今朝7時15分に起きた。
ご飯を食べ歯磨きをし顔を洗う。いつも使わないピンクのアイシャドウを瞼に薄く広げる。鏡の前で念入りに。
着替えをし、燃えるゴミを持って出かける。ゴミを捨てる。電車に乗る。今日のねね(姉)はいつもと違う。とある決意があった。
夜中2時に目が覚めて寝付けなくなってしまった。
ふと思ってしまった。
イケメンにひじきって言おう。と
イケメンに言いたい - ここから先は私のペースで失礼いたします
先日言いたいと思って言えずにいた。
言いたいと思ったことは1つずつ言っていこう。やりたいようにやろう。言うとなったら言うのだ。沸々と訳のわからぬやる気と好奇心が出てきてしまった。
どうやってひじきというか。本当はトリケラトプスとも言いたい。なんの脈絡もなく唐突に、驚かせたいわけではないけど「?」と苦笑いさせたい気持ちもある。
ひじき。
これを言うための会話シュミレーションをした。
ちょうとイケメン師長に男性ナースを募集している職場があるので知り合いでいないか?と聞く用事があったのでそれにかこつけて言おうと思った。
出勤後より様子を伺う。
10時、ナースステーションで何やら話をしているイケメン師長の姿を発見。今この時ではない。
12時、ナースステーションでひとりデスクで何かしている。わからない、今でいいのかわからない。言えない。声がかけられない。
13時、先に昼休憩に入ってしまったようだ。いない。
14時、昼休憩から戻ってヘルパーさんと話をしている。
もうだめだ。話しかけるタイミングがない。
14時30分、ねねの腹が猛烈に痛くなる。腹を下すかも…やばい。トイレに行く。何も出ない。もしかして、これは緊張性の腹痛だったのか。随分痛かったけど。腹痛の波は去った。が、ひじきというだけでこんなに緊張するのか。もうどうかしている。
15時、仕事がバタついてどうしようもない。言えない。
16時、仕事が一段落した。
ナースステーションにはイケメン師長と、夜勤のナースが1人来ていた。
今しかない…。言うぞ。
ねね「師長さん、今いいですか?業務とは全然関係ない話なんですけど…」
イケメン師長「なぁに~?いいよ~?」と気さくに返答あり。よし、話そう。言おう
ねね「師長さんのお友だちか知り合いで転職に興味のある男性ナースはいますか?」
イケメン師長「知り合いであんまり男性ナースはいないんだよね~どんな職場?」
よし、話の流れはねねが主導権を持った!いけ、やれ、いえ、ここから先はねねのペースで失礼するんだ!
そうして募集する職場の概要を話し、どんな人がほしいか、という話をした。
ねね「親切丁寧な対応ができる人がいいみたいです。師長さんなんか向いてると思いますよ。」
はぁ、はぁ、言うんだ!言え!半日以上温めたこの抑えきれない、この、気持ちを‼くらえ!!イケメン師長!
ねね「お前らひじきでも勝手に食ってろよ、みたいな態度じゃなければどんな人でも大丈夫だと思います。」
イケメン師長「…?」
イケメン師長「いやいや、俺なんて適当ですから(丁寧な対応力があるという褒めに対してのアンサー)」
ねねは心の中で達成感と謎の「これじゃない」感でいっぱいになった。
ひじきは完全にスルーされた。
それでいい。きょとんとされながらスルーされたのは正しい。想定内の反応だ。スベるという反応に近いものもあるだろう。
かなり自然な流れでひじき、というワードは飛びだしスルーされ無になった。
この虚無はたいそうねねを喜ばした。
でも本当は、なんの脈絡もなく向かい合って目をみて「ひじき?」みたいに言いたいのだ。
本当のひじきをいう日まで。
ねねは様子を伺おうと思う。
ちなみに昼間、
タピオカクッキーを頂き、おばちゃんと分けあって食べていたらおばちゃんが
「タピオカ~?」
と聞いてきたので大爆笑してしまった。
タピオカの味がするか?という確認だったのだが「タピオカ」が持つ言葉の音には笑わされてしまう。間抜けなのだ。
ふむ。タピオカもいいな。
増えてしまった。
イケメンに無駄に言いたい言葉が増えてしまった。
ひじき、トリケラトプス、タピオカ。
難易度が高すぎるがいつかそっと言ってみたい。そんな気持ちをねねはいつだって温めている。