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さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

サボテンサトシの作るカレーはうまいのか?

 サボテンサトシというギター芸人の知り合いがいる。数年前単独ライブに行き面白かったのでファンになった。

サボテンサトシ (@sabotensatoshi)さんをチェックしよう https://twitter.com/sabotensatoshi?s=09

 

このブログ内でも度々登場しておりギター片手に登山、埼玉県を巡る、甲冑を着るなど、なかなか骨のある男である。


埼玉には何もないと君が言ったから埼玉県のJRの駅を全て巡る旅をするハメになったんだ~前編~ - ここから先は私のペースで失礼いたします

 

 

先日久しぶりに会うとなんだか穏やかな雰囲気だった。毒が抜けたというかギラギラしていないというか。おかしい、何かあったのだろうかと思いながら話していると「最近カレー作りにハマっているんです」とのこと。

自炊している人ならだいたいの人が通るカレー。どんな作り方をしても失敗しにくく、それぞれの味があるとはいえルーを使えばみんな似たような味になるものだと思っていた。

それを得意気に「僕の作るカレーはおいしいです。カレー屋始めようかな」なんて言いだし、悟ったかのように穏やかな顔をし、しまいにはギターよりカレー的なことを言い出すので何言ってるんだこいつはと理解ができなかった。

 

私が100年続ける覚悟で続けてほしいと思ったギターより、最近ふとハマったカレーな情熱を注いでいるのがちょっとだけ寂しくなった。次の日、勤め先の認知症のおばあちゃんに「なんかね、知り合いでカレー屋始めたいとかいう人いるんだけどどう思う?」と聞いてみた。「そんなのわかんないよ!」と言われたので「お笑い芸人やってるんだけどカレー屋になりたいんだってさ」と続けると「そんなのわかんないよわかんないわかんない」と独語にシフトしたのでカレー屋の話をするのはやめた。

 

 サボテンサトシがあまりにも自信を持ってカレーの話をするのでそのカレーを食べに行ってきた。ギターより大切なカレー、美味しくなかったらサボテンサトシの家のちゃぶ台をひっくり返してやろう。そしてギターを100年弾けよと言おうと思った。ちょっとだけ忌々しいカレー。

 

 サボテンサトシの家に行くと前菜が用意されていた。煮玉子とささみのなにか。これがとてもおいしい。サボテンサトシの料理の腕前は同年代の独身男性基準の偏差値68くらいはいっている。30歳独身男性お料理東大も夢じゃない。
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これは箸が止まらなくなるやつだ。食べ過ぎてカレーが入らなくなる前にカレーを出してくれと頼む。

 

しばらくしてカレーが出てきた。f:id:sakamotwin:20190618222222j:image

見た目は普通のカレーである。ご飯の上にはバジルがふりかけてある。へぇ、やるじゃん。よし、食べる。

うま…。

うっま…。

嘘でしょ…めちゃくちゃおいしい。

爽やかな辛さが口に広がりさっと消える。くどくない。カレールーの辛さではない。夏の風のような爽快感がある。こんな演出できるんだ、すごいじゃないの。舐めてたわ、完全に舐めてたわ…舐めるのはカレーの皿だけにしときなさいよ、これは私の思想の完全敗北。サボテンサトシよ、ギターを全部捨ててカレー屋を開けよ…そこまで思想を覆してしまううまさ。

作り方を聞いてみたらきちんと手間をかけていた。深みのあるカレーになる理由がわかり納得する。このカレーは老舗ホテルとカレーと言ってもそうですか、おいしいですもんね、と納得できる味。私はこんなにおいしいカレーを作ったことがない。嫉妬すら感じる。

 

きちんと米に合うようにできているのも素晴らしい。インドカレーでもスリランカカレーでもない。日本のカレー。余ったら明日はカレーうどんにしよう、という我々の生活に寄り添ったカレーである。このカレーは確かにお店でもいい、外に出して皆にも食べてほしいなと思った。

 

カレーを食べながら「それで、ギターはどうするの?やめるの?」と聞くと、「ねねさんが100年続ける気でやれって言ったでしょう、やりますよ」と言われたのでそれはそれでほっとした。

 

暖炉の火のテレビを見ながらカレーを食べる昼下がり。
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サボテンサトシは酒を3本あけていた。完全にアル中ののみっぷりだったが、自分で作ったカレーをおかわりして食べていて幸せそうだった。時にカレーは人を幸せにするのかもしれないなと思った。