「POPEYEの写真てすごくいいですよね」
サボテンサトシはそう言った。POPEYEとは男性向けのファッション誌のことである。私もたまに買う。おしゃれで何より写真がいい。
「それなら今度POPEYE風に写真撮ってみようか?」
と提案するとサボテンサトシは喜んで「やりましょうやりましょう」と言った。サボテンサトシとはギター芸人をしている男である。このブログにも度々登場し、過去にはギターを持って山登りをしたり埼玉県のJRの駅を巡っている。山登りの際に「なんでこんなことを…」と聞かれ「写真映えするから(本心:おもしろいから)」と言ったら「僕はみんなにおもちゃにされるのがちょうどいいんです」と本心を見透かされたことがある。それ以降「写真撮りに行こう」と誘うと必ず嫌がりスケジュールをなかなか教えてくれなくなった。が、今回のPOPEYE風というのは本人も憧れていた演出であり「7月はここが空いています」とスケジュールを早々と連絡してきた。「(こいつ…埼玉県巡りのときはスケジュール全然出さなかったくせに!)」と思った。それほどシティボーイになりたいらしい。
前置きはこの辺にしてシティボーイに憧れるPOPEYE風のサボテンサトシをとくとご覧あれ。
シティボーイは1日にしてならず
ー高円寺に暮らすということー
宛もなく歩くだけ
何もないショーケースはヒント
呼ばれた気がした、気のせいだった
メンチカツを買う
高円寺だからできること
好きな場所で食べればいい
夜が来る前の高架下
人通りがまばらなここが好き
行きつけの肉屋で鳥手羽買って帰ろう
鳥手羽600g300円もしない、それが高円寺プライス
金物屋で宝探し
エセビールとキンミヤを買ったら帰ろう
呼ばれた気がした、気のせいだった(自意識過剰)
呼ばれぬ寂しさにキンミヤが効く
高円寺価格の発泡酒(98円)があればいい
幸せってこういうことでしょ?
ただの食いかけのメンチカツ
シティボーイは床屋から
雰囲気怖くて入れねぇ
また洗濯物の蓋空いてるよ、ネパール人に使われたな (サボテンサトシの家の洗濯機は近所のネパール人に勝手に使われているらしい:大家情報)
ただいま我が家
ない、鍵がない
ない (買い物をして荷物を入れ込んだため鍵が1番下に入り込んでしまったらしい)
確かここら辺に…
あた!
よかった~
高円寺に暮らすということ、自炊をするということ
顎が三日月みたいということ
玉ねぎを刻むということ
玉ねぎを炒めるということ
仕込みで手を抜かないということ
人体の正中線にコードを垂らすということ (解体時に便利)
煮込むのを待つということ
扇風機は友達、ということ
作る、ということ
できる、ということ
食べるということ
うまいということ (自画自賛してどや顔のサボテンサトシ)
シティボーイのすべて。
今日が終る前に
銭湯へ行こう
僕らの風呂セット (シャンプーのボトルしかないがこれで全身を洗う訳じゃないと言い張る。通行人にジロジロ見られた豚さん桶)
身を潜めるということ (パトカーが通り緊張の面持ちのサボテンサトシ)
銭湯とシティボーイ (大和湯には遠赤外線サウナがありそこに15分入ったというサボテンサトシ)
服を合わせるということ (姿見のないサボテンサトシの家では夜の反射する窓ガラスがおしゃれタイムに欠かせない)
シティボーイになりたい
シティボーイの夢をみる
令和のTシャツ、しゃくれた顎とPOPEYE
はぁ、モテたい。POPEYEを読みながら聞こえてきた。聞こえないふりをした。
シティボーイは罪なやつである。残念ながらシティボーイまでの道のりはまだあるようだ。行け、サボテンサトシ!やれ、サボテンサトシ!シティボーイになれるその日まで。
それでは聞いてください、サボテンサトシで『さては貴様シティボーイか』
@sakamotwinさんのツイート: https://twitter.com/sakamotwin/status/1149308680082345985?s=09