バチェラーというのが流行ってるらしい。聞くと婚活サバイバル番組だという。バチェラーと呼ばれる独身男性が集まった20人の独身女性の中から運命の人を見つけ出すものらしい。見たことないから詳しいことは知らんけど。
CMでときらびやかなドレスに身を包んだ美しい女性と、世間で言うイケメンな男性が写し出されやいのやいのしている。ねねにはこんな世界無縁だわ～という感想しかない。でもなんか考えちゃうの。ここに放り込まれたらって。
まぁ30歳以下の独身女性という募集要項を満たしていないので、お門違いよとめちゃくちゃ怒られそうだしスタッフにつまみ出されるだろうけどねねならどう闘うかだよね。サバイバルっつーのは対象外もクソもないでしょう。闘う事象があるなら生き残るっつーね。ねね、生き残りたいし。
じゃあバチェラー・ジャパンに出るとしたら、何からするか。とりあえず畑を耕すよね。なんか途中でローズセレモニーっていうのがあるらしくてそのバラを自作したいから。丁寧に端正込めて育てたバラで挑みたいのよ。
バチェラーが気に入った女性にバラを渡すんでしょ？ねね、選ばれるとかそういうのちょっと苦手だからな～。ねねがバラを渡しに行きたいわけ、バチェラーに。
そこらへんの花屋で買ってきたインスタントなバラでいつまでやるつもり？そんなんだから薄っぺらいって言われるのよ。剪定タコのできた手で自作のバラをバチェラーに渡すんだ。握手したら手がコワゴワで嫌われるだろうね。まずは嫌われておこう。そっから始まる恋に賭けるから。
あ、そうそう。きらびやかなドレスは着ません。直前まで畑でバラの剪定や農作物の手入れしときたいから。畑あがりの泥つきTシャツと短パンで行くよ。
蚊に刺されまくって掻いて血だらけの足でいくよ～。美しいだけが人間じゃないからね。現実ってちゃんと見てる？夜景とドレスばっか見てないで本物の生きてるやつを見てみろよ。
ポリ袋に自作のミニトマトとか茄子とかゴーヤとか入れて「今年もいっぱいとれたから、ほら食べな！おいしいよ！」とバチェラーに押し付けたい。高級レストランのちっと添えられた野菜食って「おれ野菜食った、健康健康」とかほざくんでしょ？無農薬無添加ねねさん印の野菜食えよ、なぁ食えよ！味の違いわかんねぇのか？黄色いゴーヤのちゅるちゅるしたとこも食わせてやるよ。
え？バチェラー泣いてる？圧が強すぎるって泣いてる？うそ～やり過ぎちゃった？ごめんね～！泣いてるバチェラーもかわいいよ？ほら、涙をふいて。(ハンカチを差し出す手からめちゃくちゃ臭い草の臭いがして更にバチェラーは泣くのであった)
こんなことばかりしているため、バチェラーに選ばれたい他の女性参加者からことごとく嫌われるねね。最初は「なにあいつ」みたいな視線から中盤は完全無視となる。その様子がハラハラさせると視聴者からめちゃくちゃにクレームが入る。荒らしじゃん。ねね、ただのバチェラー荒らしじゃん。まぁでも気にしない。人のこと気にする余裕あったら帰って畑の肥料足したいし。
デートというのもあるらしい。
番組から指示されるらしい。つまんないよな～。強制されたデートなんてさ。ねねならバチェラーを畑につれていくよ。そろそろさつまいもできるからって芋掘りさせるね。「手がどろどろになる」って言ったらひっぱたくよ。当たり前じゃボケぇって。何しに来たんだお前はって。芋掘り終わるまで帰さないから。食べるものと真摯に向き合わない人嫌いなんだよね。まぁお芋掘りできたら蒸かした芋、揚げた芋、甘く丸めた芋(スイートポテト)など芋のフルコースを食べさせてあげるよ。というか農作業後に入る風呂の気持ちよさは知っておいた方がいい。かなり清々しいから、ねねはそれをバチェラーに教えてあげたい。
カクテルパーティーはねね酒のめないから出ない。家でねんねこしてたい。バチェラーはねねがいないことに気付いても言わない。バチェラーねねのこと気にかけ始めた？そうだよね、家庭的な要素が1番強かったんじゃない？他の女性より逞しいところをアピールしてみたんだけどわかった？バチェラーわかった？え、わかんない？バチェラーもう農作業やだって言った？は？(ここでバチェラーを拉致しリムジンでねねの更なる故郷栃木の山奥に連れていき山奥で栗を収穫、栗の剥きかたを叩き込み栗ご飯を与える。空気のおいしさ、山の美しさに気付きバチェラーは改心、サバイバルの本当の意味を知る。後に解放され東京の自宅に戻るも高層マンションの夜景が虚無だと気付き「おれは生き残るんだ～」と叫び失踪。その後の彼の行方とバチェラー・ジャパンの結末は誰もわからない。ねねは思い出を胸にしまい畑でせっせとバラを育てていたところ1人の男が訪ねてきた…続く)
続かないわ。バチェラー・ジャパンに向かないことだけよくわかったわ。はぁ、むかつく。いけすかねぇ～わ。さよなら。
