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さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

肛門が痛くて早引きした日のこと

ねねは一昨日から血栓性外痔核で肛門をひどく痛めている。これは動けないね。数日すれば治るので今が痛みのピークであるのはわかっている。ただただ時が過ぎるのを待つしかないのだ。

 

昨日の夜ボラギノールの内服薬を買ってきてもらって飲んだ。朝起きたら少しマシになっていて良かった良かったと胸を撫で下ろす。それでも朝のお通じのときに「ひぃ~っったい!」と叫ぶほどの痛みがあった。軽い拷問と言ってもいいだろう。ねねに激甘過保護の彼氏がいたら泣きついていた。30分は泣いてよしよししてもらっていた。しかし激甘過保護の彼氏はいない。血栓性外痔核に向かって「軽い拷問ですね」と話しかけるが返事はない。反省の色はなかった。ムカつくなこいつ。

 

電車に揺られ職場の最寄り駅からそうっと歩いていく。だんだん痛みが気になる。立ったり歩いたりすると肛門周囲のうっ血が増すのか夕方とかの方が痛い傾向にある。今日の活動限界タイムは何時だろうと肛門に仕込まれた時限爆弾の様子を伺いながら出社した。

 

今回の肛門痛は立ち上がり時や足を上げるとき、おしりがキュッとなるときに痛みが増悪する。更衣室で靴下をはくとき「ふぅ…ふぅ…」と唸った。業務開始前から困難を来している。それでも今日はスタッフが少なくて午前中は休めない状況だったのでせめて午前中だけでも、と気合いを入れた。

 

ワゴンに荷物を乗せ体重もかけよたよたと歩く。こんな日に限って力仕事の日だ。お風呂場での入浴更衣介助というのはかなり力が必要だ。最初は小気味良く回していたがどんどん肛門の痛みが増してくる。ストレッチャーで運ばれてくる患者さん、脱がす着さす脱がす着さす、ストレッチャーtoストレッチャーのトランス、トランス、トランス。ひぃ、ひぃ、ふぅ。そのうち床に落ちたものが拾えなくなる。屈めないのだ。ストレッチャーのブレーキも踏み込めない。ストレッチャーを軽い段差越えすらさせられない。やるけども、力が入らない。弱々しくゆっくり作業を進める。

「あぁ、これはもうダメだ、今日は終わったら帰ろう」と悟った。

午後は半休で、というのを師長に伝えなくてはならないが何と言おう。腰痛?頭痛?それとも正直に肛門痛?まぁ嘘をついても仕方ないので肛門痛で帰りたいと伝えることにした。

 

午前中が終わる頃には刺すような肛門の痛みもあり午後も働けるか働けないかの瀬戸際で悩む。帰るまでが仕事だから、と割りきり師長に話しかける。小声で。

ね「師長さん…あの午後帰ってもいいですか?」

師「え、何々どうしたの?」

ね「あのですね、おしりに血豆ができてて、それがめっっちゃくちゃ痛いんです」

師「血豆?」

ね「血栓性外痔核ってやつなんですけど、安静にしてれば数日で治るやつなんですけど、数日はめちゃくちゃ痛いんです」

師「え~そうなの、それじゃぁ、うんちは出せないわね…どうするの?」

ね「(朝の拷問を思い出しながら)それでも…出すしかないんですよ…」

師「あらぁ~…今日はもう帰って帰って」

 

こうして午後半休は受理され、先に帰ることを他スタッフにも伝え謝罪する。

「おしりが痛くて…」というとおばちゃんは「んふっっ」と笑っていた。そりゃ笑っちゃうよな~肛門が痛くて帰るって人私は聞いたことがない。「痛いなら無理しないで」と優しく声かけしてくれたので助かった。

 

炎天下の帰り道、途方にくれた。

全然歩けない。駅まで徒歩10分。歩いても歩いてもたどり着かない。おかしい。帰るのを諦めたくなった。2回ほどもうやだって道路に座り込みたくなった。座り込もうと足を曲げれば激痛なのでそれすらできない。歩いて帰るしかない。選択肢がないというのは恐ろしい。

 

20分以上かけて歩いた。暑さと痛みで気が狂いそうである。電車に乗る。座ったところで肛門は痛い。今日はもうダメだと絶望しながら帰る。家に着いてほっとした。簡単にお昼を食べ横になる。横になっているときが1番マシ。半日安静にしたら少し良くなった気がする。肛門が痛いときに力仕事はするもんじゃない。

 

明日はもう少しマシになるだろうか。マシになっててくれないか?肛門の痛みとの戦いはまだまだ続きそうだ。