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埼玉には何もないと君が言ったから埼玉県のJRの駅を全て巡る旅をするハメになったんだ~フィナーレ~

いつだってねね(筆者)は無意識に周りを振り回してしまう迷惑な人間だと33歳にして初めて気づいた。その男に「ねねさんの我は強すぎて有無を言わせない。」と言われたのである。その男の言うことはすぐに理解できた。その男こそねねの振り回しの最大の被害者であり、名をサボテンサトシという。ギター芸人をやっている。

サボテンサトシ (@sabotensatoshi)さんをチェックしよう https://twitter.com/sabotensatoshi?s=09

埼玉のことを越谷レイクタウン以外思い浮かばない、と言ったからボテンサトシは埼玉県のJRの駅を全て巡る旅に出るはめになったのである。

 

 

前編↓
埼玉には何もないと君が言ったから埼玉県のJRの駅を全て巡る旅をするハメになったんだ~前編~ - ここから先は私のペースで失礼いたします

中編↓


埼玉には何もないと君が言ったから埼玉県のJRの駅を全て巡る旅をするハメになったんだ~中編~ - ここから先は私のペースで失礼いたします

後編↓


埼玉には何もないと君が言ったから埼玉県のJRの駅を全て巡る旅をするハメになったんだ~後編~ - ここから先は私のペースで失礼いたします

 

乗り換え:南越谷

東武スカイツリーライン新越谷駅の目の前にある武蔵野線南越谷駅へ移動する。先ほど食べた十万国まんじゅうのせいか疲労はピークに達していた。サボテンサトシは「新幹線3時間以上のしんどみがあります。何とも言えない疲れです。もしかして人間は運ばれると何かしらの負荷を感じるのでは?」と謎の理論をブツブツとしゃべっていた。

19:19 南越谷
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武蔵野線は都心で働く者たちをベッドタウンへ送り込むので割りと混む。高崎線宇都宮線も同様に混んでいるので埼玉県への移住を考えている方はまず路線図や通勤時の埼玉県のJRを体感してほしい。都内と違い運行本数が少ないので混む。それはもう地獄のように混む。悲しいくらい混んでいる。どうにかしてほしいと思っている。ギターを背負ったサボテンサトシはドアの付近に邪魔にならないようひっそりと立った。
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あれ?
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もしかしてあと3分で死ぬ人?

ここでねねは自分が振り回したことで人が死んでしまうかもしれないという恐怖を感じた。サボテンサトシってこんなにげっそりしてたっけ。あともう少してサボテンサトシを殺してしまう、そんな気がしたので「もう少しだよ、頑張ろう。」と励ますも無表情のサボテンサトシは何も言わなかった。読者の皆様におかれましては文句を言わないサボテンサトシの偉さを称えてほしい。

 

19:21 越谷レイクタウン

19:? 吉川

19:?吉川美南

19:28 新三郷

新三郷にはららぽーとIKEAコストコなど埼玉県民の生活とワクワクするお買い物を支える街である。サボテンサトシに「IKEAコストコあるんだよ~」と言っても「はぁ、そうですか。」と格段行きたい様子も見受けられなかった。

19:33 三郷

時刻をだいぶ記載し忘れている。ねね自身も相当ダメージが大きい。疲れてしまってもう何もしたくないのだ。でも、この旅を終わらせなければ。

 

折り返し:三郷

埼玉と千葉の境目の三郷で乗り換える。ちょうど上り電車が来たのであわてて乗り換える。「サボテン急いで!」「ねねさんっ、ちょっと!写真は撮らなくていいんですか?」「写真撮った!乗って!サボテン乗って!」というやり取りをしながら撮った写真がこれだ。
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三郷駅のホームしか撮れなかったけどこれは紛れもなく三郷駅なのである。サボテンサトシに自分が撮られる立場という意識が少しずつわいているようで嬉しかった。

 

武蔵野線でサボテンサトシは自分が歌った越谷レイクタウンに初めて行く。越谷レイクタウンは大きなイオンがあり埼玉県民のほしいものは大体揃う。ねねも月2~3回は行く。大好きなマルエツも入っているためとても便利なのだ。
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時間がないのでイオンには行かない。イオンの前で記念撮影。辺りは一面真っ暗だ。越谷レイクタウンという駅ができる前はここらへん一帯は沼地だった。葦がボーボーに生えているか田んぼかという土地に狭い道路がありそこを流通団地へ向かうトラックがかなりのスピードで行き交う場所だった。もちろん歩道などはなく道端には蛙がいる。中、高校生が道路を自転車で走るとトラックの風圧で自転車ごとよく田んぼに吹っ飛ばされた。

火葬場もこの付近にあり近くの高校生は火葬場の周りを走ったり美術の屋外授業で火葬場の写生を行った。

マクドナルドやガストなどない。田舎の高校生は自転車で一駅くらい移動しお茶しにいく。夏は皆信じられないくらい真っ黒に日焼けする。

それがここ10年でこんなに立派なイオンができ人が住み始めた。人間の造るという能力はすごいのである。
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住む人の暮らしを照らす灯りが遠くに光る。そこでサボテンサトシはギターを弾き始めた。(雑音が所々入っているのは野外なので…ごめんなさい)

 

 

ねねは幸せ者だなと思う。サボテンサトシを連れ回すとサボテンサトシの生歌を聞けるから。サボテンサトシにとっていいことはない。「こんな地獄に誰がした」と歌っていた。それは笑って聞いていたが聞き返すとねねのことを言っていたんかと気づいた。マジごめん。

 

 月のきれいな夜だった。「なんのために来たんでしょうかね。」と再び駅へ戻る。越谷レイクタウンを見に来ただけだ。それ以上のことはない。
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 越谷レイクタウンで歌い更に体力を消耗したサボテンサトシ。甘いものは苦手なはずなのにコカ・コーラを買って飲んでいる。
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「コーラを買うなんてこと滅多にないんです。おいしいです。」と話す。OS-1の補水タイムはもうやめた。だってもう体力は限界でゴールはあともう少しなのであとは気合いで行くしかないのだから。
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20:01 越谷レイクタウン

20:03 南越谷

20:07 東川口

20:11 東浦和

20:14 南浦和

 

乗り換え:南浦和

「あ、僕ここ知ってます。朝も来ました。」とサボテンサトシは言った。そう、10時間前にも来ている。「よくわかったね~さすが!」などと調子のいいことを言ってしまったが少しだけ申し訳ないなと思った。

20:16南浦和
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「もう、何にも乗りたくないです。活動限界時間がやってきました。著名に口数減ってますよね。最初は楽しかったですわ…あの、この旅は面白い感じになりそうですか?」とサボテンサトシが虚ろな顔で言う。ねねは「わからない。おもしろく書けるかわからない。」とだけ言うと「おもしろくならなければ救われない。」とごもっともなことを言った。そうだよな、と思った。ねねの住む埼玉のいいところを知ってほしくてこうして旅に連れ回しているけどもサボテンサトシは埼玉のことを知りたくて来ているわけではないのである。いい人すぎて誘いに「行かない。」と言えなかっただけなのである。

ゴールはあと少しだ。電車は確実にさいたま新都心へと向かう。

20:18 浦和

20:21 北浦和

20:23 与野

20:25 さいたま新都心

ゴールである。9:21から始まった埼玉県のJR駅76駅のうちの73駅を巡る旅がやっと終わったのだ。(後編でも触れているがうっかり鷲宮と栗橋を飛ばしてしまったので全部とは言えないが、新幹線の本庄早稲田駅も含め、行けなかった駅は3駅。)

 

なんか感動して泣いてしまうのかな、と思っていたが疲労困憊すぎて何の感動もなかった。それはサボテンサトシも同じだったようだ。

サボテンサトシの膝の裏に枯れ草が引っ付いていたらしくさいたま新都心に着いたことよりこの草をどうするかの方が優先度が高かったようである。
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多分レイクタウンでくっつけてきてしまったのだろう。
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しばらく持っていたが気がつくとなくなっていた。
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さいたま新都心といえばさいたまスーパーアリーナだ。
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さいたまスーパーアリーナには福山雅治のライブを見に来たことがあります。またこんな形でくるとはね。」
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もちろん今の気持ちを歌ってもらった。
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サボテンサトシの歌は素晴らしい。きっとサボテンサトシを知らなくても、音楽に詳しくなくても、耳を傾けてしまう力がある。ネタの歌ももちろん好きだが、こうして外に出て即興で息をするように歩くように流れるように自然な歌が出てくるのもいい。息をするように歌う。だから息をするように聞けるのである。飾らないありのままのサボテンサトシの歌がなんだかほっとするのである。歌の力はすごい。聞いていて明日も頑張るかと思える。これは誰にでも出来ることではない。

サボテンサトシに埼玉の感想を聞いてみた。

「住みたいとは思いませんでした。酒を飲んで見た景色はキラキラして見えました。」とのことだった。それ以上は語らなかった。

 サボテンサトシで「きっと忘れない」の歌詞にのせてこの旅のハイライトを。

 

ごめんなさい 僕は君のことを誤解してたね

埼玉には越谷レイクタウンだけじゃない。
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十万国まんじゅう
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氷川神社
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川越の蔵の街
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忘れない
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忘れない
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きっと忘れない

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でも2度と来ない
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埼玉には何もないと君は言ったけど

そう歌ってたことさえも今では懐かしい思い出
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越谷レイクタウン

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来たよ


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埼玉には何もないと人は言う。

埼玉に住むねねもそう思う。だけども住む人にとってありふれた日常がありたくさんの思い出がある。派手なものはない。それでいい。特別な思い出は忘れにくいが、ありふれた日常のヒトコマはどんどん忘れてしまう。そして何かを失ったときやっとその日常のありがたさや尊さに気づく。日常こそ宝物だと思う日が来るのだ。わからない人にはわからなくていい。ねねは埼玉の日常をとても大切にしている。

きっとサボテンサトシの歌声も埼玉の日常みたいなものだと思う。生活の灯りのように心を優しく照らす。それはとても暖かく心地のよいものなのだ。