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さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

場末の病院でいよいよマスクの在庫の底が見えてきた

連日のコロナ感染拡大のニュースには気が滅入る一方だがどういう状況か把握しておかねばならないところもあるので感染者数の推移を見ている。

 

慢性期~終末期の高齢者が多く入院している病院で働いているとこういう感染症の爆発的な流行には神経を尖らせる。インフルエンザの季節は患者さんの面会者から流行が始まったことが何件かあった。ちょっとした風邪だと思っても抵抗力の落ちた入院患者にはあっという間に感染し直接的ではないにしろ体力の消耗と余命というものがあるというなら結果的に亡くなられる方もいる。

感染予防はかなり気を遣いやってきている。感染予防についての勉強会をし、手荒いやアルコール消毒の徹底を全スタッフで実施している。それでもインフルエンザにかかるときはかかる。どんなに気を付けていても隙間をぬってウィルスはやってくる。

 

今のところ場末の病院でのコロナウィルス感染はみられていない。スタッフも患者さんも。これからどうなるかわからない日々を地雷を踏まぬようそっと歩いているようなものだ。

出勤するスタッフは検温をし発熱があれば勤務できない。感冒症状のあるスタッフも出ず皆元気にいつも通り勤務している。ただいよいよマスクの入荷が不安定となり在庫が数箱となった。週末はその数箱でやりすごさなければならない。医療者にとってマスクはとにかく必需品だ。

コロナウィルスも飛沫感染ではないかと言われている。くしゃみや咳のしぶきで感染するのであればマスクは外せない。患者さんの近くでお話するとき、食事介助をするとき、整容、口腔ケア、オムツ交換、更衣、移動動作。点滴や吸引などの医療処置、どれをとってもかなりの至近距離となる。

 

 仮にこちらが無症状でコロナウィルスに感染していたら…

話しているときや接近したときにに唾やくしゃみのしぶきが飛んでしまったらアウトだ。患者さんを守るためにもマスクは必要である。これでマスクがなくなってしまったらどうなるのだろうか。ひそかに医療現場でのパニックは始まっていくと思っている。

(逆を言えば患者さんの飛沫はしょっちゅう浴びているので顔の粘膜部位はなんとしても保守したい。唾が飛んで来たときに帰って風呂に入りたいと思っても勤務が終わるまで帰れないときは絶望しかない)

マスクが買えない状況が続いており、たまたま私は年明けに花粉症対策としてマスクを1箱備蓄しておいたのでなんとか足りているがこの先どうなるかわからない状況なので不安を感じている。

 

手指衛生や患者さんの身の回りの環境整備、使用物品の消毒でアルコールも必要だ。今現在アルコールは院内では足りているがドラッグストアにはいつ行っても売っていない。需要が増えたので供給が追い付かないのは仕方ない。もし買い占めや転売をしている人がいたら本当に必要な場所にも回らなくなってきているのでどうかやめてほしい。

 

今週末は不要不急の外出は控えるようにと要請がある。若者がウィルスを媒介するというのだ。

それを言うなら病院だって若者ばかりが働いている。高齢者が入院しているところに若者が入ったら危険だから高齢者は高齢者に介護・看護してもらってくださいとはなりませんよね。

若者が若者がって言われると困ります。

年配の方から始まったじゃないですか、国内の感染は。そしてコロナばらまくって出てきた人や外出を控えてと言われているのにジムに行った人も年配の方でしたよね。

で若者には遊びに行くな、仕事は行けって誰が納得しますか? 

ここで世代間で敵を作るように煽ることは適切ではないので人間というくくりで皆が気をつけていきましょうねという話をおとしどころにしましょう

 

職場の近くでコロナウィルス感染者が出たから気をつけて来てねという連絡が入り、マスクもないアルコール消毒もない、そんな中でどうやって気を付けたらいいかわからないですね。不要不急の外出を控えろというのは簡単ですよ。遊びに行かないとしても出勤のために出てしまえば感染のリスクはあるのです。ウィルスを媒介するリスクはあるのです。行政がすべきは外出を控えてもそうですが感染予防のための正しい知識や感染予防に必要な物品の提供でしょう。

 

コロナに感染することよりも何よりも私自身がウィルスを媒介してしまうことが恐ろしいです。

もしコロナだったら、あの人にうつしてしまったら、命にふれる仕事だからすごく気を遣いますしすごく心が疲弊します。なるべく不特定多数の人が触れるものには触らないようにし、手洗いをしてなんとか元気にやってるけど先に心が折れそう。

買い占めをする人も悪意をもって感染を広げようとする人に気持ちを踏みにじられる思いですよ。

 

とにかく今は耐える時期なのでなるべく落ち着いて日々を過ごしたいのですが「気をつけてきてね」の一言でカチンときてしまったのです。