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湯遊ワンダーランドを読んで整うを知る

出たよ!湯遊ワンダーランド3巻、完結巻!

この漫画にはたくさん笑わされてたくさん学ぶことがあって救われたと思う。ただのエッセイ漫画と言うには勿体ないほど不思議な魅力がある。


湯遊ワンダーランド 3|書籍詳細|扶桑社

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私が湯遊ワンダーランドと出会ったのは去年の梅雨に入る前のこと。もともとまんしゅうきつこ先生(現在はまんきつ先生と改名しているので以下はまんきつ先生と呼ぶ)のことはアル中ワンダーランドで存じ上げていた。


お酒を飲んで天国から地獄へ まんしゅうきつこがアル中語る - ITmedia Mobile

この漫画もぶっとんでいておもしろい。アルコール中毒ってこんなんなんだ、と笑いながら何度も何度も読んだ。一線を越えることのヤバさというのは越えた人にしかわからない。こういう体験談というのは知ろうとするきっかけになってとてもいい。

 

そんなまんきつ先生が新しく描いた漫画とのことでおもしろそうだな、という興味を持ってこの本を読んでみた。

サウナと水風呂で整うという摩訶不思議体験。整うという感覚を知らないうちは「サウナ?水風呂?あんなのおっさんがやるやつでしょ?冷たい水で体冷やしてどうするの?気持ちいいわけないじゃん」と否定的だった。おっさんくさいことをするのが嫌だったのである。

それから6月に入り私の自律神経はめちゃくちゃだった。梅雨がダメ、蒸し暑さがダメ、低気圧がダメ。消えない頭重感、偏頭痛、肩こり、腹をちょくちょく壊す、朝起きられなくて夜眠れない、だるい、とにかくだるい、ひどいときはめまいがした。

あぁこれは病院に行っても不定愁訴と言われるんだろうな、運動でもすればいいが運動は嫌いだ。楽しくないし疲れる。自律神経によさそうなことを何かしなければ…そうだ、サウナに行ってみよう、水風呂に入ってみよう、あはっってなるような気持ち良さを体験してみようと思った。

LaQuaに行きサウナに入り水風呂へ恐る恐る入ってみた。最初はどうしても臍より上まで浸かれなかったが少しずつ根性で使っていき4回ほど水風呂に入ったとき生きていて感じたことのない気持ち良さが体を駆け巡った。

「これが…そういうことか…」

喉の奥から頭がひんやりしゃっきり、頭重感はすっかり洗い流されてしまった。あのとき自律神経は喜んでたと思う。ありがとね~ありがとね~整えてくれてありがとね~湯遊ワンダーランド読んでよかったね~まんきつ先生ありがとね~って。

 

そこからサウナにはまり整えるという概念を掴んだ。整体にも通い一時の不定愁訴は改善した。自律神経なめたらいけないなと思った。

 

湯遊ワンダーランドではまんきつ先生が実在のサウナ絵を忠実に描かれている(施設名は明記なし)ので、該当する施設に行ったとき「ここ、あのまんきつ先生も来てたのか~、フロントにサインある、漫画の通りの水風呂だ」と聖地巡礼をしたかのような楽しさもある。知らない場所に行くきっかけを作るってなかなかできることではないので漫画を通して誰かを動かすというパワーはすごい。動かされて元気になって帰ってくるのはもっとすごい。

 

1巻はサウナに出会い、2巻は新たなサウナを求めて新たなババァ(サウナ常連者)共に出会い、3巻ではババァ共と仲良くなり情報を共有したりどんどんレベルアップしている。

そんなに薦めるならサウナの何がいいの?サウナで何か変わるの?と聞く人もいるだろう。端的に考えるのは野暮だぞ。サウナに行って10歳若返りました、とか10㎏痩せましたとかそんな明らかな効果はないだろう。「なんか調子いい」くらいに考えるのがちょうどいいと思う。

そういうテンションで湯遊ワンダーランドを読んだら、いい方向に動いていて感動してしまった。とてもいい結末だった。湯上がりさっぱり、よし牛乳飲んで帰ろうかみたいな読後感がある。まんきつ先生が確実にレベルアップしている。サウナで整い居心地の良さを追求していった結果なのかなと思う。何事にしてもいい方向に転化していくのは気分がいい。

 

このご時世異常気象、情報過多、ストレス社会、イライラすることばかり。交感神経ばかり昂りリラックスする暇がない。テレビをつければやるせない殺人、街を歩けばおっさんと警察官が喧嘩をしている、道行くおばちゃんが延々と悪口を言う。聞きたくない見たくない知りたくない。意識してリラックスして整っていかないと飲み込まれてしまう。そんな中で銭湯のお湯がジャバジャバ流れる音、サウナのチン…チンとストーブが鳴る音、遠くでおばちゃんの笑う声、洗面器のカッポーンという音。安らぐ音ばかりのこの世界は気持ちがいい。水風呂に入り整う前の聞こえる音域が変わる瞬間「これだな~」と理解する。整える場所はいくつか持っておいた方がいい。(↓この姿勢は腰が伸びて気持ちいい、他にやってる人いるんだと嬉しくなった)

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ストレスでやけ食い、やけ買い、やけ旅行、やけ映画などよりはコスパがいい。自分へのご褒美にサウナも追加してほしい。幸福度が上がる。

 

自分が整うために何がいいのか探すのは大変かもしれない。自律神経やヨガの難しい本は苦手だ。おもしろくないから読めない。

湯遊ワンダーランドはおもしろいから読める。どうせ整うならよりおもしろいほうがいい。もう教科書だしバイブルだ。私の教科書、バイブルは世間一般で言うものではなく私がこれだと思ったもので決める。はい、決まり。己の教科書は己で決めなさい。

 

3巻はめちゃくちゃ笑いながら読んだ。伝説だわこれ、と思うくらいには声を出して笑う漫画だった。1,2巻より強くて好きだ。サウナ?整う?なにそれ?という人はぜひ読んでほしいし、サウナも整うも知っている人はサウナ共感が強いのでぜひ読んでほしい。現状を変えたい人(サウナですぐに変わると期待するのはハードルが高すぎる)にも、自律神経の調子が悪い人にも、何か健康になることを始めたい人にも読んでほしい。みんな読めばいい、そして元気になろうよ。それがいいな。

 

まんきつ先生、そして作中にもしばしば登場する編集者の高石さん、いい本を作ってくれてありがとう。二人のすっとんきょうなやりとりがおもしろかった。人と人との関わりっていいよなぁ。この本が淡々と作られたのではなく人の手によって作られていったというのがわかってなんだか胸が熱くなる。命が吹き込まれた本は読むものを動かす。