それはひっそりと静かに我々の目の前に現れた。シルクロード18号室。来る人だけを歓迎する、そんなホテルだった。
ガレージタイプのお部屋は全12室。なのに18号室。どういう部屋割りなのかもほぼ謎である。フロントパネルもないので中のようすは入って確かめるしかない。ええい、ままよ!と飛び込んだ。
カラフルな扉を開ける。
中から見ると光が差し込みとても美しい扉である。
ちょっとだけ急な階段を上がる。
どんな部屋に辿り着くのかわくわくドキドキする。
左手のほうにまた扉がある。
いざ!入室。
ふと見えた部屋の様子がシンプルで「普通の部屋かもしれない」と声に出した。その言葉は扉を開けたあと即撤回されることになる。
まず目に入ったのは青いベルベットのどっしりとしたベッド。
そして天井に無数の貝殻ランプがある。
「なんてかわいいの!こんなの見たことない!」
と大興奮してしまった。
桜貝のようなやさしい色が水色の壁紙と調和してかわいらしい。
光を入れると壁の鏡に反射してとてもロマンチックである。
驚くべきは天井の高さで窓際から廊下側へ向かい天井が高くなる。昔の洋館みたいな天井の高さである。
今までいろんなラブホを見てきたが多分ここが1番天井が高いと思われる。広々としていていい気分になる部屋だ。
調度品をみると平成初期っぽくもある。
別荘と言った方がしっくりくるかも。
このてのタイプの湯沸かしはなかなかお目にかかれないので大切に使うべし。
ソファーには枕が置いてある。クッション代わりに使って、ということかもしれない。
ベッドは青のベルベット。
重厚感があっていいベッドだ。
シェードのついたランプ。
パチンとすれば光を入れ換えて飴色のムード溢れる夜になる。
枕元にかご。
ポンプ容器にローションが入ってるのは初めて見た。シルクロード流のおもてなし。
洗面所も淡い色味である。
青いドライヤーがいいね。
浴室はのタイルも色調が揃っている。センスがいい。
黄色いバスタブ。入れば元気になりそう。
アメニティはシンプルめ。
ベッドルームと浴室のしきりはやや透けるくらいがちょうどいい。
淡い水色の壁紙に惚れ惚れしてきた。
帰るときは料金コンピューターのボタンを押して表示された金額を袋に入れる。
そしてこの清算窓口に入れる。
ホテルの人と全く接触せず会計が終了する。不思議なシステムだ。
名残惜しいなと思いながら来た道を戻る。
不思議な部屋だったな。
すごく好きになっちゃったわよ。
開けてみるまで何が出るかわからない、玉手箱のようなそんなホテルでした。
2021年10月訪問