さかもツインは角上魚類が大好きだ。角上魚類というのは鮮魚専門店のことである。
10年近く前に母が仲良しのおばちゃんから安くて新鮮でいい魚屋があると教えてもらったそうでことあるごとに角上魚類に行くようになった。角上魚類の魚が食卓に並ぶ日は「この魚おいしい」「これは角上の魚だから」という会話が繰り広げられるほどだ。
旬の魚が並び対面販売では気さくなおばちゃんがオススメの魚や調理法を教えてくれたりする。寿司も美味しくて寿司屋に行かず1,000円で満足度の高い寿司ランチができる。はぁ、天国じゃんね。角上魚類がお近くにある方はぜひ行ってみてほしい。
ちなみにさかも一族は角上魚類が好きすぎて新潟の角上魚類本店に行ったことがある。感慨深かった。
角上魚類のことを語り出すと止まらない。
ここらへんでやめておこう。
本題の貝の話にしよう。
先日いつものごとくふらりと角上魚類に行ったら貝が売っていた。ホタテや牡蠣はわりとよく見かけるが平貝というとんでもなくでかい貝が売っていて妙にそそられた。
そのとなりには蛤くらいの二枚貝が売っていて2個で300円だった。安い。めめ(妹)に「あれほしい」と煽る。基本的に貝はノロウィルスが怖いので完全に火を通したやつしか食べない。本当はめちゃくちゃ生牡蠣食いたい。でもノロウィルスが怖すぎるので火を通す。市販の貝の刺身、貝の寿司がどれだけ高嶺の花に見えるか皆さんは想像できますか?
市販の貝を買って帰り火を通すことで安心して食べられるなら…買っちゃいましょう。そして酒蒸しにしましょう。家に飲まない日本酒があるからそれでやっちゃいましょう。
せーのっ、
はいっ
多分食べ頃だけどノロウィルス怖すぎるのでもっと火を通すよ!
いくよっ!
あっ!
鍋ガビガビになった!
まぁいいか。
じゃあ1個ずつ食べましょう。
むしゃむしゃ。むしゃむしゃ。むっちむっち。
めめは言った。目を閉じて貝を噛みながら言った。
「これ永遠にうまい味がするガムじゃん」
ねねも言った。
「これは永遠に強い旨味がするガムだね」
さかもツインはうまい貝を無心で食べた。そして「うまかったからまた食おうね」と誓った。
翌日仕事中「あの貝うまかったな」と思い出しては優しい気持ちになった。貝って麻薬?こんなことある?あの貝のことが頭から離れない。名前も知らぬ貝。次に買うときのために名前くらいは覚えておきたい。インターネットというのは便利なものでねねにあの貝の名を教えてくれた。どうやらほっき貝というらしい。わかった。ほっき貝。また買おう。食べると幸福度が3ポイント上がる貝。好きだよ。
とりあえずこれを読んだ皆さんは最寄りの角上魚類を探して行ってきて下さい。そしてほっき貝が売っていたら買ってみてください。きっと昨日と違うあなたになれますから。