーマの走る感じとか、エンディングテーマの散りゆく感じとか、昭和の匂いがプンプンするのだ。そしてその匂いはとても心地よい。

こちらも要チェックである。