世の中には争い事が耐えない。どうしてこうも人は人を羨み妬み争うのか。きっとこの先も争いが絶えることはないだろう。かわりがわり怒りを煽るワイドショーを見てため息をつきテレビの電源を消した。
その女はもう居ても立ってもいられなかった。座りながら重心を右に左に揺らし何かのリズムをとっているかのようだった。世知辛い世の中に苛立ちを覚えているのだろうか、少し落ち着きのないその女は立ち上がりこう言った。
「いてて…」
そっと痛みを漏らす言葉を口にしないとやっていけないらしい。そう、その女の肛門に再び血栓性外痔核ができたのだ。
先日の台風の際外出をせず家に引きこもっていた運動不足と、断水の可能性があると煽られ無理に息んでしまったのが原因らしい。ここ数日終わりの予感を告げられていたが一昨日から本格的に悪化したのだ。
居ても立ってもいられないのはそのせいである。血行不良によるものなのでお風呂に入って温めろとか、肛門周囲をマッサージしろとかいう先人の知恵を拝借しても一向にかわらない。
ボラギ○ールA(ステロイド入)をそっと塗るも血豆は血豆であることを主張しつづける。
そして災難は続く。便が秘めてしまっている。寒さによる飲水量の低下や繊維質の摂取量低下から秘めてしまった。そこで争いが起きる。
血豆のできた肛門VS便秘のうんち
は?
誰も幸せにならない争い。
不要な争い。
結局傷つくのは自身。
緩やかな自殺?
これだけ医療が発展しても流れる時間にしか治せないものがある。
医者はなんのためにあるんだ
こんな争いやめたほうがいい。あっても仕方ない。だけど、だけども戦わねばならないときもある。そりゃ勝てる戦だけじゃないさ。負けてしまう、負けてもまた挑む。生きているうちあと何回この戦いをするかわからない。いつか勝てる日が、くることを願って。