ここから先は私のペースで失礼いたします

さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

トングとトレー

とある下町に行った。昼下がりで真夏の晴れた青い空とセミの音。ああ夏だなぁと冷たい空気に触れたいと駅前のパン屋に入った。

昼なので沢山のパンが並んでいる。甘いものやお惣菜系、ハードなパンやスライスで厚さが分けられた沢山の食パン。どれにしようかなぁとうろうろと店内を巡り食パンとアップルパイを買うことにした。

 

レジに並んでいてお会計をすると隣におじいさんがやってきた。

大きなふかふかのクルミのパン一つ欲しかったようで手掴みでパンを持ちレジのおばさんにお会計をお願いしていた。

 

「トングとトレー!」と心の中で大声で叫んだ。物凄くハラハラしたが店員さんは何事もなくおじいさんのパンを梱包するためビニール袋を出しておじいさんはその中にクルミのパンを入れた。

代金はお財布の中の小銭をバァンっと釣り銭トレーにぶちまけてそれも店員さんが小銭を拾いお会計を済ませていた。

 

下町だからな。高齢の方が多いんだろうな~。ひとりでお買い物に来ていて偉いなおじいさん。そしてそれをものともせず対応するおばさん店員さん。

とてもナチュラルに結構びっくりしちゃう世界が広がっていた。

都内のお洒落なパン屋だったら手掴みでパンを持ったら即「お客様困りますぅ」だろう。お会計もセルフレジになってどう使えば良いのかわからない人もいるだろうな。

年を取ったら一人じゃ生きていけない。優しく見守ってくれるサポートがないとといけないよね。となんだか老後がとても不安になってしまったのだった。