ここから先は私のペースで失礼いたします

さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

さかもツインの戦い

 まだまだ暑い日が続きクーラーのお世話になっている。夜寝るときクーラー代節約のためさかもツインはめめ(妹)の部屋で寝ている。ベッドはシングルサイズなので2人で寝られるわけもなくねね(姉)は床で寝ている。早く夏が終わってくれないとねねはいつまでもベッドで寝られないのでぶり返す夏の暑さが恨めしい。

 

 床で寝ながら天井を見ていたら何かがいた。虫だな、うん、なんの虫だろう。3㎝くらいのやつだ。ゴキブリではなさそう。じっとしている黒い虫。めめも天井に釘付けとなり「あれ何?虫?は?バッタ…?」とテンパりだした。それゃテンパるだろう。窓もたいして開けていないのに天井にバッタがいるのだから。ここは3階。普段あんまり虫は入ってこない。4年住んでて部屋に入ってきた虫は蜘蛛とか蚊、カナブンだけだ。今夏ゴキブリは1回だけ出たのでそっと殺した。共存できないものは殺すのがねねの信念なので。

 

 バッタは動かなかった。飛ぶ虫はさすがのねねも怖い。突進してくるからたちが悪いと思っている。動きが予測できないから殺すときにもたつく。手に追えない動きをされると困るのだ。

 

 めめはねねが虫殺しおばちゃんだと思っているようで、ゴキブリがでたら「おかぁさ~ん」と言うテンションでこちらを見てくる。「お前が何とかしろよ」の圧が強い。それでもねねの家ではないし責任は家主がとれよ、と言いたいところ。ねねはお客様だそ!(正しくは居候)。いや、ほんとどうやって殺るか、ちょっと考えてチラシでも用意しなくてはと天井から目を離したスキにコオロギはいなくなった。不思議とめめも目を離したタイミングが一緒だったらしく、さかもツインは「は?」とバッタにキレた。所在がわからなくなった虫ほど怖いものはない。いつどこから出てくるか分からないからだ。

 

 「やだ~」「最悪」「キモい」「マジでどっから入ってきたんだよ」「ふざけんなよ」とバッタにキレながらあちこちを探す。カーテンを揺すったりタンスを揺すったり本棚を叩いたり…色んな刺激を加えても出てこないバッタ。鳴きもしない。「バッタがどこかにいるこの部屋で寝るのやだ~。夜中寝てるときにバッタが体に触れてきたら死ぬ!」と泣き言を言うもバッタは出てこない。最悪である。出てこないものは仕方ないし家にバッタが出て眠れなかったから仕事休みますとも言えないので仕方なく寝た。朝になってもバッタの所在は不明だった。もしかしてあれはさかもツインが見た幻影だったのかもしれない、そういうことにしてバッタ騒動を終わりにした。

 

終わりにしたはずなのに…

翌日ねねが寝ているクッションをどかしたところ、バッタの足が出てきた。f:id:sakamotwin:20190907212008j:image

片足だけ…

は?

めめは「糸屑かと思ったけどこれ足だよね」と言う。ねねも「足だ」と言った。

なんで本体ないのに足だけあるんだよ、てめぇ足ちょんギレてんじゃねぇよ、心の底からキレた。

「すいませんしくじってめめさんの部屋に入っちまってねぇ…すいません、指詰めますわ」みたいなコオロギなりのケジメたったのだろうか?許さへん、許さへん、虫殺しおばちゃんからしてみれば足などで満足できると思うなよ、命絶つまで許さへん!と干からびた足を見て思った。

 

めめは「お前が捨ててくれよ」と言った。触りたくないのはよくわかる。ねねは虫の死骸処理班じゃねぇお前の家だろ?と思いつつも仕方なく除菌ウェットティッシュにくるんで捨てた。

 

この問題は干からびた足を捨てたら終わりではない。見つからない本体を除去するまで解決したとは言えない。見えないから良しとするうわべだけの人生なんて薄っぺらくてつまらないだろう。また今日もこれから行く、コオロギが隠れたあの家に。さかもツインの戦いはまだ終わっていないのだ。