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さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

はるばるようこそ、この水風呂へ

サウナ・水風呂の交互浴、これは沼だと考える。端から見ればそこまで興味の沸くものではないだろうし、そもそも自宅に風呂があるこのご時世に銭湯に通う人も少ない。意図しないとサウナ・水風呂に日常的に入らない。沼というのはそんなもんだ。日常的に沼を見に行くことはない。あれば沼だ、と思うだけ。沼に価値を見いだした者にしか沼の価値はわからない。

 

今年は猛烈な暑さ、台風、長雨など天候不良でで自律神経が失調しているような感覚がしょっちゅうあった。頭痛、だるさ、肩こり、下痢、食欲不振。だるくて1日中寝てるとさらにだるいという悪循環。この負の連鎖を断ち切るには何がいいか考えてみた。

軽いジョギング、規則正しい生活。実践するも楽しくはないのでやったりやらなかったり。ふむ。楽しく自律神経を整えたい。そんなときに出会ったこの漫画、まんしゅうきつこさんの湯遊ワンダーランドだ。


湯遊ワンダーランド|書籍詳細|扶桑社

作者のまんしゅうきつこさんが弟のやっちゃんに勧められて銭湯に通うという話なのだが、銭湯で起きたこと感じたことが綴られておりとてもおもしろい。

銭湯なら楽しく通って続けられそうと思ったねねは早速ラクーアへ行きサウナ・水風呂を体験した。

なるほどこれは爽快感がすごい。リフレッシュ、という6文字では収まりきらないほどの爽快感がある。スゲー元気になる。言葉などいらない。スゲー元気になる、それだけでいい。33歳独身彼氏なしのおばちゃんがスゲー元気になるって言うんだよ?この言葉の凄みわかりますか?

正直何時間でも銭湯にいられる。楽しい。楽して自律神経を整えられる。軽い頭痛くらいなら吹き飛ぶ。バファリンいらずだ。楽して元気になりたい、そんなニーズにぴたりとはまった。こうしてねねはサウナ・水風呂という沼の価値を見いだしたのだ。

 

ねねには妹がいる。めめだ。めめにこの沼の話をすると「えー、サウナー?」と若干否定的にとらえていたようだ。大衆浴場の足ふきマットが嫌らしい。潔癖症の人にとってはあのマット、床は鬼門だ。分かる。だけどそれは乗り越えるしかないのだ。

 

何度もサウナ・水風呂の話をするうちにめめはサウナ・水風呂が気になってきたらしい。

10月の気圧の波に辟易しためめはついに「サウナに行きたい。」と申し出た。1人で行くのは不安だったようで一緒に行こうとのことだった。よし、行ってやろう。そうしてさかもツインは夜の電車に乗り込み駅近のスーパー銭湯に出掛けたのである。

21時を過ぎていたこともあり人はまばらだった。若い人もちらほらいたがたいていは50代オーバーのおばちゃんだ。

 

風呂の洗い場は空いておりねねについてくる形でめめは近くの洗い場に陣取った。先に湯に浸かるところにめめがついてくる。広いお風呂は解放感があっていい。家の風呂は狭くて足は伸ばせない。だんごむしのように丸まって少ないお湯でちびちび浸かるので冬場は寒い。手足を伸ばしてもどこにもぶつからず天井も高くて広いお風呂。ジャバジャバと流れ出るお湯の音は本当に心地いい。1,000円未満で味わえるささやかな幸せだと思っている。

 

サウナ・水風呂を目当てに行ったので風呂で温まりきる前にせかせかとサウナに向かう。

90℃のサウナ。12分計の一目盛りが1分ということに最近やっと気づいた。だいたい半分ほど針が進んだところで水風呂へ行く。めめも後からついてきた。

 

いつも行く風呂屋の水風呂は18.5℃くらい。ラクーアは20℃くらいだったと思う。

ここの水風呂はどれくらいだろうと思ったら水温計のカバーが劣化してくもり何度かわからなかった。ただ今まで体感したのより冷たかった。もしかしてこれは17℃くらいなのでは、と憶測をたてる。これは冷たい、すごいぞ、ここのサウナ・水風呂はもしかしたら最高かもしれない、そんな期待をしつつ初回水風呂へ身体をもぐらせる。腰まではわりとスムーズに行くのだがその先は怖くて肩まで進めるのに時間がかかってしまう。アンダーバストまでいけ、そこまでいければ大丈夫、とそろりそろりと入水していたが、最近は一気に行かないと行けないということに気づいた。

なので、ザッバンッと肩まで一気に浸かる。このときに「ハウゥグッ」等声にならない声が出てしまう。これは仕方ないなと思って最近では声を出している。バリエーションは様々だが、「ウッッ」とか「ァーーーー」とかそんなのが多い。水風呂に注ぐ水のジャバジャバ音でこの声はかき消されていると思っている。ちょっと恥ずかしいかもしれないがやってみると自由で奔放的なふるまい、というのは最高に気持ちがいい。誰に遠慮することもない。とは言っても大騒ぎしてはいけないが。人がいないときを見計らって水風呂に入るとこういうこともできる、というのだけ覚えておいてほしい。

 

さてそんな感じで肩までどっぷり浸かったねねの後ろには腰から先入水できずおたおたしているめめがいた。

 

ひぃひぃ言っている。ねねは頑張れ!浸かれ❗行け!行けー!と励ます。めめは背中を丸めてゆっくりゆっくり浸かろうとしているもなかなか進まない。ここは見きりをつけてサウナに戻り身体をもっと温めよう。水風呂を後にする。

 

サウナでは横になっているおばちゃんがいた。本当はサウナで横になるとそのまま寝てしまって死んでしまうかもしれないので横になることを禁じられているが、猛者なのだろう。そのおばちゃんは普通にうつ伏せで横になっていた。いいなぁと思いながら見る。我々はまた初心者なので座ってストレッチをしたりしながら過ごした。

おばちゃんの尻を見ながら過ごす。猛者のおばちゃんは肌がとてもきれいだった。肌質だけみれば20代の若い女だ。多分50歳は過ぎているだろうおばちゃん。サウナ・水風呂の効果が伺えた。絶対通い続ける。そう決めた瞬間だった。

 

8分ほどしてまた水風呂へ向かう。

入るとジンジンと毛細血管が刺激されているような感覚になる。水風呂で喉がキーンと冷える感覚が好きだ。気道にハッカの空気を送り込んだようなスースーとした爽快感がある。ここが気道だな、という臓器の感覚、爽快感これは多分サウナ・水風呂でしか味わえないと思う。

 

めめの入水を見守るもまだ躊躇し肩までどっぷり浸かることができない。それを応援するもヒィーヒィーと言われ長く浸かる内に寒さすら感じたので出ることにした。

 

いったん風呂に浸かりリラックスする。じんわりと汗をかき、サウナとは違う身体が緩むような温まりを感じる。

水分を補給する。ポカリスエットを飲みきり、脱衣室の自販機で飲み物を買うことにした。めめはいろはすの梨味を、ねねはリアルゴールドを。甘い飲み物は喉ごしがよくごくごくと飲める。ねねは温まった身体に効くのは炭酸だと思っている。めめにリアルゴールドを飲ませてみると「うめぇ!」と言っていた。風呂上がりに炭酸がいいんだよ、飲みたくなるんだよ、と先輩風を吹かせながらげっぷをした。

 

そしてまた風呂で身体を緩ませサウナへ。12分入って出る。身体がアツアツで水風呂を求めている。

ザブッと入ると爽快感が駆け巡る。目がシャキッと脳がシャキッと目覚める感覚。だるさも頭痛も吹き飛ぶ感じ。

ねねは冷えた脳脊髄液が脳を包み込みシャッキリすると表現する。シャッキリポイントがきた。これこれこれ!気持ちいぃ~。

どうやらめめもそのシャッキリポイントがきたらしく「なんか脳が小刻みに震える!!」と言っていた。これが脳みそパッカーンか、とわかったらしい。これを体感するとこのサウナ・水風呂という沼からもう抜け出せない。クセになるのだ。他のありとあらゆる体験では経験しえないシャッキリ加減。知ってしまえばまた求める。そんな沼なのだ。

 

めめもホグゥーと気持ち良さそうにしていた。水風呂でずいぶんくつろいでいる。身体中をジンジン駆け巡る爽快感。5セット目のサウナ・水風呂でやっと味わえた。いつも3セット目くらいでシャッキリポイントがくるのだが今回はお風呂での温まりが足りなかったと思われる。外気温自体も下がってきているので身体が温まるまで夏より時間がかかるのだろう。

 

めめはもう少しサウナを楽しみたかったようだが気付けば23時30分を過ぎていて明日の朝のことを考えるともう切り上げなくてはならない時間だったので帰ることにした。

 

風呂上がりの夜風は気持ちいい。もうそろそろ寝るときへ向かうのにまだまだ元気でどこへでも行けそうな気分になってしまうのだ。走ったり踊ったりジャンプしたり。身体がはしゃぎたがっている。これがスゲー元気になる、という現象なのだ。

 

はしゃぐ心を押さえて電車に乗り帰る。
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駅の自販機でミルミルが売っていたので買った。飲んだら昔と違う味のような気がした。ミルミルって濃くて美味しい気がしたが思っていたのより薄くさっぱりしたものだった。なんか違うよね、こんなんだったっけ、と言いながらミルミルを飲む。それでも乳飲料の優しさは風呂上がりの夜風と相性がいいのでイッキ飲みしてしまった。

 

帰りはサウナの良さを話した。他にも近所にサウナがないか調べていた。めめは足ふきマットのことはもうすっかり克服できたらしい。(とはいえ帰ってすぐに足を洗ったようだが)

翌日ねねの家に顔色がいつもよりいいめめがニコニコしながら昨日のサウナがどうのこうの、と話に来た。調子がよさそうだ。そういうことです。この沼へようこそ。2度と抜けなくてもいいのです。だって健康になるのだから。