ここから先は私のペースで失礼いたします

さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

背中に火をつけろ

 京都には元遊郭の物件で火療という中国の温熱療法が受けられる場所があるというのを以前ツイッターで見かけてずっと行ってみたいと思っていた。

https://twitter.com/akasasimi/status/1312239013340749825?t=YPzLb-vEIHviXRA8uN0dDg&s=09

5月、6月と京都に行く機会ができたので思いきって予約をして念願叶い火療を受けてきたのである。

 

https://ryokan-kaori.com/

予約は電話のみ。意外とあっさり予約がとれた。京都には何度か行っているが橋本に行くのは始めてでシャルマンやホテル富貴に行くときによく使う京阪電車に乗ってワクワクしながら駅を降りた。静かな無人駅で辺りにはコンビニもなくきっと昔は遊郭だったのだろうな、という建物がちらほらと見受けられ歩くのが楽しい場所というのがこの街の印象である。

 駅から徒歩数分。
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橋本の香さんに到着。


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入る前から期待値が高まる建物です。

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おじゃましますと引戸を開けると中から女性が出て来て「火療ね~はじめて?」と聞かれ施術の部屋に案内される。

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このタイルや欄間、鶴の障子細工など美しさが一気に視界に飛び込んできて「は…すご…」くらいしか言えない生き物になってしまった。
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天井の曲線美よ。たまらん!


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2階に上がるとステンドグラスが印象的なお部屋の隣に火療が受けられる部屋がある。今回レトロなものがお好きなKマさんと一緒に行ったので2人同時の火療である。

初回は背中、2回目以降はどこでもできるとのこと。

最初にファイヤーするのはKマさんからとなり上半身は脱衣しうつぶせになってタオルをかけられる。

アルコールをしゃばーっとたらしチャッカマンで点火🔥

めらめらと炎が立ち上がります。f:id:sakamotwin:20220619220024j:image

ずっと燃えたままだと熱いので頃合いを見て濡れタオルを被せて消火を何度か繰り返し漢方オイルをぬってビニールをかけてうつぶせになって休みます。

「2人で来るといいよ、1人が写真とれるネ」とのことで燃えてる姿を写真に収めたければぜひお誘いあわせの上お越しください。

 

次は私の番。

燃えるのどんな感じだろう~とワクワクします。マッサージ全般大好きでやったことないものは挑戦したい、いざ!的な気合いで燃える恐怖心は全くなかった。

 

チチチ、ボッ(火が着く音)

あ~じわじわと暖かくなってく。小学生のころの冬の屋外体育で日差しが暖かい~って感じる感じだ!

あ~熱さが増していく

バッ(濡れタオルがかかる音)

火が消えても温もりはキープされてる。じんわりする~はひ~気持ちいいな!

チチチ、ボッ(火が着く音)

やっぱり日差しの温もり。さっきよりも暖かくて気持ちいい。温泉やサウナ、ストーブとは違う暖かさ。くせになりそう!

 

というのを繰り返し漢方オイルをぬって少し休みます。オイルもいいかおりでリラックスぅ…と思ったら爆睡。そういえば「火療やるとよく眠れるヨ」って言ってたな。オイルのところがヒリヒリと熱を持つけど心地いい~。体のだるさやいやーな重さが抜ける。

 

なんだかんだうとうととして2時間くらい休ませてもらいました。起きて体はすっきり。初めての経験に「面白かった!」という感想が1番にでてきます。

この1ヵ月後、2度目の訪問を果たしますが、今度はお腹に火療をしてもらいました。

「女の人はお腹冷えてる。火療やると生理痛なくなるよ」とのことでやってもらったところ、本当に生理痛がなくなって(普段屯用鎮痛薬2~5回位飲むのが飲まなくていいくらいのレベル)感動しています。

生理痛にお悩みの方(まずは病院に行って疾患の有無を確認、薬などとうまくお付き合いしてそれでもつらい、色んな緩和できるものを試してみたいという状態)は1度試してみてはどうでしょうか。

 

火療受けてみてわかったのですがやはりお腹の辺りだけ皮膚温が低くいつもひんやりしてたのがなくなり冷えは万病の元だわな、と思います。中国の伝統療法っておもしろい。

 

 

治療後は建物の見学をさせてもらいました。

ちなみに火療を受けなくても500円で見学できます。事前に電話しておくとよさそうです。

宿泊もやってるのでそれはいつか泊まりにいきたい。元遊郭の旅館も今や数えるくらいしかないので。


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御手洗いの小便の文字はなかなか大胆でいい。
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これは1階のステンドグラスを2階から見下ろしたところ。
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息を飲む美しさよ。
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こちらは2階のステンドグラス。f:id:sakamotwin:20220619223117j:image

 

もともと橋本には80件ほどの遊郭があったそう。数年前オーナーさんがここを買い取ったけども売りに出されて買い手が着かず解体されてしまったところもあり、本来なら文化財として手厚く保護されてほしいけども難しいよねと話をした。

買い取ったときはボロボロでたくさん直すところあって大変だったヨと話していたが、本当にいい形で今に繋いでくれていると思う。それはあの場所に入って感じればわかるはず。

古き良きを維持するパワーに触れて背中だけではなく心にほんわりと火が灯った。

 

いつか行きたいがまた来るねという場所になり、できれば末永くこのまま未来へ繋いでほしいと埼玉からひっそり願っているのである。

 

 

2022年、5月6月訪問

 

 


新むつ旅館に泊まった話

https://sakamotwin.hatenablog.com/entry/2020/10/30/234948

 

白さぎ荘に泊まった話

https://sakamotwin.hatenablog.com/entry/2019/11/09/002359