ここから先は私のペースで失礼いたします

さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

なるべく誠実になるべく穏やかに

新年です。わッッ!三が日が一瞬で終わった!怖い!そして2021年もあっという間に終わるんでしょうね!

2020年は皆様本当にお疲れさまでした。明日が見えない日々が続いてさぞ疲れたことでしょう。今年もそんなんだよ。キッツ…。

 

さかもツインのねねさんは現役看護師さんなのでたまに「コロナ大丈夫ですか?」という心配のメッセージを頂くことがありますが、大丈夫です。

というのも長期療養病棟にいて新規の患者さんがほとんどこないこと、急性期の患者さんを受け入れていないこと(慢性期~終末期の在宅療養が難しい患者さんを受け入れる病棟)からコロナウィルス感染者との接触がありません。

万が一病棟でコロナウィルスが流行るとしたら職員や面会者が持ち込む形になるので自分が感染しない媒介しないということに関しては非常に気を遣うところです。

 

患者さんたちは面会者のいない日々を静かに過ごしています。たまにオンライン面会をする人もいますが、火が消えたような寂しさが病棟全体にうっすらとあります。面会者のこない生活も去年の3月から始まりもうすぐ1年経とうとしています。

 

自分が患者さんだったら、自分が家族だったら、

大切な人に会えない寂しさや不安、憤りをぶつける先もなくただ諦めるしかない状況に静かに苛立ちを抱えるでしょう。

ただ生きているだけなのにたくさんの渦に巻き込まれて日常がガシャガシャと壊されても取り戻せず、我慢の日々で先が見えなくて、それでもなんとかやっていかなきゃいけないというのは結構辛いものですね。

 

友人の勤める病院では小規模なクラスターが発生しコロナ患者さんを受け入れることとなったようで、新たに感染病棟を作るために他の病棟に他の科の患者さんを振り分けて受け入れることになったから大変だと言っていました。

 

ニュースでは「看護師が足りない」「看護師の離職が!」等言っていますが当たり前だよと思います。それぞれの看護師にそれぞれの理由があってこの状況で離職した人ももちろんいるでしょう。

小さなお子さんや年老いた親のいる人、体力のない人、基礎疾患をもっている人、コロナにかかれば大変なことになる人たちももちろんいるのです。我々だって国家資格を持っていようが所詮は人間なのです。リスク回避をするのは当然のことなのです。

 

退職した看護師さんたちには本当にお疲れさまでした、と労い現役の看護師さんたちには限界が来ると思ったら休んだり辞めていいんだから、まずは我々の身体が1番ですよ、と言いたいです。

 

 

医療従事者に「ありがとう」を。

というのは戦時中の兵隊さんを日の丸の旗振って送り出すのと変わらないなと思いました。安全なところから危険なことはあなたたちでやってね、みたいな疎外感があったのです。

ありがとうというのは言えばいいもんじゃないし聞けばいいもんでもないんだなとつくづく思いました。

誰がしたどういう行為にありがとうと言えるのか、きちんと言葉の重みを考え発するべきという気付きがありました。

 

市中でマスクをしない人、マスクを外してくしゃみする人、飲食店で酔っぱらって道端でゲロを吐く人、具合が悪いのに外へ出てくる人、咳してて具合悪そうなのに出社しなきゃ大変なことになる、という顔をしたサラリーマンを見ると、会社は何してんだ、休ませてやれよ、と、全てが憎く感じる日もあります、正直な気持ち。それらも全部飲み込んで耐えるしかないですが、そこまで私の心の器は大きくないので非常に葛藤しております。

 

 

私の祖父母が続いて亡くなりました。老衰なのでいつか迎える日がついにきた、という気持ちです。

去年の3月に会ったきりでその後入院して主介護者の叔父も祖父母の状態が悪くなるまでしばらく面会できなかったようです。

 

面会制限を強いいる側であり、強いられた側でもあるので何も言えたもんじゃないです。けどもありがとうやお別れを言えないことも、顔を見れないことも、亡くなってからやっと会えることも、寂しくて悔しくて気持ちがぐちゃぐちゃになっても、「こういう時代だからね」と諦めるしかないのです。

 

なら家で看とればいいじゃないか、そういう人ももしかしたらいるかもしれませんが、終末期の介護というのはそう簡単にできるものではないです。そう、もうどこで終末期を迎えるにしてもにっちもさっちもいかない状況になっているのです。みんなに看取られて息を引き取るというものは夢物語となり、ひとりで死を迎える現実に向き合わなければならないのです。

 

 

勤め先の病院での出来事。

先日いよいよ状態が終末期を迎え面会を許可したご家族がいました。お孫さんがきて患者さんの前で身振り手振り何かを話しているのが病室のカーテンの隙間から見えました。面会が終わったあとちょっと話すと「こういう機会を与えてもらって、よかったです。何話そうか考えてきたんです。」と教えてくれました。きっと20代くらいのお若いお孫さんです。患者さんはもう話せる状態ではないのに一生懸命話しかけてくれて、元気なときのお2人の関係が見えてくるようで救われた気持ちになりました。

そのあと患者さんの様子を見に行った他スタッフから、「患者さん顔真っ赤にしてたよ」と伝えられました。きっとうれしかったのでしょう。あれだけ熱心に話をしてくれたらそりゃ顔を赤くしてしまうほどうれしかったでしょうよ。

本当なら毎日でも面会があって話せることが当たり前だったのにな、たくさんの大切な時間をコロナはそ知らぬ顔で奪っていきました。その時間は返してもらえるわけでもないので前を向いて見えない明日に飛び込んでいくしかないのです。

 

2度目の緊急事態宣言が出されるか出されないかの状況で2021年も大変な年になるでしょう。

なるべく誠実に。なるべく穏やかに。なるべく誰かに優しく。たくさんのことを受け入れながら生きていくだけで精一杯だけども、本当に精一杯だけども!誠実さだけは忘れてはいけないと思う年明けなのでした。