「…◆◎∵◎☆□§…」
何か聞こえてくる。何だろ…ぅうッッ!くさっ!くさい!
深夜2時半、あと4時間もすれば起きて仕事に行かねばならない。突然の異音と異臭に起こされ辺りを見回すとめめがなんだか怒っている。
「くさい!くさい!くさい!お前屁こいただろ!くさい~💢」
とのこと。
ねねは完全に寝ていたためわからないが多分おならをしていたらわかると思う。おならをするような腹調子ではないしこの匂いのパワーなら相当気合いを入れて排出しないと出てこないレベルだと思う。
「お前の屁だろ!窓開けろ~ッッ!」
と怒鳴られる。仕方なく窓は開ける。話によるとめめが寝る前スマホを見ていたら突然玉ねぎを腐らせたような匂いが漂ってきて騒いだそう。確かに人のおならは不快になる。騒ぐのも無理ない、無理ないがねねの布団の中は全然おならの気配がなくどちらかというと外から漂ってきた匂いである。
「お前起きてたんなら屁こいたかこいてないかわかるだろ~ッッ!お前だろお前~ッッ!」
ねねはそう言った。おならが臭すぎて気が狂い始める。半狂乱になりケタケタと笑い始めた。
めめもケタケタと笑い始める。もう意味がわからない。
くさすぎてLINEをしてくる始末である。
「じゃあ誰の屁だよ、おならの幽霊かよ!」
と言ったところでひぃひぃ笑いが止まらない。部屋は窓を開けてもずっとくさい。
めめが作った玉ねぎ入りのカレーのせいだと思われる。
「玉ねぎを入れたカレーを作るな!」
「わしゃカレー食っとらん!」
と喧嘩する騒動に発展した。
深夜にけたたましく響くさかもツインの罵り合い、狂乱の笑い声。感情が決壊している。一部始終を録音したので文字起こしする。
め「いやすご、くさ…水槽かな…」
め「おねいちゃん下痢漏らしただろ」
ね「(下痢は漏らしていない)」
ね「お前だろ」
ね「お前ずっと起きてたんたろ、知ってんだろ」
ね「おれじゃない~人のせいにしないでよ」
め「これはひどい」
ね「おれじゃない」
め「何だったのあれ」
ね「お前だろ~!」
め「え、なに?おならの幽霊?」
ねね、めめ「あひーーーきゃーーいひひひひひ、ひーーー(爆笑)」
ね「ひどい」
ね「ねねじゃないよ」
め「ねよ 寝るから」
ね「ねねじゃないよ」
め「ねねでしょ」
ね「仕事だから~もう寝かせて~」
爆笑しているうちににおいは消えおならの幽霊などいるはずもないが匂いの主を特定できない、特定したとしてもくさい思いをした事実は変えられない、くさい匂いはそのうち消える、仕方ないということで事件は迷宮入りした、かのように思われた。
翌朝起床時、「ねぇあれなんだったの」とめめを問い詰めると「ぷぴ、くらいはしたけどあの致死量の匂いは出るはずがない」
めめじゃん!めめの屁じゃん!おならの幽霊はいない。幽霊よりも怖いのは生きている人間。もう一度言う。おならの幽霊はいない。さかもツインは今後玉ねぎ食を禁じることにする。うん、これで平和的解決。