三重県の桑名に湖城というラブホテルがあった。2022年1月に閉業の知らせがありTwitterでは昭和ラブホが好きな人たちが困惑していた。
私も閉業前に一目見たいと思っていたのだが都合がつかず途方にくれていた。詳細は省くが縁あって閉業後解体前の湖城を見せてもらえることになりはじめましてとお別れの挨拶をしてきた。
真冬の晴天のなか初めて訪れる湖城は思っていたよりもあっさりと到着し、なぜ営業時に来なかったのか悔やまれるばかりであった。
「解体の準備が始まり足場が組まれてますよ」と聞いていた通り作業員の方が手際よく足場を組んでおり現実を突きつけられる。
赤い看板が青空によく映えていた。
中を案内していただく。
貴重なバックヤードを通過し客室へ。
バーカウンターのある部屋。
布団はあげられていてこのまま解体するとのこと。
珍しい形のベッドも家具たちも丸ごとなくなってしまうが私にはどうすることもできないのでただただ写真を撮りこの場の空気感を味わって忘れないようにするのみである。
洗面所のアメニティを見ればお客さんのためにできることを一つ一つ丁寧にしてきたホテルだというのがわかる。
最後の営業日を終え丁寧に畳まれた布団だってそんなスタッフさんたちの人柄が伝わってくる。
各お部屋どこも趣が違いユニークなベッドたちが並ぶ。レトロさもありつつスタイリッシュな証明や壁の細工もありいいホテルだ。
こちらは小さい部屋の方。特別室はまた後日ブログにしたいと思う。
撮った写真はひっそりと心のうちに留めておくつもりだったが、相次ぐ昭和ラブホの閉業にこんな場所もあったんだよと語りかけてくる写真たちがひとりで抱えるにはずいぶん重たい存在となってしまった。
閉業するには色んな理由があり止めることはできないし私個人にできることがあまりにもない無力感がつきまとう。こんな場所があるんだと知ってもらえれば少しは気持ちが軽くなるような気がしている。
ブログだと写真の画像が荒くなるのでTwitterのほうに写真をいくつかアップします。よろしければ合わせてご覧ください。
ホテル湖城 1号室 pic.twitter.com/vpNWPwGQ3k
— さかもツインねね (@sakamotwin) 2022年8月27日