ここから先は私のペースで失礼いたします

さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

初めて会うフォロワーさんとラブホ巡りの旅に行った話

青森県のおいらせ町にホテルナポレオンというそれはもう素晴らしく昭和のかおりを今に残すラブホテルがあるという。

f:id:sakamotwin:20201021215058j:image

日本昭和ラブホテル大全に載っているのを見てから「ここはいつか行きたい憧れの地」と1年ちょっと夢見てきた。

 

未知の感染症の流行により先の見えない日々を過ごしている。閉業していくホテルも少なくない。このまま「いつか」を待っていたらナポレオンに行けずじまいとなるかもしれない。そう考えたら意を決して行った方がいいと思った。

 

ただひとりで行くには遠く車がないとアクセスしずらいようで同行者がいたほうがいい。そしてこんなツイートをしたのである。


さかもツインねね on Twitter: "ホテルナポレオンフレンド募集中です ・青森県八戸駅集合 ・レンタカーで移動 ・ナポレオンの部屋いくつか入る ・私は火サスの撮影をするのであなたは自由にしてて下さい ・余裕あれば付近のラブホも散策 ・八戸駅解散"

ナポレオンフレンド、略してナポフレ。

 

私の中で私という人間は人望がなく人が寄ってこないタイプだと思っていたのでこのツイートに反応してくれる人が少しいたことに大変驚いている。

そしてDMでお互い「ナポレオンはいつか行きたいけどアクセスの問題でなかなか行けない、いつか行ったらレポート楽しみにしてます」というやりとりを経て「ナポフレ決まってなければ一緒にどうですか」という奇跡がおきたのだ。

 

奇跡…✨✨

愛…♥️

 

もともと相互フォローしており、お互いラブホのブログを書いていたりとラブホ巡りが好きということは存じ上げていたので「この人となら憧れのナポレオンに行ける!」と確信した。

 

そこからは撮影方法や在室中の流れ、ナポレオンを巡り時間があれば他のラブホも見てみたい、レンタカーの運転について、部屋料金の負担について、何かあった場合急に行けなくなることもありうるけどそのときは仕方ないと割りきりましょうという相談を1ヶ月以上前から念入りにして、いよいよ10月吉日ナポレオンアタックに挑んだのである。

 

 

顔も知らないフォロワーさんと朝の本八戸の駅で待ち合わせる。初めてひとりで借りたレンタカーを駅に停め心臓をばくばくさせながら駅にいる女の人を「この人か?この人か?」と見回した。

 

予想しないところから大荷物の女性が来て2人で「(…もしかして?)」という顔をして会釈をする。

あぁ、この人があのフォロワーさんか!!(なんか感動!)

Twitterの中の人と対面するとちょっぴり照れるしうれしくもなるし、この瞬間というのはなかなかエモいものである。

 

「はじめまして」「よろしくお願いします」のあいさつをそそっとし車に乗り込む。

 

 

初対面の人と会うのは「会話が続くかな」とか「嫌われないかな」とか緊張がある。正直ナポレオンに行きたいけど本当に初めて会う人となんの問題もなく行けるのかが不安だった。行くのやめちゃえばこの不安はなくなるだろうが、不安を抱いても行きたい場所だし、同じ気持ちでフォロワーさんもナポレオンアタックに挑んできていると思うともう後にはひけなかったし「やるぞ!」と力がわいてきた。見知らぬ美しい土地が気持ちを少し強くさせたのかもしれない。

 

「あの、気を遣わないでいいですからね!」

とフォロワーさんが言ってくれたことで肩の力がだいぶ抜けた。私は無意識に人を振り回すタイプの人間なのでこの一言はありがたかった。体力があるほうと言っていたので多分多少の無理はお互いできそうだ。

 

「なんて呼んだらいいですか?」

と呼び名の確認をしてお互い世代も一緒だと判明したので「ちゃん」づけで呼ぶことにした。

こういう形で交遊関係が広がるのってすごくいいなと思った。ちゃんづけで呼ぶというだけでもうめちゃくちゃ楽しかった。

 

ラブホ巡りをメインにしたいため、食事はこだわらない、青森名物を食べなくても全然平気だからコンビニでご飯買っていきましょうという話で同意が得られ、ローソンでお弁当を買ってる瞬間はラブホに行く前のカップルみたいだった。ひとりでラブホ巡りしているので、ラブホで食べるコンビニ飯を選ぶ瞬間ですらイベントのように感じる。

 

 

カーナビをホテルナポレオンに設定し、いざナポレオンへ。
f:id:sakamotwin:20201021222341j:image

ガレージタイプのラブホに初めて車で来たよ!このナンバー隠すやつやってみたかったんだ!

 

憧れの聖地がすぐそこに。
f:id:sakamotwin:20201021222536j:image
「空いてたね、よかったよかった」なんて言いながら入室。

 

キャーーーー!
f:id:sakamotwin:20201021222648j:image

2人で大絶叫!

 

死ぬかと思った。良すぎて。興奮しすぎて失神するかと思ったし脳の血管5本くらい切れるかと思った。それほどに唯一無二の美しい場所。今だかつてない世界に魂が叫ばずにはいられなかった。

 

跳んで跳ねて喜んだ。2人で喜んだ。抱き合いたいくらいだったが、初対面の人にバグされたら嫌かもしれないしとそこは配慮しハイタッチだけしてもらった。いや、このベッドを前にハイタッチができて本当によかった。2人で来ると感動を分かち合えるということを学びそれはとても良いものだった。

 

この世界に圧倒されて呆然としてしまったのでとりあえずさっき買ったご飯を食べることにしたのだが味がしない(味覚障害ではない)。
f:id:sakamotwin:20201021222327j:image

もう胸がいっぱいすぎて味覚が発動しないようだ。となりで同じくお弁当を食べるフォロワーさんと「味しないね」なんて言って笑った。我々はかなりテンパっていた。

 

そしてお互いのペースで撮影をした。

私は火サスごっこの衣装をぶちまけていても気にしないでいてくれたので助かった。フォロワーさんの大荷物がカメラ器材で「どれか置いてきて納得できない撮影になるなら全部持ってきた方がいい」と言っていたのがめちゃくちゃよかった。全力でぶつかっている姿はかっこよくて刺激になった。

 

昼間に入ったナポレオンを日が沈みあたりが真っ暗になる頃に出た。

興奮は収まらず「温泉が出るラブホ」にも寄ってみることにした。

 

ガレージタイプのラブホをぐるぐると3週し入った部屋は大当たり。
f:id:sakamotwin:20201021223652j:image


f:id:sakamotwin:20201021223740j:image

まぁラブホの温泉だし、と期待せず入ったら本気の温泉だった。しかも掛け流し。

 

「せっかくですし…入ります?」

「初対面の人とお風呂とか気にします?」

「気にしません」

「じゃあ入りましょう」

「入っちゃいましょう」

 

という流れで初対面の人と温泉に入ることになった。恥ずかしさや照れより『この温泉に入りたい』という気持ちが強かった。

 

入ってみるととろみのある湯で肌がすべすべになる。ちょうどいい温度で最高の気分だった。露天風呂までありそとのネオン看板を見ながら「いいねいいね」と喜んだ。

 

ぽかぽかになって退室。料金を受け取りにきたおばちゃんに「いい温泉ですね」というと「いいでしょ?温泉に入りに来る人もいるのよ」と教えてくれた。納得である。

 

 

夜道を市街地へ向けてまた車を走らせる。

ラブホの話がメインだったがラブホでこんなことがあったとかここがよかったとか色々聞かせてもらえて楽しかった。共通の趣味があるだけでこんなに盛り上がれるのかと思うほど弾んだ。

 

フォロワーさんはラブホに泊まり、私はシティホテルに泊まり1日目は終了。こんなに濃厚な旅は初めてかもしれない。写真を見返す間もなく眠りについてしまった。

 

 

翌朝ラブホに迎えに行きラブホに泊まった感想を聞く。ゲラゲラ笑った。宇宙船で夢の城へ【青森県十和田市】夢の城 13号室 - 愛欲空間 -昭和レトロなラブホテル探訪-]

↑フォロワーさんの一晩の記録

 

2日目は1件だけラブホに寄り最寄り駅で解散。夢のような時間が終わってしまうことが名残惜しくてしかたない。

フォロワーさんと一緒に来られてよかった。

また遊びましょうというお言葉が本当にうれしくて帰ってきてから次行きたいラブホの候補を調べてしまうほど誰かと一緒に行くラブホは楽しかった。

 

ひとりでできなくてもふたりならできる。

そんなのは幻想だと思っていた。なんだってひとりでやらなきゃ、強くあらなきゃ、少しやっきになっていたかもしれない。

誰かと分かちかう時間は優しくて尊かった。

もう少し遠くまで行けそうな気がした。

 

ひとりもいいけどひとりじゃないのもいいと思える旅にしてくれたフォロワーさんに感謝する。感謝してもしきれないけど。

 

なんでも言ってみるものだと思った。うれしくてしかたない。無事旅が終わってもまだ余韻に浸っている。