ここから先は私のペースで失礼いたします

さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

けっこう楽しくやってんじゃん

仕事に行くのはおっくうだ。行ってしまえばそれなりにやって帰ってくるけど毎日些細なことでイライラしたり文句を言わなきゃやっていられないこともある。そうするとどんどん職場がつまらないものに感じてくる。無理にでもおもしろくしてちょっとはいいかなと思えるような働き方をしたい。特に今年は。そう思ったのでちょっとおもしろかったことを書き出してみようと思う。

 

 マジで!はマジで!で返せ

とある患者さんの採血に行った。1度目、針を刺した瞬間に「殺す気か!」と動かれ失敗。必要な検査だからとなだめながらも2度目も動かれる(動くというより暴れてたな、あれ)。

 血管に針が刺さりあとは血を抜くだけ。暴れる老年期患者さん。押さえる私。「マジで!動かないで!」必死になって言うと、「マジで!痛い!」と返ってきた。それ正答だわと思って笑った。マジで痛いよね、と笑った。採血は無事に採れた。

マジでと言う昭和1桁生まれの患者さん、ギャル語使使いこなす瞬間に立ち会えて嬉しく思う。

 

 

採尿カップこぼれんばかりに

 とある患者さんの採尿を頼まれた。尿意のないオムツ着用中の患者さんだ。菌の培養検査でないのでおまたにカップを仕込み後程カップにたまった尿を検査に出すシステムだ。カップがうまく当たらないと採れないのでカップ当ては職人技術が必要になる。

カップ職人私は患者さんになぜ検査が必要か、おまたにカップを仕込むことを説明した。返事はないがきっとわかってくれたろう。カップを仕込んでオムツを閉じようとしたとき、しゃばしゃば~と検体(尿のこと)が出てきた。

「もしかして検査だってわかってくれた?ありがとう!」

なんて白衣の天使対応をしたと思ったか?しとらん、しとらんのじゃ。

突然のスコールのようにしゃばしゃば~と溢れてくる検体。「あ!ちょっと!まって!こぼれるっあっ!まって!」とテンパる。250CCも入ればいっぱいになるような小さなカップだ。

「溢れるっ!ひぃっ!待って!」

病室で何が行われているか私にしかわからない。ただその黄金色のなにかを必死で受け止める。検体は十分とれた。がまだ止まらない検体。

「もう!無理!」

とオムツをしっかりあてがって終わりにした。検査はうまく行ったが想定外のことばかり起きる。病院勤めはいつだってハラハラする。ハラハラしながらもうまく検査できる旨伝え退室した。尿検査はいつだってギリギリ。もっとうまい方法があればいいのに、と思う。

 

 

生娘の笑い声

隣の病室からキャッキャうふふと笑い声が聞こえてきた。昼下がりの優しい日差しが入るころ。どうやら隣の部屋で患者さんと看護師さん2人で笑い話をしているらしい。生娘のような笑い声だが皆50歳前後のご婦人である。なんで笑っているかわからないけど笑う人の顔まで目に浮かぶような心地いい笑い声だった。聞いていてすっかり癒されてしまった。それほどに優しくて美しい品のある笑い声だった。

そんな笑い声が響く病棟を目指すべきだと思うけれども現実はだみ声のおばさんたちが日々悪口を言いまくる職場なので、自分がどうあるべきか常々考えたら優しい笑い声を届ける人になりたいと思う。良い人の振る舞いが引き立つ職場なので勉強になる。

 

 

目がきれいだね

うすらぼんやりしている患者さんに「ここの人はみんな目がきれいだね」と言われる。嬉しいので「○○さんも目がきれいですね」と返す。褒め合うと自然と笑顔になる。目がきれいの基準はよくわからないが目がきれいと言われると悪い気はしない。

 

 

なんか歌っている。

時々音楽を流す。患者さんのところで歌謡曲を流していたらゴニョゴニョ聞こえてきた。よく聞いてみるとどうやら歌っているらしい。他のスタッフに「歌ってますよね?」と確認するとやはり歌っていた。鼻唄と言うにはちょっとおしい歌声は癖になる。「すごいねぇ」と褒めたが気にせず歌い続けていた。色んな言葉を忘れても歌というのはけっこう残っているようだ。いつかおばあちゃんコーラス隊結成したらソロパート任せるからね、と耳元でこっそり言った。

 

ランキング上位

とある患者さんは好きなスタッフランキングを作っている。失語症があるのでうなづきと首ふりだけでのコミュニケーションとなるが私がひとりひとりスタッフの名前をあげて何位か聞くというのをしばしばやっている。前回11位だったのが5位になってうれしい。他のスタッフさんの順位も聞いてみたら思ったよりも低くて「おばちゃんをからかうんじゃないよ~❗」と注意を受けて大爆笑していた。私も「おばちゃんをからかうんじゃないよ」というフレーズに爆笑してしまい朗らかな時間が流れた。スタッフ全員が退室したあともその患者さんの笑い声がしばらく響いていたのでよっぽどウケたらしい。こういう時間にはすごく癒される。

 

 

なんだけっこう職場で楽しくやってるじゃんと思った。笑うことの力は偉大だなと思う。何だかんだで仕事をやめないのはこういうのがあるからだろう。楽しかったことをもう少し意識してなるべく楽しく働きたいものである。まあ採血とかの検査は安全第一なので楽しくなくていいのだけど。(患者さんお願いじっとしてて!の意)