幸運とは誰にでも平等に訪れるものではないし、当たり前のようにそれを享受するものではない。
本日ねねはラッキースケベと思われる事案に遭遇した。ラッキースケベという若者言葉についてはYahoo!知恵袋を参照していただくのが良いかと思われる。
ラッキースケベとはどういうことですか? - ラッキースケベとは、... - Yahoo!知恵袋
では何があったか、順を追って落ち着いて記して行こう。若干の手の震えは今日の体験を恐れているためなのだろうか。
ねねの職場にはイケメン師長がいる。さかもツインのブログでもイケメン師長(副主任から師長に出世した)は度々登場している。
小さな顔にすらりと伸びた手足、整った目鼻立ち、初めてこの人を見たとき「モデルさんがいる!!」と驚いて3度見した。
ねねは就職してから病院勤めで女性に囲まれて仕事をしている。どの職場も男性は数えるほどしかいなかったし、いたとしてもヤバい人か、50~60歳位のおじさんばかりだったので男性への免疫がほとんどない。
若い男性がいるだけで正直驚く。こんなところに若い男性がいる!と驚く。都会に猿が出没して大騒ぎするくらい脳内では混乱している。
同じ空気を吸うのも結構緊張する。隣には絶対に座らない。とにかく距離を置く。なぜかはわからないが近寄ったら罪な気がするから。女子高に関係ないおじさんが入ってきたらあなたは通報するでしょう?そのおじさんは紛れもなくねねだ。そう、ねねが男性と関わること事態多分通報される事案のような距離感でいるので男性がいるとハラハラする。
ちなみにイケメン師長へ恋心を抱いているのかと思われる方もいるようなので誤解のないように言っておきたいがイケメン師長への恋心は一切ない。
イケメンは眺めるだけでいい。
それもあるがイケメン師長にはパートナー(あえて彼女と言わないので察してほしい)がいるようだ。
左手の薬指にうっかり指輪をつけたまま出勤しているイケメン師長をねねは知っている。職場でその指輪をこっそり外していたのも知っている。
ねねはそういうのとても敏感なのでイケメン師長の幸せを陰ながら願っている。色々恋ばなを聞きたいところであるが色々あるだろうから聞かない。
さて、だいぶ寄り道をしたがここら辺から本題に大きく近付いていこう。
イケメン師長は最近下血をしたらしい。ストレス性の消化菅出血のようだ。あまりにも出血したので落ち込んでいた。次の週「大丈夫ですか」と聞いたら「なんとか」と言っていたので大丈夫なようだ。
ねねはイケメンが出血するネタにすごく弱くめちゃくちゃ笑ってしまう。申し訳ないけど笑ってしまう。イケメンなのに下血するの!って。以前イケメン師長が勤務中激しく鼻血を出して血まみれのティッシュをゴミ袋に入れて持ち歩いているのを見て信じられないくらい笑ってしまいあまりにも笑うもんでイケメン師長も呆れて笑っていた。
今週イケメン師長は面倒くさい仕事対応でとても疲れている様子だった。ストレスしか溜まらないような悲惨な姿を目撃しているので気を遣って「大丈夫ですか?また下血しちゃいますよ?」と言った。
そしたら…
「大丈夫だよ~!ステロイド塗ってるから」と笑顔で返答した。
白衣のズボンの上からおしりのほっぺをがっつり押さえておしりのラインをばっちり見せつけてきたのだ。
ぐっっぁぁ。
はぁ、はぁはぁ。
危ない。記すのも危ない。何だったんだあれは。PTSDになりそう。
はぁはぁ。落ち着いて続きを。
まずはおしりのほっぺというのは紛れもなく臀部のことである。おしりのほっぺで伝わったか心配ではあるが臀部という言葉でフォローはできただろう。
おしりのほっぺをがっつり押さえてヒップラインを見せてきた。悪気も悪意もなく、そこには「僕のおしりは大丈夫」というピュアなアピールだ。
もうどうしたらいいのかわからなくて一旦引いた。心を全力で引かせるのだ。イケメンに対する反応として正しいのはイケメンの生きる姿全てに一旦ドン引きするのだ。
そうするとドキドキしたりしないで済む。
「うわ、ヒップライン見せつけられた」とドン引いてみるとまじまじと見られる。頬を赤らめたり恥じらいを見せることなく平静なリアクションをとることができる。
なのでどんなヒップラインだったかお伝えさることも可能だ。
女子じゃないのでおしりのほっぺにパンティラインなど表れない。あぁ、イケメン師長は男なんだな、と改めて思う。もちろん白のズボンからパンツの色が透けることもない。
気になったのはガリガリに痩せているそのおしりのほっぺだ。押さえた手はまるで骨を押さえているかのような薄さだった。余計な脂肪やたるんだ皮膚などの存在を真っ向から否定している。
痩せすぎ。
ドン引きすると共に痩せすぎててしんぱいになった。
あぁイケメンのおしりをまじまじと眺めてしまった罪すら感じる。もちろん着衣の上からではあるけども、その着衣とおしりのほっぺまでの距離は1cmにも満たない。
ねねにそんな苦悩をさせておいて露知らず「お疲れ様」と言い去りイケメン師長は帰っていった。
ねねはおばちゃんたちと小話をしてから帰った。帰り道ふと「これがラッキースケベというやつか!」と合点がいった。
ラッキースケベとはこんなに恐ろしいものなのか。罰せられるほどではないけどもその人の極個人的な部分に土足で立ち入る罪のようなものなのではないか。
ねねはあのおしりのほっぺを見て良かったのだろうか。目を真ん丸にして月に尋ねても答えは聞けなかった。
来週また同じ職場で働けるように、できれば今日見たことを忘れたいねねなのであった。