関東の平凡な土地に住む者としては北海道というのは想像もつかない謎の土地であり、北海道の話を聞く度にどんなところだろうとワクワクするのである。
ラブホテル巡りを始めてからどうしてもここは行っておきたい、と思っていたホテルが名寄にあるホテルグリーンである。
HOTEL GREEN | ノスタルジックな名寄の隠れ家、ホテルグリーン
まず『なよろ』という土地名が読めない時点で訪問へのハードルが高い。それでもこの地を未踏のまま死ねはしないさと計画を練りに練り北海道旅行への切符を手にした。2022年10月のことである。
北の大地が仕掛けてくる 1日目 - ここから先は私のペースで失礼いたします
ラブホテル写真家の那部さんと2人の珍道中は北の大地が仕掛けてくるの記事を読んでいただければと思う。
訪問したのは日がどっぷり暮れてから。
それまで士別のスカイラークというホテルを訪問しており、北の大地の昭和ラブホテルの文化に度肝を抜かれめいた。高揚状態が続きヘロヘロになっているところの怒涛の訪問である。
スカイラーク15号室に潜入 - ここから先は私のペースで失礼いたします
ガレージに車を停めて8と書かれたドアを開ける。
また8のドアを開ける。
この焦らせがたまらない。
そして部屋を見た我々は恍惚とした表情でため息をついた。
「いい…」
赤いベロアのベッドとチンチラ壁。車を走らせやってきて北海道の広大な大地の殺伐とした感じから深い赤の温もりと少しの淫靡さに包まれるこの時間。たまらなく好きだ。
壁のアーチと鏡。
アーチの影。
レトロモダンというか、ミッドセンチュリーというか。過ぎ去った時代が新鮮に感じられる、タイムカプセルを開けたような部屋である。
ベッドの赤のカーブも素敵。
ラブホは赤ければ赤いほどいいと言いますからね(もちろん赤くなくてもいい)
部屋の真ん中まで来て後を振り返ると青い世界も広がる。
浴室の扉を開ければ
深い深い海の中。
昭和の海を背泳ぎでプカプカと。
潜水艦のような窓。夜に開けても真闇が続くだけ。
静かに2人で。
ゆらゆら夢の中へ。
2022年10月訪問
【おまけ】
グリーンまでの道のりは旭川空港から車で1時間強。市街地をぬけるとほぼこんなかんじの道のりが続きます。
そんな中でここに辿り着いた安心感というのはすごかったです。
このあと名寄の町でラーメン餃子を食べ、那部さんは再びグリーンに宿泊、私はビジホに宿泊するのでした。
翌朝のグリーン。
隣の山一ホテルは営業していない様子。
名残惜しさを感じながら名寄を離れて稚内までのドライブが始まるのでした。