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さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

2020年最優秀漫画賞は契れないひとに捧げたい

2020年、まだあと3ヶ月残っていますがさかもツインねね的最優秀漫画賞を決めたので発表したいと思います。

 

栄えある最優秀漫画賞に選ばれたのは…

契れないひと(たかたけし)

です。

わ~✨おめでとうございます✨✨


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https://magazine.yanmaga.jp/c/chigirenaihito/

わたしのしごとは、わたしになにをさせるのでしょう‥‥。子供向け英会話教室の体験を勧誘する訪問販売員ノグチマイコ♪ 今日も顔も知らないお客様のお宅の玄関の前に立ち、一生懸命お仕事をしています。されど毎回、契約が獲れなくて、上司に怒鳴られ、泣いています。苦笑と悲哀に満ちた幸薄ガールの営業GAG日誌♪『契れないひと』、そこはかとなく連載スタートです♪

訪問販売員のノグチマイコが四苦八苦しながら仕事をしていく漫画なのですが、ギャグ漫画といいつつ実録お仕事漫画の側面も含んでおりかつラブコメみたいなとこもあったり、どの側面から見ても面白おかしく読める漫画です。

 

 初めてこの契れないひとを読んだとき独特の絵柄やキツい上司などの登場で「この漫画読んでも大丈夫かな…」と思ったのですが全然読んで良かった漫画です。最推しします。

(第1話走る女の試し読みはこちら↓)


契れないひと - たかたけし / 第1話/走る女 | コミックDAYS

 

 登場人物全員好きと言える漫画なんてそうそうないんですけど契れないひとに関しては全員好きです。どの漫画にも悪役がいますが、たかたけし先生の漫画の場合悪い面とそうではない面を描いてるから好きになれたのかもしれません。

 

 この漫画で1番悪役に近いとこにいるとすれば中野主任でしょう。

ノグチさんがなかなか契約を取ってこれずいつもパワハラかます上司、それが中野主任です。キツい言葉もありますが「まぁそれも正論ちゃあ正論よね」という部分があります。

初めはなんてやなやつだと思っていましたが読み進めるうちに悪いやつじゃないと分かってきますしなんならチャーミングな一面もあります。

だいたい人を攻撃した際に返り討ちにあってて強い奴の上にさらに強いやつがいるという救いがあるのです。

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↑飲み会でノグチに絡んだときに成敗される様子。

現実社会ではパワハラ上司が成敗されるなんてことほぼないのでこれはスカッとしますね。成敗する側の顔の書き込みがヤバくて圧倒的な力を感じます。いいよね、これ。

 

そのあと色々あって飲み会は誤って酒を飲んでしまった中野主任が全裸になってお開きになるのですが
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もうこれ見たときめちゃくちゃ好きになっちゃいました。こんな…こんなことあるッッ?って膝から崩れ落ちるほど笑いました。これが中野主任のチャーミングさだと思っています。こういうクセのある人間の描写がずば抜けてる!

 

1~2巻ではそんなパワハラチャーミング主任としての顔が描かれていますが、3巻では家族思いの優しい顔が描かれています。

これはお正月帰省したときの1コマ。
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お母さんは介護が必要な人のようです。

車椅子に乗って左足の装具や左手が効いていないところを見ると左片麻痺なのかな。f:id:sakamotwin:20200913120414j:image

一般的に実家に帰ってきたら親が作る料理を懐かしんで食べるというのがあるけど、お母さんもう料理作れないから中野主任が作ってるんですよね。「作ってやれんでごめんよ」というお母さんの台詞と中野主任の少し寂しそうな顔。この描写は素晴らしいですよ。

お母さんの作る料理がもう食べられないという寂しさを分かっているけどもう一度食べたいとか、当たり前にご飯がでてきたあの頃への想いとか溢れるものがここには詰まってる気がします。

 

食卓でもお母さんの椅子を残しつつ車椅子も入れるスペースを作ったりお父さんがお母さんをみんなのいる食卓に連れてきたり、家族全員のお母さんへの愛を感じるんですよね。

 

多分1番お母さんへの愛が深いのはたかたけし先生本人のような気がします。左のほっぺにごはん粒つけてるお母さんの顔を見るとお母さんのことよく見てるなって思うのです。麻痺してるから左口角からの食べこぼしとかよく描かれている…。すごいよ、これは。漫画の名シーン集に載せたいくらい。

派手なアクションシーンとか今生の別れとかインパクトのあるものだけが名シーンではありません。

日常の名シーンというくくりがえれば間違いなくこのシーンです。たかたけし先生の強いところって『日常』を描く力だと思っています。私はそういう誰かの『日常』がとても好き。

 

中野主任に熱くなりすぎましたね。

次は獣の登場です。

はい!
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犬だよ!

これが犬だと言われたらいやいや獣(じゅう)、それも珍獣じゃないですか!と言っちゃいますね。奇妙な犬ですが登場していくうちに慣れてきますしかわいく見えてきます。コロちゃんって名前の犬です。

今ではコロちゃん登場回にあたると「きゃ~!コロちゃんキタ!」って大歓声ですよ。女子校に亀梨くんが来たときくらいの黄色い歓声でちゃいますね。

 

3巻の目次はコロちゃんが全力ダッシュしてるとこです。このシーン最高。ぜひ3巻を読んでほしいところです。
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妙にデカい犬ですがかわいいのでよろしくお願いいたします。

 

 

他にもヤバいやつは出てきます。

堀込くん。ヤバくても好き。

https://twitter.com/ketuge/status/1301439344167718912?s=09

ナチュラルにさわやかに紳士的に全裸になっているしノグチさんにストーカーまがいのことしてるし、コロちゃんと闘ったり狂気の漢らしさがあります。
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とにかくイカれすぎてて目がヤバい。でも見た目がさわやかだから許される…気がする。なんなんだこの漫画は笑!

 

 

 

そんなクセのある登場人物たちに囲まれてノグチさんもたくましく少しだけ前向きになっていく話。

3巻に収録された最終話は今の時代をよく反映してて大変だけどそれでも小さなことを少しずつ積み重ねて生きていこうと頑張るノグチさんの表情になんか救われるのです。あぁ、読んで良かったなとほっとするのです。きれいな完結の仕方でした。本当はこのドタバタギャグをもっと読みたかったですがこの余韻が美しいのでこれでよかったのかもしれません。

たかたけし先生の今後の作品も楽しみにしています。お疲れさまでした!!!

 

 

ちなみにさかもツインねね的最優秀漫画賞ノミネート作品は

ゴールデンカムイ(野田サトル)

https://youngjump.jp/goldenkamuy/

煙と蜜(長蔵ヒロコ)

https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/203315/

ケンシロウによろしく(ジャスミン・ギュ)

https://magazine.yanmaga.jp/c/kenyoro/

・殺し屋Sのゆらぎ(舟本絵理歌)

https://www.sunday-webry.com/detail.php?title_id=576

女の園の星(和山やま)

https://www.shodensha.co.jp/onnanosononohoshi/

です。

どれもおもしろいので気になる方はぜひ読んでみてください!