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俺たちの夏はまだ終わってなんかいないんだせ~魔装番長バンガイスト2巻と私と夏の日~

先日魔装番長バンガイストの2巻が発売された。ねね(姉)はこの漫画がとにかく大好きなのでどんなところが好きか書く。


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魔装番長バンガイストは霧隠サブロー先生作のアクション・ヒーローもの漫画なのだが、正義も悪も関係なく登場人物全てを愛しく感じてしまう異色の漫画だと思う。

 

現在リイドカフェで絶賛連載中で気になる方は第1話から読んでみてほしい。↓

http://leedcafe.com/webcomic/%e9%ad%94%e8%a3%85%e7%95%aa%e9%95%b7%e3%83%90%e3%83%b3%e3%82%ac%e3%82%a4%e3%82%b9%e3%83%88%e3%80%80%e7%ac%ac%ef%bc%91%e8%a9%b1/
魔装番長バンガイスト 第1話

 

主人公は番 超一郎(ばん ちょういちろう)。いかついおにいちゃんだ。
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怒りが極限を突破すると魔装番長バンガイストに変身し人類滅亡をたくらむ魔界一族と戦うというヒーローものだが、爆弾の研究者やプロレスラー、謎のヒロインパンツ丸出し女、すぐ脱ぐ警察官が出てくる。こうして文字にするだけでもわかると思うが、登場人物のクセが強い。

クセが強過ぎるゆえ登場人物の全員が全員、主人公のような立ち回りで冒頭にも書いたとおり正義も悪も関係なく登場人物全ての存在をしっかり見届け全員に愛着がわいてしまう不思議な漫画なのである。

 

ヒーローものなので多少のバイオレンスはあるが基本プロレス技である。どうかしている。一応武器なども出てくるが、壮年~中年男性の体と体のぶつかり合いが多い。なのでグロいとかこのシーンがちょっと暴力的すぎて読めないということはない。

 

こういう↓ムキムキとした男性がたくさん出てくるのでムキムキとした男性が好きな人は読んだほうがいいと思う。
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もじゃもじゃもしているので、もじゃもじゃしている男性が好きな人も読んだほうがいいと思う。

比較的上半身は脱げてしまうが、下半身は脱げても作者の紳士ニズムが発動し●で隠してあるので安心して読める。

 

ちょっと気になるのはこういうふさふさした玉(ぎょく)がたまに出てくる。
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ちなみにこれは爆弾。

 

ちょっと玉っぽいのは他にも出てくる。

バンガイスト20話より↓

http://leedcafe.com/webcomic/%E9%AD%94%E8%A3%85%E7%95%AA%E9%95%B7%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3%E7%AC%AC20%E8%A9%B1/
魔装番長バンガイスト第20話
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宇宙人のようだ。

魔装番長バンガイストの単行本にはバンガイスト怪人大図鑑というのがあって、出てきた魔界一族の紹介をしているのだが、この宇宙人、第20話でたった2コマしかでてないのにきちんと紹介されている。
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 ボゴヂン星人というらしい。限りなく玉(ぎょく)のようてあるが、多分これは脳みそあたりなんだろう。隠さなくてもOKなやつらしいし、ちゃんとブリーフもはいている。素晴らしい。何よりクロックスに靴下をはくという丁寧な暮らし。たった2コマで終わってしまったのは非常に惜しいキャラクターだ。ねね的にはすごく愛着がある。

 

バンガイストを読み進めると作者の霧隠サブロー先生の人間性が伺える。たった2コマしか登場しないボゴヂン星人にパンツや靴下をはかせ、しかも怪人大図鑑に載せる優しさ。なんて丁寧な人なんだと思う。

 

これは魔界一族が人間にトロールもちを食べさせトロール化させ魔界一族の無敵軍隊としてこき使う予定というシーンだ。
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 魔界一族のトロール責任者がきちんと人数分弁当を買って食べさせてあげているところが悪なのに人間らしく優しい。人数もきちんと把握しており優秀な管理職だ。トロールたちが喧嘩していれば、速やかに何が起きたか聞き異変に対応するという聖人対応。こんなの理想の職場すぎる。魔界一族のくせに!悪者のくせに!めちゃくちゃいい人じゃん!といった具合で好きになってしまう。

 

そう、この漫画は人としての筋が通っているのだ。むちゃくちゃな奴も出てくるがみんなでなんとかうまくやっていて、ストーリー上どうしても魔界一族の奴らが倒されてしまうのだが、倒された奴らにも正義があって、倒されてスカッとしたではなく、あいつもあいつなりにいいやつだったんだよな、惜しいぜ、とホロリとするのだ。

 

むちゃくちゃな奴のむちゃくちゃな展開についていけないかも、と不安に感じることはない。
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訳のわからないときはちゃんと登場人物の誰かがツッコミを入れる。こういう思念的な語りかけに「何を言ってるのか全くわからんが…」とヒロインが読者のフォローをしてれる。語りかけられているのにわからないで返答する自由もあるのだ。わからないことをわからないと言っていい世界。なんて親切なんだ。多分小学校の教室より親切な世界。

 

プロレスラーにならないかと誘われた番超一郎の返事なのだが、なぜ嫌なのか分かりやすく説明した上で断っている。
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明確な理由があれば「そうなんだ」と引き下がれるし、また誘ってお互い嫌な思いをしなくていい。口調はやや荒いがとても丁寧な会話シーンであるし、こういうささいなシーンでも人間の筋が通っているのだ。

 

亡くなった魔界一族の仲間を忍ぶシーンもある。
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ちょっと泣いているし!もらい泣きしちゃうじゃん。

 

あと、登場人物がおならをするシーンはあるが、失禁や脱糞シーンはない。これは登場人物の尊厳を作者が大事に守っているのではないか。

おしっこ、うんち、出てきたら出てきたできっと笑う。

だけども笑われた方はどうか。恥ずかしい気持ちでいっぱいになってしまうだろう。登場人物にそんな思いをさせない霧隠サブロー先生の男気をひそかにいいなと思っている。

 

魔装番長バンガイストは優しさで出来ているといっても過言ではないくらい、優しくて人情味に溢れた漫画だ。筋が通っているので読んでいて心がぽっと明るくなる。優しい気持ちになれる。

 

ただ、展開はむちゃくちゃになることがあるのでリイドカフェの紹介文を担当編集さんが書いているらしいのだが、「どうすんのこれ!?」と心の声丸出しになっていることがある。多分読者もどうなるのこれ、とハラハラしているので共感者がいるというサポートもあるから大丈夫だ。
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ここの紹介文からもう笑えてしまう魔装番長バンガイスト、面白いのでぜひ読んでみてほしい。

子どもの頃夢中で読んだ漫画のような世界感だ。夏休みに畳の上で汗をかいた麦茶のグラスに手をあて涼をとりながら漫画のページをペラペラとめくり蝉の声を聞き流す。

あぁ、俺たちの夏は終わってなんかいないんだぜ。なぜなら魔装番長バンガイストがあの夏の日を思い出させてくれるから。

いつだって我々は麦茶を飲んでいいし漫画も読んでいいのだ。あの頃の私が今の私を見たら楽しそうで自由で羨ましく感じるだろう。過去の自分に妬まれる夏にしよう。

 

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