ローラースケートをはいたことがないな、とふと思った。ローラースケートについてくる動詞がはくで合っているのかも定かではないがとりあえずはくということにしておこう。
昭和の終わりに生まれたねねはローラースケート世代だと思う。ちょうどインラインスケートという縦にカラカラが4つ並んだスタイリッシュなものが出始めローラースケートが姿を消した頃のことを知っている。
ねねの家はそういう流行りもののおもちゃを買ってくれるような家ではなかったのでローラースケートを買ってくれることはなかった。まぁねね自信運動が嫌いで外で遊ぶことをせず寝てばかりいたのでローラースケートを欲しがることもなかった。竹馬は家にあったが結局のれないままだったし、バドミントンもうまくできない、縄跳びも飽きる、一輪車はやっとこさ乗れたが長時間乗れるものではなかったエピソードを振り返るとローラースケートはやはりいらないという結論に至る。
ただ、このままあの不思議な靴をはかないでいいのかと不安になってしまった。急に、日曜日の3度寝の起きがけに思い詰めてしまったのである。
34歳から始めるローラースケートというのは聞いたことがない。だけど人生も折り返し地点、今日が1番若くてどんどん老いていく。仮にローラースケートをしてすっ転んだとしたら今日が1番治りやすい。来年は今より治癒力が落ちているかもしれない。もしかしてあの不思議な靴をはくチャンスは…今?
ローラースケート 都内 で検索してみた。あった。あそこに行けばローラースケートができるのかという情報を掴んだ。ひとりで行くのはちょっと怖い。だけど、行きたい。今年きっとねねはローラースケートをはく。何の意味もないかもしれないけど、はいたら何かが変わる気がして心がざわざわするのだ。