ここから先は私のペースで失礼いたします

さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

2024年旅初め

2023年があっという間に過ぎ去り色んな場所との出会いに想いを寄せながら2024年もいい年になりますように、とお正月を迎えた矢先の震災、飛行機事故。被災地域の方には心よりお見舞い申し上げます。

もうこれ以上の災いがありませんようにと祈るしかない年明けとなった。こんなことは何十年生きていて初めてだと思う。日常がどんなに尊いか改めて思い知らされた。

 

 

1月の初めの週末はラブホ写真家の那部さん

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と出かける予定を決めており無事に行けるのかという不安を抱えつつも旅の準備を始めた。

 

【出発前日:旅程崩壊からの再構築】

飛行機の欠航情報をチェックしてなんとか大丈夫そうとレンタカー宿泊地を手配済のところ19時頃に『あなたの乗る飛行機が欠航で〜す』という連絡が入った。絶望である。

日に何本もある空港ではなかったため時間をずらすこともできずテンパった。心の底からテンパった。

色んな代替案を出し、結局レンタカーをキャンセル、新幹線で向かうことにした。レンタカーも取り直し出鼻をめちゃくちゃに挫かれ仕方なしの一言で笑えないほど愕然としていた。こういうこともあるのね…。4時間ちゃんと座ってられるかしら…頑張れ私の膝腰…。色んな焦る気持ちを抱えたまま浅い眠りについた。

 

【旅行1日目】

もともと全日仕事だったが無理くり言って半日にしてもらった。出勤の荷物とスーツケースを持ち、最寄り駅のコインロッカーに荷物を預ける。

こうすることで家に帰らず直行できるという技を身につけている。

午前半日の割に朝から雲行きが怪しく多忙だった。1人呑気に旅行になど行かせないわよという怨霊が憑いてたんだと思う。それでも定刻でなんとか終わらせスーツケースを回収し新幹線に乗り込んだ。広島まで約4時間。新幹線長距離移動なんて福岡の遠距離恋愛してた頃以来。もう8年くらい経っているので懐かしさも何もなくただただ揺られて新大阪岡山を通過し不安要素の膝腰もなんとか現状維持できたまま広島駅についたときは心底ほっとした。

駅で那部さんと合流したときは「無事に遠征を始められる」という安堵感がすごかった。那部さんももしかしたら2人で旅できないかもという最悪のパターンも視野に入れていたためこの合流は奇跡だったと思う。

レンタカーを借り広島から廿日市市を目指した。

今回のお目当ては『ホテル夢の国』

https://happyhotel.jp/hotels/780471

 

 

ユニークなお部屋のある昭和ラブホだ。何年も憧れていた場所に行けるという感動と興奮に行きの車内はそわそわしつつ盛り上がったという。

 

【憧れの地夢の国】

到着は20時頃となった。

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暗闇の国道を走らせているとぽんと看板が出てくるので坂道を登り名物の看板を見て歓声が上がる。

ここが我々の夢の国。事前に入りたい部屋は相談しており、どこが空いているかワクワクしながら入室🚗

 

1番初めは

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籐のベッドのお部屋である。

ここはSNSで見て以来ずっと気になっていたお部屋だ。鳥籠のようなベッドを囲う装飾がたまらなくいい。

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家具など調度品も籐でなんてセンスの良さなんだろうと震えた。昭和生まれの人間からしたら籐の家具は庶民の豊かさの象徴であると思う。結構お値段張りますからね。籐のベッドに憧れて買おうとしたら30万と出てきて諦めたことがあるのでこの部屋を見てすごい贅沢な部屋だと思った。f:id:sakamotwin:20240119232057j:image

私もこんなベッドで毎日眠りたい。影の模様まで美しい。このベッドのためにまた行きたいと本気で思っている。

写真を存分に撮り趣味の撮影もして那部さんと興奮の中退室となった。来てよかった来てよかったと口々にし夕食を取りに近くの台湾料理屋さんへ。f:id:sakamotwin:20240114225332j:image

夢の国付近にコンビニも食事を取る場所もあるのでおこもりしたい人にも便利な場所である。

年明けの挨拶を改めてして今年も頑張ろうねと励ましあったあとまた夢の国に戻った。

那部さんはラブホ宿泊、私は宮浜温泉に宿泊となり夢の国で解散したあと温泉地に向かった。基本的に私はラブホに泊まらない。ホテルの大浴場や朝食が好きなのと夜の街を散歩できるからという理由だ。

今回宿泊したホテルは宮浜グランドホテル。

https://miyahama.com/

海を眺めながら入れる露天風呂がとても良く岩国の工業地帯の明かりやくっきりと見える星空を見ながらのんびり温泉に浸かった。移動の疲れが飛ぶくらいいいホテルだった。

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程よく温まり浴衣を着て敷布団で寝るのも旅の醍醐味である。

 

【旅2日目】

夜明けがやや遅い広島。

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起床し薄暗い海を眺める。遠くまで来たなぁと思いながら支度を済ませ那部さんの待つ夢の国へ。

 

おはようと出てくる那部さん。
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朝はいつもこんな感じである。

 

【大人の遊園地はここにある】

これは!!
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そう、ウォータースライダーです。


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2階の高さから1階まで曲線を描き滑る本気のやつです。

「ちょっと!これ!本物だぁ!」

「あとですべろ!あとで滑ろう!」

「とりあえず写真撮ろう、この部屋は存分に時間使おう」

と興奮が止まらない震える手でカメラを構える。こんな部屋は見たことない。ベッドとお風呂場と洗面所とトイレがあれば用が済むラブホテルにスライダー!?今の時代から考えられないほど遊び心と余力のあるホテルが現存してることに那部さんと喜びを分かち合ったという。

こういうお部屋は誰かと行ったほうが楽しいですね。もちろん1人もいいけども抑えきれない興奮を一緒に分かち合えたらいいです。2人だけの空間というのもまた価値があって貸し切り遊園地タイムになりますから。

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※ゼロ地点からカメラを構える那部さん

ほら、人がこんなにはしゃいでる姿見るとこちらまではしゃぎたくなるでしょ。はしゃぎの相乗効果っていうのがここにはあります。

撮影をひととおり終え、いよいよスライダーにお湯を通す。
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ジャバジャバと豪快に流れてくるお湯。

このスライダー、後半加速するエリアがある。気をつけないと怪我をする。まず那部さんが滑った。

掴まりながらゆっくりと、しかし後半の加速は抗えない。歓声とともに入水していった。

何回か滑り「最後は本気で行こう」とのことで那部さんが本気でいった。

「あ、ぁあ〜ッッッ」と後半の加速に耐えられずすごい勢いで着水していたのをみて爆笑した。

「人に気を付けてって言ったのに自分が気をつけられないなんて…」と言っていた。

次に私も滑る。一応本日の序盤でありフルメイクしているので入水時顔を濡らしたくないという気持ちがあった。滑り台の両端をソロリソロリと手を這わせて加速を加減する。が、後半の加速は止められずやはり勢いよく着水した。

先に着水した那部さんが笑っていた。この時間感情の選択肢などいらない、笑うのみである。

 

「今度は水着持ってこようね」と話して大満足の我々は退室の準備をした。

維持費もルームメイクも大変なお部屋だと思う。それでもこんな気持ちにさせてくれる場所はそうそうないよ。どうか末永く大切にされてほしいお部屋だ。

遊びを堪能してお腹が空いたのでセブンイレブンへ向かう。

セブンイレブンで関東では見ないお弁当がいくつかあり広島に来たんだぁとウキウキした。

 

【夢の国3部屋目】

馬車のベッドがあるのを夢の国SNSで知ったのでここが空いていたら入りたいと話していたので入室。f:id:sakamotwin:20240119235556j:image

馬車ベッドはいくつか見てきたが黒というのは初めてだった。シックでかっこいい。帝王の馬車ベッドだ。

https://twitter.com/aisiyon/status/1745986222567371259?t=XSp5m6PCmo8ziapKAYCyzQ&s=19

那部さんは電マの写真を熱心に撮っていた。f:id:sakamotwin:20240120000000j:image

こういうときどんな気持ちでカメラを構えているかそれは本人のみぞ知る。

 

お昼を食べながら来てよかったねと話す。

ホテルの中の人ともお話をさせていただき、このホテルのことをより好きになった。好きとかこうしたら楽しいとか遊び心のある人の仕事は美しいよと仕事に対する姿勢がこの部屋たちに現れている。居心地のよさとかそういうのは建物構造の問題よりも維持管理している人たちの日々の努力の賜物なんだと改めて思わされた。

 

【夜まで夢の国】

今回もドレスを何着か持ち込んだため那部とさかものファッションパーティが開催された。
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手持ちの服でこれがこの部屋に合うだろうと見繕って持ってきたものが合うとうれしい。

 

あんなに日が照っていたのに気づけば夕闇に包まれていた。

2日目夜は広島市内に泊まる予定なので名残惜しいが夢の国を後にする。


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また絶対くるからと夢の門に誓った。

そしてこの半日後にまたここに来るとはこの時点で誰も思いもしなかった。

 

広島市内地へ】

国道を走らせ広島市内に着いた。時刻は21時に近い。市内のラブホを1軒見てレトロを堪能した。

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ここのホテルの駐車場は狭く車がみっちり停まっていてどうやって出すんだろうねと疑問だった。

フロントで車の鍵を渡して退室時鍵を受け取る。

さて私のレンタカーはどこだろな?と思ったフロントから出たすぐそこに横付けされていた。

「え?高級ホテルのシステム?」

と困惑した。こんなことは初めてだった。すごく便利であると同時にいつの間に?誰が?という気持ちもある。サービスの良いシステムだ。この体験ができたのも感慨深い。

 

そしてまた那部さんをラブホに置いていき私はドーミーインに向かった。

 

【夜のビジホ】

ドーミーインは大浴場とサウナもあるし館内の空調も安定しているので長旅の疲れを癒やすにはとてもいい。
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おなじみの夜鳴きそばも。
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夕食としてありがたくいただいた。

その後コンビニでお夜食などを買って余力があれば原爆ドームの外観でもと思ったが活動限界タイムが見えてきたのでスゴスゴとドーミーインに戻る。

大浴場でサウナと水風呂に入って明日の予定を考えた。

このまま広島空港方面へ向かうつもりだったがふと「追い夢の国したらよくない?」と思った。

那部さんに選択肢として夢の国もあるとラインし朝決めようということで就寝。考え事をする間もなく眠りについた。

 

【そして3日目も夢の国へ】

ドーミーインの朝食会場に七草粥があり食べた。季節の行事をビジホで済ませられる時代、いいもんだ。

 

ラブホに向かい那部さんと合流。

1部屋見て本日の予定を決める。

どのホテルを選んでも悔いはない、本当に満足する旅になったから最終日はどう行動するか、本音で話し合い夢の国に行くことにした。f:id:sakamotwin:20240120005500j:image

※撮影那部さん

厳島神社観光したーいと言いながら宮島口を通過し小雨が上がった広島に虹が指した。

ラブホの道すがら虹がさすなんて初めてのことである。歓喜に包まれた。夢の国に行くことを祝福しているのだろう。

途中スーパーで食料品を調達する。
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リョーユーパンのマンハッタンが売っており大喜びで購入した。九州方面でしか買えないご当地グルメなので出会えると毎度「やっと会えたね」と思う。f:id:sakamotwin:20240120005929j:image

そして半日ぶりの夢の国である。
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やっぱ来てよかったと言える滞在時間となった。

撮影を終え慌ただしくランチ。
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那部さんが寿司を食べていたのが心底羨ましかったが、なにせ私は腹が弱いのでここで体調崩したらいけないからとカップ麺を食べた。出先の食生活はグルメを楽しむよりも安心安全をとっている。広島の牡蠣食いてぇとなんど心の中でぼやいたか。広島の牡蠣は腹を強くしてから挑みたいグルメである。

 

 

そしてどの部屋も素晴らしくユーモアに富んだ夢の国に別れを告げた。
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部屋を選ぶ喜びはショーウィンドウに並んだケーキを選ぶときに似ている。どれを選んでも正解、しかし横のケーキも食べたかったなと少しの無念さを残させる。選ぶ楽しさを覚えて次はこれをやりにくる。なんともたまらないシステムだ。

次から次にこの部屋でこんな写真を撮りたいという気持ちが溢れてくるので帰りの車中那部さんと「次はこの部屋行きたい」という話で盛り上がった。

広島空港へ向かう高速道路には雪がちらつき寒さが増した。夢の国から現実に戻る準備が始まっている。

 

【絶望再来】

空港に到着しキャリーケースを預けた。服とトラベル用基礎化粧品だけしか入れていないが6.8㌔あった。服だけで6㌔近くあったらしい。どうりで重いと思った。

前後の羽田行き飛行機は欠航となっていた。私の乗る飛行機は飛ぶらしくやったセーフだと思いながら保安検査場を通過し椅子に座ってくつろいでいた所羽田の混雑のため1時間遅延とアナウンスが流れた。

「…そうか帰りも飛行機ダメか。」

絶望再来となる。私よりあとの便で帰る那部さんのほうが先に飛行機に乗っていった。素敵な2泊3日の旅を共にしてくれてありがとうね!

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到着はかなり遅れ帰宅が23時近くとなりヘロヘロになった。ちょっと飛行機はこりたなぁ。それでもあの羽田の事故の後安全に目的地まで送り届けてくれたことには感謝である。 誰かの地道な仕事が安心や安全を守っていてくれるのだからそこに対する敬意は忘れずにいたい。遠征に行くと「人」の存在に支えられていると痛感する。

 

さて今年はどこへ行こうか。どこに行けるかな。f:id:sakamotwin:20240120161656j:image

好きな場所になるべく多く行ければいいな。

 

 

【ちょっと告知】

2/10〜2/24 

下北沢『洋酒とコーヒーつむじ風』にて

崖の上のモーテル展を那部さんと開催します。

那部さんのラブホ写真と、私の火曜サスペンスごっこ写真を展示します。

レコードの流れる素敵な店内でお酒やコーヒーを楽しみながらご覧くださいませ。

店舗詳細

https://bar-3781.business.site/#gallery

ご来場の際はおひとり様ドリンク1オーダー以上お願いいたします。

 

 

よろしくお願いします🙇