そこは燃えるような赤い部屋だった。
この令和の時代にこんなにも純度の高いギラギラとした昭和ラブホがあるのは奇跡みたいなものである。
のぼりがはためくホテルの外観。
こういうふうに営業していることをアピールされるとほっとする。
ラブホお得意のビラビラをくぐりホテルに入るとお部屋パネルがあり部屋を選ぶ。何となく「赤い!」という理由で206号室にした。
階段を上った先にフロントがあり、先にお会計をしてそのまま部屋に入る仕組み。自分の選んだお部屋番号をお忘れなく。
私は忘れてフロントの人に「すみませんお部屋どこですっけ」と聞きました。
すぐそこですよとのことで振り返ると本当にすぐそこにあった。
そして入った部屋が予想以上に赤くて蝶々で驚いてしまった。
よく、よくこの時代までこの姿形でいてくださいましたね!と叫びたい気持ちを抑えて「うっわ…すごい」と小さな声で呟いた。
窓を閉めて暗くするとこのようにちかちかと光るベッドのイルミネーション。どんなクリスマスよりもロマンチックだと思う。
ちかちかイルミネーション pic.twitter.com/sLNpzXkt5E
— さかもツインねね (@sakamotwin) 2022年3月26日
壁の蝶々だけでなく、
実は天井にも蝶々がいるのです。
そしてみなさんお気づきでしょうか。
壁紙が、
人間なんです。一瞬怯みましたがすぐに慣れます。怖くないです。
主張と個性は強ければ強いほどいいので。
赤い部屋だな~と思っていたら浴室は緑×紺。
多分昔は寝室と浴室はすりガラスで仕切られていたのでしょうね。スケスケ感が昭和の証。
お手洗いも緑のタイル。
この統一感がなんとも気持ちいい。
ちょっと帰るのが惜しくなるな。
見たことないものを見るのはやはり心が弾む。
他の部屋も行ってみたいからまた来よう、帰り道スナックから異邦人が聞こえてきてただの通りすがりの私にはちょうどいい歌だと思った。
2022年3月訪問