ここから先は私のペースで失礼いたします

さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

炭鉱オタクになってしまいそう~旧志免鉱業所竪坑櫓の巨大コンクリート建築が圧巻すぎる話~

こんばんは、ねね(姉)が先日福岡に行った目的は 

 旧志免鉱業所竪坑櫓(きゅうしめこうぎょうしょたてこうやぐら)

を見に行くことでした。

見慣れぬ漢字が並ぶ謎の場所気になりますよね。
f:id:sakamotwin:20180220211331j:image

こんなやつです。ねねはTwitterで初めてこの建築物の存在を知りました。

 

写真を見ただけではよくわかりませんね。これは福岡タワーかと言われればそんな気もしますが福岡タワーではありません。

 

竪坑櫓と呼ばれる地下炭鉱に降りるための大きなエレベーターのようなものです。

竣工は1943(昭和18)年5月10日
大きさは高さ47.6m、長辺15.3m、短辺12.3mの鉄筋コンクリート建築です。

 https://www.town.shime.lg.jp/site/bunkazai/tatekou-yagura.html
旧志免鉱業所竪坑櫓(きゅうしめこうぎょうしょたてこうやぐら) - 志免町ホームページ

竪坑櫓」は、ケージと呼ばれる籠を昇降させるために造られた巨大なビルディングです。この櫓の真下にまっすぐ掘られた深さ430mの「竪坑」という穴を使い、地下から石炭を上げたり、坑員を地下の石炭層まで移動させていました。まるで金づちを立てたような形の櫓に、巻き上げる機械が組み込まれた、エレベーターのような仕組みとなっています。

上記サイトより引用。

 

現在まで残っているものは、志免のほかにベルギーのブレニーと中国撫順の2か所だけだといわれています。その姿は、機能的で無駄のない造形美をもつ近代建造物であり、世界の産業技術史を語る上でも大切な遺産であるといえるでしょう。
 

 長崎の軍艦島も地下炭鉱に降りるための竪坑はありましたが、現在は崩壊し見る影はありません。
f:id:sakamotwin:20180220212716j:image

軍艦島。このレンガの建物の隣の方にあったらしい。

 

志免鉱業所竪坑櫓が原形を留めていることは貴重なのですが、軍艦島をはじめとする明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業として世界文化遺産に登録されていないのです。これだけ立派な建築物なのに…。

国の重要文化財には登録されています。
f:id:sakamotwin:20180220213042j:image

画像はWikipediaより。

 

https://www.town.shime.lg.jp/site/bunkazai/accessmap2.html
アクセスマップ - 志免町ホームページ

 

福岡空港博多駅からは路線バスや車で行く距離なので、車がないとアクセスしずらい場所にあります。

福岡空港からの路線バスは1時間に数本で時間が読めなかったので致し方なくタクシーに乗りました。だいたい15分位で着いた気がします。運賃は1,600円でした。

タクシーを降りて…
f:id:sakamotwin:20180220214005j:image

わぁ、すごい。

と声が漏れました。

 

晴天の時も美しいのでしょうが廃コンクリートと雪景色のどんよりした感じがまさに今日見るべき建築物だと思い感動しました。

写真には雪が舞う姿が見えませんが、粉雪と竪坑櫓が見慣れないものすぎて異世界に迷い混んだような錯覚をさせます。

 

坑道も残されていますが、立ち入り禁止となっており中の様子までは伺えません。

f:id:sakamotwin:20180220214312j:image
f:id:sakamotwin:20180220214340j:image
f:id:sakamotwin:20180220214357j:image
f:id:sakamotwin:20180220214427j:image
f:id:sakamotwin:20180220214527j:image

昭和30年頃の写真。辺りには工場のような建物が立ち並び炭鉱として栄えていたようです。昭和39年に閉山したあと周辺は再開発され住宅地となっています。竪坑櫓の周りはシーメイトという志免町のコミュニティセンターが建っていてごく普通の地方都市の中に突如現れる竪坑櫓というギャップに驚きます。

隣にはボタ山と呼ばれる石炭のカス捨て場が残されていましたが草で被われただの空き地のようにしか見えませんでした。ここが炭鉱だった、なんて誰が信じるだろう。
f:id:sakamotwin:20180220214628j:image

 

竪坑櫓周りはフェンスで囲われ、中に入るどころが近寄れもしません。

f:id:sakamotwin:20180220215640j:image

よく見ると所々コンクリートが剥がれ落ち、中の鉄筋か覗いています。

f:id:sakamotwin:20180220215754j:image

確かにこれは危険。崩れ落ちてくるリスクがすごい。
f:id:sakamotwin:20180220220519j:image

でも、その剥き出しの鉄筋が丁寧に組まれていて昭和のモノ作りの職人たちの仕事が伺えて尊いと思うのです。震える。
f:id:sakamotwin:20180220220552j:image 
f:id:sakamotwin:20180220220711j:image

どの角度から見ても素晴らしいデザイン。

 時期によってはライトアップもするそうです。

 

炭鉱オタクになってしまいそう。

行きのタクシーの中で運転手さんが「ここに来る人はあまりいないけどたまに写真を撮りに来る人を乗せるよ。炭鉱が好きなら大牟田には行った?万田坑も行ってみな。」と教えてくれたので俄然興味が沸きました。また福岡に行って今度は大牟田に行こう…

そう考えた時点でもうすっかり炭鉱の魅力にとりつかれているのです。

黒いダイヤと呼ばれる石炭を求めて沢山の人が人命や安全よりも石炭の採掘が優先された時代。沢山の犠牲者を出していることも忘れてはいけない場所。

明治大正昭和と激動の時代にこんなに丁寧に建物を造り上げてきたその心はその手はどんなものだったのだろう。

希望しかなかったのではないだろうか。

ねねは希望だけを見つめて働いているだろうか。

比べてみたとき自分の小ささにびっくりする。比べる必要もないかもしれないけど、この遺された美しい廃コンクリートを見て色んなことを感じる時間は貴重なものだと思い帰路につきます。

 

 

帰りはバス停がよくわからなかったので近くの駅まで歩くことにしました。

歩道をテクテク。
f:id:sakamotwin:20180220222507j:image

本当に何もない笑

目印はないですが、Googlemapを活用し迷わず駅にたどり着きました。
f:id:sakamotwin:20180220222557j:image

こんな細い路地を抜けると
f:id:sakamotwin:20180220222637j:image

須恵駅があります。小さな駅です。20分位歩きました。
f:id:sakamotwin:20180220222753j:image

不思議な色の電車に乗って博多へ向かいます。快速を乗り継ぎ30分位。

見知らぬ土地の車窓を見ながら見知らぬ時代に想いを馳せて。関東にはない不思議な景色が見られてとても良い時間を過ごせました。

 

軍艦島の時も記録しましたが、年々朽ち果てていく建築物なので見たいと思った時が見るべき時だと思います。興味のある方は機会があればぜひ行ってみてください。

 
やまさ海運の軍艦島クルーズにに行ってきた話 - ここから先は私のペースで失礼いたします