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さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

おっさんはおっさんを殺す

東京医科大の入試で秘密裏に、女子受験者の点数が一律に減点、男子学生に加点をしていた、というニュースが巷を騒がせている。


女子38%「困った」 東京医大、減点は「暗黙の了解」:朝日新聞デジタル

 

そんなことが平成の終わりに明るみに出て、非常に気分が悪い。Twitterでは #女性差別を許さない #私たちは女性差別に怒っていい などとかなり強い言葉で東京医大を批判している。

 

医療者に性別の優劣があるとは思えない。これは看護師として男性医師とも女性医師とも働いたことがある経験から言う。医学生になる前にまず性別で篩にかけるのはおかしなことだ。

 

結婚や出産が女医さんのキャリアの妨げになるのだろうか?そしたら男性医師だって父になるけども育児に参加しない前提なのだろうか?もちろん結婚や出産をしない女医さんもいる。おかしい点を指摘したらキリがない。

 

医師が張りつめた現場で極限の状態で働いているのはよく知っている。当直で救急外来診療。眠れず朝を迎え入院患者さんを診察。女性だから当直しない、とかそんなことはない。性別関係なくみんなボロボロになって一生懸命患者さんと向き合っていた。

 

色んな女医さんがいる。もちろん性格のきつい人もいるが男性医師もめちゃくちゃ変な人がいたりするのでそういうもんだ。性別関係ない。

優しい女医さんもいて、男性医師と看護師の間に入って話をまとめてくれるいい緩和材のような人もいる。看護師からすれば同性なので親しみやすさもある。難しい病態のことも質問しやすくて聞いたりもした。

若い女医さんと一緒にお菓子を食べて恋の話をしたり普通の女子的な関わりをして楽しく過ごすこともあった。女医さんの存在はとても一緒に働く上でありがたかった。

 

自分が患者として女医さんに診てもらうとき、とてもほっとした記憶もある。

婦人科ではやはし女医さんの方がいい。そう思う女性はたくさんいるだろう。行きづらい病院だからこそ、行きたいなと思える先生に出会えることはかなり重要である。

↑以上が女性から見た女医さんの印象。

 

↓以下は男性から見た女医さんの印象。

以前父が脳梗塞で入院したときたまたま脳神経の女医さんに当たって入院~退院後のフォローをその女医さんがしてる。

若い先生で、説明もきっちり、脳梗塞後の生活の注意点もきっぱり言ってくれた。動脈硬化と高コレステロール血症のため再発のリスクがあるので日常生活には気を付けることと釘をさしてくれたので父はめちゃくちゃびびって血圧を毎日測り塩分も気を付け外来受診を欠かさずしている。

娘としてこれくらいきっぱり言ってくれて良かったと思っている。説明を聞いたあと「あの先生怖い」と洩らしていたが、病状も落ち着き外来受診に行く度に、「先生きれいになってた」とか「あのときは化粧っけなかったけどちゃんとすればきれい」とずいぶん親しみがわいたようだ。外来受診前は何か言われるんじゃないかと緊張するようだが帰ってくると「先生元気だった」とまるで先生に会いに行っているかのように話してくる。

 

多分これが男性医師ならそんなに熱心に外来受診しに行かなかったかもしれない。父が脳梗塞になって入院した中で信頼できる女医さんであったことが最大の幸運だと思っている。

 

残念ながら先月でその女医さんは異動になってしまい男性医師に引き継ぐのだが、今度は内科の先生がかわいい女医さんらしくて内科の外来受診を楽しみにしている。

 

どんな形であれ楽しみがあって病院に行くというのはいいことだと思う。病院に行くこと自体あまり気の進むことではないので、通院するモチベーションは自分の体を守るために大切なのだ。

 

ここでタイトルにあるおっさんはおっさんを殺す、にやっと触れる。

 

大学が女子医大生を減らす

女医さんが減る

女医さん目当てに病院に行っていたおっさんが病院へ行かなくなる

おっさんが死ぬ

 

この負のスパイラルが発生しまう。大学側の入試に関わるおっさんが、女医さんが好きなおっさんを間接的に殺してしまう。うちの父も殺されてしまっていたかもしれない。

 

おっさんはおっさんに優しくない。おばちゃんはおばちゃんに優しいのに。なぜおっさんはこうも忌み嫌われてしまうのか。こういう陰湿なことをするから嫌われるのだろう。コミュニケーションが下手なのだ。お互いが気持ちよく過ごせるよう配慮しないで威圧的。おっさんがおっさんにぶつかればチッと舌打ちする。おばちゃんがおばちゃんにぶつかれば「あらぁ、ごめんねぇ」と言う。言葉と配慮があればもう少し丸く収まるのにね。

 

 

おっさんがおっさんを殺す事案は肛門エアコンプレッサーでもそうだ。つい最近もそのニュースがあり「おっさんがおっさんを殺すようプログラミングされている」と思ったくらいだ。

おばちゃんがおばちゃんに肛門エアコンプレッサーをしておばちゃんを殺したことはない。

 

殺意なしに悪ふざけで殺されてしまうことは本当に恐ろしい。おっさんだから殺していいということなどないよ。おっさんもおばちゃんも子どもも私もあなたも殺されていい人などいない。憶測でも倫理でもなんでもなく埼玉の片隅で私はそう思っている。

 

 

それと同じように性別の違いだけで差別されるべきでもない。ただ、#女性差別に怒っていいというハッシュタグはどうかと思う。怒るというのは感情的なものなのでどうしても聞き入れられにくくなってしまう。また女性差別だって怒ってるぜ、放っておこうぜ、となる。男の人相手に怒りは聞く耳を持たせなくさせるだけなので、何が良くないか、この件にどう向き合い改善していくかか平成の次の新しい世界を生きる我々には必要だ。

 

当事者の女子学生さんは賠償請求もできるかもしれないというニュースもある。


東京医大の「女子減点」賠償請求はできるのか 刑事事件の余地も - ライブドアニュース

当の本人たちが立ち上がり、公平でなかった東京医大がきちんと法で裁かれ以後このような差別がなくなることを願う。

 

私にできることといえば、女医さんの存在のありがたさをここに記すことだと思う。男性も女性もお互いになくてはならない存在なのだし、どちらがえらいとか優位とかそんなこともない。平成でこんな下らないことは一掃し、次世代はなるべくお互いが生きやすいように配慮する時代になればいいなと思う。