夢のように儚い、そんな昭和ラブホテル。休業する前の在りし日の姿、シャルマン320号室阿房宮を振り返る。
チャイニーズムードに溢れる豪華なインテリアに気分は最高!
昭和ラブホテルが好きな人ならきっと1度は通るチャイナ部屋。オリエンタルな雰囲気は一夜の夢を見るにこの上なく相応しい場所だと思う。
光がこの夜を待っている。
ベッドサイドの鏡張りがこの部屋をどこまでも広げているような感覚にさせる。
自分がどこにいるかわからなくてももういいか。
この雰囲気に溺れていたいもの。
赤くて黄色で飴色で。好きな色を選んで。
照らして。
ほら気分は最高になる。
ソファーに腰かければ
獅子の視線をちょっとだけ感じる。
テレビはつけなくてもいいか。あなただけの声を聞いていたいから。
額に入ったような浴室は
情熱の赤。
トイレも赤。
洗面所も中華のお部屋の色で統一されている。
チャイナイトはどこまでいってもチャイナイト。
扉を開ければ
いつものシャルマンお召替袋。
中国の映画に出てきそうな電話。
たばこをふかして「我爱你」
栄華之夢だもの。
明かりが消えたらもうおしまい。
そういうものだから。わかっているけどさみしい。朝日が差したら進まなきゃいけない。我爱你シャルマン。またいつか会いに来る日まで。
京都 ホテルシャルマン(2021年4月現在リニューアルのため休業中)
2021年3月訪問